📞と🌺

同父注意！

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「ん」

「おかえり」

風呂上がりのお嬢様はいつもの仏頂面で僕の横に落ちるように座り込む。

小さな身体に似つかわしくない色気を持つ彼女はネオンの桃色がよく映えている。

「誰と？」

「タクト。週末遊ぼって」

「ふーん」

ホテルに来るからと言ってもイチャイチャしてるわけじゃない。お互いを愛し合ってる訳でもない。

ただの肉欲の発散のためだけに2人で来ている。

だから愛想の無い会話には何も思わない。

「女とラブホ来てるのに本命とデートの約束ねぇ」

「タクトに連絡返さない方が文句言うでしょ」

「どうだか」

軽いリップ音の後、水音がが憎たらしい広さの部屋に響く。

愛を囁くこともない。

甘い言葉を掛け合うこともない。

ましてや特別な感情もない。

ただ目的が合致しただけの体だけの関係。それよりも濃い血の関係なんてのもどうでもよかった。

「…っﾝﾝ、いつも思うけどキス長い」

「強請ってきたのに文句言うなよ」

そんな繋がりは僕らの口を架けた糸の如く簡単に崩れ落ちてしまうものだ。

「ほら、さっさと脱いで」

風呂場の無駄に甘ったるい匂いと共に熱の篭った息遣いが体を誘う。

「ムードもないなあ」

「それって私たちにいる？」

「いや、いらないね」

本日2度目の口付けと共に長い夜は始まった。