できない 4

できない 4

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あれからしばらくして、悪夢を見ることはなくなった。

どうも気持ちは落ち着いている。

傷は癒えた。ちゃんと休んだおかげで調子もいい。

もう、あんな真似はしない。あの訴えは、亀裂がはいった心を塞いでくれた。


ルフィ「よし!」


深呼吸から修行を開始する。鍛錬して、飯食って、寝る。今はそのサイクルでいい。

レイリーが戻るまで、出来ることはしておく。

そう意気込んで日が暮れるまで鍛錬に打ち込み、そろそろ切り上げるかと考えた矢先、血相を変えたハンコックの妹ら二人が火急の報せを持ち、訪ねてきた。


ソニア「ルフィ!姉さまが!姉さまが倒れて!」

ルフィ「な!なんだって!」


それを聞き、彼の足は急ぎ女ヶ島へと船を経由して向かう。

彼女の身に、何かあったのだろうか?気が気でいられない。

島に着き、騒がしくなっている住民に関わることなく、九蛇城へ。

部屋の巨大なベッドで眠るハンコックに苦しんでいる様子はなく、静かに寝息を立てていた。


ルフィ「ど、どうしたんだよハンコック?」


ルフィの声が聞こえ、ゆっくりと瞼が開く。


ハンコック「ルフィ.....すまんの。わざわざルスカイナから、足を運ばせて余計な時間を.....妹たちじゃな、知らせに行ったのは」

ルフィ「水臭いこと言うなよ。大事なさそうでよかったけど、何があったんだ?」


同じく、駆けつけたニョン婆が説明しようとしたがハンコックが睨む。

説明は、こちらの口から言いたいそうだ。


ハンコック「わらわにのぉ...子ができたのじゃ....!そなたとの子が」


ルフィがそれを呑みこむのに、時間は必要なかった。

困惑と、罪の意識と、絶望の混じった顔が混じる。

どうしてという疑問はない。身に覚えもあるからだ。


ルフィ(おれに......!子が....!?)

ハンコック「間違いないと医者も....」


言葉を遮るように、慌てた様子で彼女の両肩を掴んだ。


ルフィ「どうして......笑ってくれるんだ!喜んでくれるんだ!?おれが!おれのせいで!あんな形で!望まない......!」

ハンコック「あなたを.....愛しているから......!」


先ほどの返しのように、今度はルフィの言葉を遮るように呟く。


ハンコック「もう、お姉ちゃんでいられない。ずっとそうだった.....ずっと、1人の男として、あなたを愛しているから!」




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