とある恋人の初めての夜

とある恋人の初めての夜

ナナシ




「さあ、ワイ君。服を脱ぎ脱ぎしようかー♡」

「ほ、本当にするんですか?」

「もちのろんだよ!」

 

 

ベッドに拘束したワイ君の上着のボタンを外し、シャツを捲ってはだけさせていく。

 

おぉ……これがワイ君のお腹かー。

筋肉ムキムキってわけじゃないけど、決して太ってもいない魅力的なお腹なんよ♡

 

 

「ふふ。ちょっとぷにぷにしたお腹だねー」

「お、お止め下さい、園子様……」

「嫌なんよー。……ふふ、ツーってね」

「ひぐっ!?」

 

 

興味本位でお腹をぷにぷにと押していた指を、そのままお腹をなぞるように動かす。

くすぐったのか、ワイ君がビクッと身体を震わす。

 

ふふふ……可愛い反応なんよー♡

 

 

「ワイ君は可愛いねー」

「きょ、恐縮です……」

「えへへー、すりすりー」

 

 

はだけたワイ君のお腹に顔をすりすりと摩る。

 

意外とすべすべで何だか癖になってしまう感触なんよ。

それにワイ君の匂いがすごいして、なんだか安心しちゃう……♡

 

 

「そ、園子様……」

 

 

目線を上げるとワイ君の顔が真っ赤になっていた。

 

もー、これくらいで照れるなんて、この後のことが思いやられるよー?

 

 

「ワイ君……キス、しよ?」

 

 

上目遣いのまま、ワイ君に優しく呟いてみる。

 

 

「……お、仰せの通りに」

 

 

生唾を飲んだワイ君が真っ赤な顔でゆっくりと頷くのを確認して、私は彼に覆いかぶさるようにして顔を近づける。

 

 

「ワイ君……好き」

 

 

恥ずかしいけど言わないといけないと思って、顔を近づけさせながら彼に愛を囁く。

ワイ君は少し驚いたように目を丸くしたけど、ようやく決心がついたのか、私の目をしっかりと見ながら返事をする。

 

 

「私も、園子様のことが、好きです。愛しています。ずっと、ずっと昔から……」

「……えへへ。ありがとう。私も……あなたを愛してるよ、ワイ君……」

 

 

お互い何も言わないで、しばらく相手の顔を見続ける。

そして——

 

 

「ん♡ ……ちゅ♡ んん♡」

 

 

——口づけを交わし、何の合図もなくお互いに舌を絡め合う。

 

……あぁ♡

ようやくワイ君とディープキスができたんよ♡

 

 

「あっ♡ んじゅ♡ じゅる♡ じゅ♡ ん“んっ♡」

 

 

二人して舌を絡め、吸い合い、唇を舐め、そしてまた舌を絡める。

 

あ、これ、スゴイ……♡

ゆーゆがキスが好きって言ってたのが、よくわかるんよ……♡

 

 

「ぷはぁ♡ えへへ、ようやくエッチなキスができたね♡」

「はい……。まるで、夢のようです……」

「もー、早いよー。……夢のような時間はこれからなんだよ、ワイ君♡」

「……園子様、逃げませんので手の拘束を解いてくれませんか? 私も、覚悟を決めました。手が使えないと抱きしめることもできないので……」

「……うん。いいよ」

 

 

真剣なワイ君の顔を見て、私もすぐに縄を解く。

 

 

「足の拘束まで外してよかったんですか? 私は助かりますけど」

「もちろんだよ。ワイ君が私にウソつくわけないもん」

「……そこまで信じてもらえると、なんだか気恥ずかしいですね」

 

 

顔を赤く染めて目を逸らすワイ君の姿を見てると、癒されるんよ♡

 

 

「ふふ。ワイ君……♡」

「園子様……」

 

 

そして、再びお互いの唇を貪り合う。

さっきよりも長く、何度も……何度も……。

 

抱きしめ合って、お互いの熱を感じて。

舌を絡め合って、二人の味を覚えて。

目線を合わせて……両想いなのを確かめ合って。

 

……そんな、短くも濃厚な時間を堪能した。

 

 

「ぷは……♡ あは♡ 唾液のエッチな橋ができちゃったね♡」

「……あぁ、園子様。いつも以上に今日は……とても可愛らしいです」

 

 

ワイ君に可愛いって褒めてもらえちゃった♡

 

なんてことない褒め言葉一つだけで、私の心はいとも簡単にかき乱される。

分かってはいたけど、私はずいぶんと彼にお熱らしい。

 

 

「えへへ♡ ワイ君もカッコいいよ?♡」

「あ、ありがとうございます」

「それじゃあ、そろそろ……」

 

 

パサリ、と纏っていた服を脱いで、下着だけの姿になる。

今日のために用意したちょっと……ううん、かなりエッチな下着。

たぶん、ワイ君の好みにもあっているはず。

 

 

「……っ」

 

 

ゴクリと生唾を飲む彼を見ている限り、どうやらちゃんと彼のお眼鏡に適ったみたい。

彼はこちらを凝視しながらも、まるで待てをするワンちゃんみたいにじっと待っていた。

でも、彼の一物はもう下着の下からでも分かるくらいにパンパンに膨らんでいた。

 

 

「私の身体……自由にしていいよ、ワイ君……♡」

 

 

——そして、私はゴーサインを出す。

鎖で縛られていた彼の中の、獣の本能を解き放つために。

 

 

「園子様……っ!」

「ひゃん♡ も、もうワイ君、いきなりがっつきすぎだよぉ♡」

 

 

彼の両手が私の胸を下着の上から揉みしだく。

いやらしい動きのはずなのに、不思議と嫌悪感は湧かなかった。

……ううん、正直もっとやってほしいと思ってる♡

 

 

「申し訳ございません。ですが、私ももう我慢できません……!」

 

 

あは♡ ワイ君が獣のような顔してる♡

そんなに私とほにゃほにゃしたかったんだ♡

 

 

「あっ♡ んん♡」

「痛くないですか、園子様?」

「うん♡ 大丈夫♡ もっと強くしてもイイくらいだよ?♡」

「よかったです。……そろそろ、下着を外しますね」

 

 

そう言った彼が、私のブラジャーのホックを外す。

 

 

「あ♡」

 

 

パサ、と簡単にブラはお布団に落ちて、私の乳房が露わになる。

 

 

「……園子様」

「あ、あんまりジロジロ見ないでほしいんよ……♡」

「綺麗です、園子様……。もっと……もっと、私に見せて下さい」

「あ♡ だ、ダメ♡」

 

 

恥ずかしくなって思わず胸を隠してしまった私の手を、彼は優しく……でも男性特有の力強さで掴む。

そして、なすすべなく私の手は脇に退かされ、隠すもののなくなった私の胸が再び彼の前に晒される。

 

なんだか今のワイ君、普段と違ってちょっとワイルドだったんよ……♡

 

普段、私に対して強引になにかを要求することない彼の、新しい一面を発見したような気分になった。

 

 

「……本当に綺麗です、園子様」

「そ、そうかな……♡ なんだかワイ君にそう言ってもらえると……嬉しい……♡」

「……触りますね?」

 

 

そう言う彼の手が私の胸をさっきよりも優しく掴む。

 

 

「んんっ♡」

 

 

な、なんでだろ……?

ただ触られてるだけなのに、なんだか身体がどんどん熱くなっていくんよ……♡

自分で慰めるときも、もっと強く揉んでいたのに、それよりも断然……♡

 

 

「園子様の胸……とても柔らかいです。いつまでも触ってられそうです」

「わ、ワイ君の手も、とても男らしくて……なんだか、とてもドキドキしちゃう……♡」

「恐縮です。少しでも気持ち良くできるように頑張りますね」

 

 

掴まれ、揉まれ、今度は形が変わるくらい強く掴まれる。

触り方一つ変わる度に、私は艶声を抑えることができずに喘いでしまう。

 

 

「あっ♡ やぁっ♡ あ、いいっ♡」

 

 

いつもは不器用な彼の手つきに、今日は私が翻弄されっぱなしだ。

 

 

「わ、ワイ君。な、なんだか上手だね……?♡」

「そ、そうでしょうか……? 自分ではよく分かりませんが……」

「ん♡ でも、とてもいいよ♡ 胸を触ってもらってるだけなのに、なんだか気持ち良い♡」

「でしたら、もっと気持ち良くなってもらえるように頑張りますね」

「あぁ♡ んん♡」

「乳首も……触りますね」

「んっ!?♡ あぁぁっ♡♡」

 

 

やっ♡ な、なにこれぇ……♡

ワイ君が乳首掴んだ瞬間に、目の前に火花が散ったんよぉ……?♡

 

 

「……もしかして、園子様。乳首が弱いんですか?」

「そ、そんなこと……ないんよ?♡」

「そうですか」

「そ、そうなんよ♡」

「……では、重点的に責めますね」

「やっ!?♡ だ、ダメっ♡ んにゃぁぁっ!?♡♡」

 

 

少しニコリと笑うと、彼は私の乳首を摘まんだり、引っぱたりして責め始めた。

優しく指で転がされたり……。

強く摘ままれたり……。

指で押しつぶされたり……。

その度に、恥ずかしい声を抑えることができなった。

 

 

「園子様、失礼しますね」

「はぁ♡ はぁ♡ ……へ?♡」

 

 

そして、急にこれまで以上に力強く両方の乳首を引っぱられた。

 

 

「ひぃ♡ いひぃぃぃぃっ♡♡♡」

 

 

こ、これ……ヤバい……♡

頭の中……真っ白になっちゃう……♡

 

 

「イッちゃいましたね、園子様」

「あ♡ あ♡ あっ♡」

「いきなり強く握ってしまって、申し訳ございません。痛かったですか? ……それとも、気持ち良かったですか?」

「あ、あひ♡ き、気持ち良かった……んよぉ……♡」

「それは良かったです」

 

 

ワイ君……嬉しそうな顔してる……♡

 

彼の笑顔を見るだけで心が熱くなり、目を逸らせなくなる。

ずっと彼に私を見ていてほしい……笑いかけてほしい……。

そのためなら、何でもできると思えるほどに。

 

 

「園子様……そろそろ……」

「う、うん……♡ ちょっと待ってね……♡」

 

 

微笑みの中、彼の目の奥に熱い炎が小さく燃えているのが見える。

それを見て、私の下腹部もきゅんと反応してしまう。

 

……あぁ、ワイ君が私を求めてくれてる……♡

本当に……私のことが欲しいんだね、ワイ君……♡

 

 

「じゃあ、パンツ……脱ぐね♡」

 

 

すでに愛液でぐしょぐしょになってしまった下着を、彼に見せつけるようにゆっくりと脱ぐ。

その最中も彼の熱い視線を感じて、鼓動がドクドクと早く脈打つ。

 

もう少しで……私はワイ君のものになれるんだ♡

 

否応にも高まる期待に、私の身体が燃えるように熱くなり、お股からは愛液が滴り落ちる。

 

 

「どう……?♡ ワイ君……♡」

 

 

下着も全て脱ぎ去り、生まれたままの姿になった私をワイ君が燃えるような視線で見つめる。

 

 

「……自分の語彙の無さが嫌になります。……綺麗です、園子様。もう、私にはそれしか言えません」

「大丈夫だよ。あなたの気持ちはちゃんと届いてるから。……ありがとう、ワイ君♡ ん♡」」

 

 

不器用な彼から発せられた精一杯の褒め言葉に、私の頬は緩んで自然と彼と何度目かの口づけを交わす。

 

 

 

私と彼の熱い……初めての夜はまだまだ続いていく——

Report Page