とある音声の記録
・・・聞こえてるかー?
聞こえて無くても勝手に言うぞー
まぁ・・・何から話せばいいやら、とりあえず俺が呪術師になった目的からだな。
んー・・・とりあえず大前提として俺は大切な人を殺したある男を殺す為に呪術師になったんだよな。
言ってしまえば復讐って奴だ。
いつだって俺の心の中ではそいつを殺す為の憎悪で満たされていたんだ。
だからまぁ・・・実際俺は夏油の事とやかくいえない奴だったって事だな。
今回の件も今このタイミングで見つかったからよかったんだがそれ以前にあの男を見つけてたら。
俺は呪詛師になっていたさ。
多分これを聞いてる奴はなんでこんな音声を残したのかって思ってるだろうからそろそろ言うぞ。
俺が殺したあの男・・・術者に覚醒したあいつの術式はざっくりいうと虐殺をめちゃくちゃ補助する術式だったんだ。
そんで俺はそいつの散布した毒を吸って今現在進行系で死亡しようとしているんだよな。
だからまぁ・・・これは遺言って奴だ。
・・・伝記桜か盗賊か、どっちか聞いてるか?聞いてる前提で話すぞ。
伝記桜・・・お前にはどこか既視感があったんだ、ようやく気づいたよ。
お前の雰囲気が彼女に似てたからだったんだ。
つまり・・・俺の心の呪いは俺も気づいてないが二つあったんだ。
彼女を殺したアイツへの殺意と彼女にどことなく似てたお前への愛。
・・・自分で言うのもなんだが中々クサイ事言ったな。
だから俺はお前らがくっ付いた時無意識に安心したんだ。
これで俺は正真正銘あいつへの呪いを保つ事ができる。
余計な呪いに身を割かなくてすむ。
お前は俺がいなくてもちゃんと幸せになれるってな。
ただアイツはもう殺したからな・・・折角だし最期には俺が少しでも抱いたもう一つ呪いでお前らを呪っとこうと思った。
俺からの呪いは一つだ。
・・・どうか幸せになってくれ。普段通りの日常を過ごしてくれ。
あー・・・本当に、最期に抱いた呪いがこれで
本当によかったぜ。
※因みに猫天与は自分のサングラスには緊急事態にGPSが作動することをすっかり忘れている