どんな足でも君と

どんな足でも君と

黒庭勇者さん

「ゆ、勇者様? やっぱり、私の足、短い……ですよね……」


 寝室。女性である勇者様と一緒の部屋で、ぽそりと呟く。

 勇者様はモデル体型、それに比べて私は……そんなに足はスラッとしてません。


「どうして気になるの、水遣い」

「町の人の比べる目が気になっちゃいまして……」


 小さく苦笑しながら返す言葉。

 あまり元気になれないのは、短いと口に出して言われたからでしょうか。


「……みっちりしてるからいいんじゃないかな」

「太ってるみたいで、心配なんです……」

「私は綺麗な足だって思ってるよ?」


 そっと太股をくっつけて勇者様がそう言葉にします。勇者様の太股は細くて素敵です。私の太股は……ふとい、です。


「気にしちゃいます」

「言わせておけばいいの」

「でも……」

「水遣いの太股は、むにってしてて、好きだから」

「ひゃあ」


 両方の足でもにゅもにゅと触られて変な声を出してしまいました。私としたことが恥ずかしいです。


「モデルにはなれません……」

「私がプロデュースしようか?」

「どういう?」

「ヒールが高い靴を用意するとか」

「それでなんとかなるものなのでしょうか」

「なるって。私を信じて」

「勇者様がそういうなら信じます……」


 会話している最中にももにゅもにゅと太股を動かす仕草が続きます。癖になってるのでしょうか、変な気分になってきます。


「ゆ、勇者様、同性とはいえ、ちょっと大胆、です」

「ふふっ、ドキドキしてきた?」

「し、してません」

「本当?」


 むにっと今度はお胸を引っ付けてきます。


 どくん、どくん。


 心臓の音が勇者様に響きます。

 ドキドキしてるの、バレてしまいました。


「ほら、ドキドキ」

「勇者様が美人だからです」

「水遣いも綺麗だよ?」

「も、もう、勇者様ったら」

「……今夜は、楽しもっか」

「は、い……♥️」


 太股を擦り合わせて、イチャイチャする夜。そんな日もあっていいはずです。

 ドキドキする心臓を弾ませながら、私はちょっと短いかもな太股と、モデル体型な勇者様の太股をすりすりさせていきました……

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