とある僧の独白

とある僧の独白


齢20そこらの時、とある女の噂を聞いた

「母のように優しく、獅子のように気高く、仙女のように美しい遊女がいる」と

とある女の噂を聞いた

「狐のように狡猾で、犬のように噛みついて、狸のように相手を化かす遊女がいる」と

私は気になり大枚を叩いてその遊女の一日を買った


その笑みは可憐で妖艶で…








齢90になって今も思う

あれで良かったのだろうか

私の心の九割は愚か者だと私を責める

しかし残りの一割が喉が張り裂けんばかりに叫ぶのだ

「あれで良かったのだ」と

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