○○にしてやる、1人と、1匹

○○にしてやる、1人と、1匹

盗賊君(後の猫天与の飼い主?)

猫天与の擬人化騒動が終わってから少し経った。

結局元飼い主は故人ぽいけど、ホントにツキさんとやらは色々気になること遺してったな…

猫天与の出自。礼佳が生まれた白山家の特徴に一致しすぎてるわなんだの、つまり将来的に俺の義弟?ということはまあ置いとくか

あんな聞くだけでもクソな呪いの吹き溜まりから逃げ出したor捨てられたとして、ツキさんが姿を借りたっていう飼い主さんに保護してもらったんよね? んでその人はもう亡くなってて…

例の村に行った事があるってのも気になる。自分の出身なんて知らないのにわざわざ行く必要があったのか なんのため、

それとあいつ、猫天与としか名乗らないんだよな 普通に暮らしてたなら飼い主さんから名前貰ってたりしてておかしくない筈だし…んで最期の言葉的にツキさんも把握してないみたいだもんな、あいつの名前

それともちろん礼佳に恋?してたってのとか擬人化を実現させた男とかも謎のまま終わったし…




…………

そして、唯一猫が反応した、白山家が滅んでないって話。

「アイツ」ってワードが飛び出て、それにツキさんは「あの殺人鬼」って返した 滅多に動揺も過剰な反応もしないあいつがあそこまでってな

考えれば考えるほど分かんなくなるな


仮説が合ってるなら、というか半ば妄想だけど

脱走した猫天与を快く思わなかった白山家が猫の飼い主を狙って殺したとか…

でもツキさんの話だと殺人鬼は白山家に関係ないらしいしなぁ

でもそれならそれで猫天与が村を訪れたことに説明つかん…

そんで飼い主さんが亡くなってから今どれぐらいなのかもわかんない

どうやって高専を見つけて入学したのかもわかんない






………でも、

あいつが心のどっかに見た事ないぐらい強い呪いを持ってるのは分かった。

そんでもうあいつとも2年たって猫天与とバカなことも恋愛相談とかも楽しいことも沢山やってきたから分かる。あいつの核となってるのも、やっぱり愛だ。

愛ほど歪んだ呪いはないって、誰が言い始めたんだろ、言い得て妙だよな。

あいつの本心が見えたのは、3回だけだ。義兄さんがやって来て礼佳が決闘してた最中、手が出てしまうから拘束して欲しいって言った時、絵文字が義姉さんを殺したのに関わっていたと知った時。そして、メリーゴーランドで「アイツ」、推定殺人鬼に反応したことだ。

前者2つは単純に礼佳を心配するあまりからだろうけど、後者は多分、復讐の気持ちだ。あの時だけ今まで感じなかった猫天与の魂の声とドス黒い何かが見えた。最も、俺は魂なんて知覚したことないけど。

あいつは復讐しか基本頭に無いと、まるでそう思わせるぐらい強い気持ちの片鱗が見えた、筈。

でも、仮に「アイツ」とやらを見つけて殺しても、猫天与はきっと満たされない。

飼い主さんがこの世にもういない以上、あいつは復讐したら自殺でもして旅立ってしまいそうな、そんな危なげがあると思う。

じゃあどうする?

「魂は廻っていうしね 案外、亡くした人も意外と生まれ変わっているのかも」

あの時の自分の発言を思い出す。あの絵文字に茶化されて忘れてたけど、これじゃないか。あいつにとっての最適解の落とし所は。

復讐を果たしたら、どこかにいる筈の飼い主さんを探しつつ生きる。これで過去を大切に想いつつ未来に目を向けて生きられる。まあそりゃ長いことになりそうだけど、じゃあそこまでの間、少しでもあいつを満たしてやれるのは、礼佳だけだ。そんなら、俺も傍であいつを満たす手伝いをする必要がある。



俺が幸せにしてやるのは、礼佳は勿論としてまた1匹が増えたようだな


それはそれとして飼ってみたいなぁ あいつが元の飼い主の魂を見つけるまで俺と礼佳で里親になってやりたい、そう思っても良いでしょ?

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