とある百王子のお話
きっと俺は生まれついての悪魔なんだろう。
他の兄弟たちは自分の中に悪魔の自分がいると言っていた。
よく分からなかった。
好きな人を見ると殺したいと思った。
嫌いな人を見ると殺したいと思った。
でも殺したら死んじゃってもう会えなくなるので我慢した。
他者に抱いた感情がどんな感情でも殺意に変換される。
他の兄弟はそんな事はないらしい。
なぜ俺だけこうなのかは分からない。
他の兄弟はパーンダヴァ五王子以外の人をあまり殺したくないらしい。
だから俺もそれに倣ってパーンダヴァ五王子以外の人は殺さないようにした。
……まあパーンダヴァ五王子も結果的には殺せなかったのだが。
生まれ持った他者への殺意は他の人間には内緒にしていた。
家族にも友だちにも妻にも内緒にした。
嫌われたくなかったからだ。
ただ1人、ひと目で気づいたやつがいた。
兄ちゃんが連れてきた友だち。
俺と同じ名前の人間。
カルナは俺の殺意を知っていても友だちになってくれた。
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とあるインドの神「あっ百王子の1人の魂と機構の調整ミスった」
とあるインドの神「まあこれくらいなら良いか誤差誤差」
素百王子カルナ「酷くない?」