つよくならなきゃ
カエデさんへの想いが爆発した短文です!!!!!!!強くなっても喜ぶの、ネモちゃんだけだろ(正論)
結ばれた青竹色の髪。
白と茶色のコックコート。
「ビビヨンちゃん、た〜んとめしあがれ〜」
手ずから差し出した菓子を食べるビビヨンを前に、花が綻ぶように微笑む彼女。
初めて彼女を見た瞬間、身体に電撃が走った。
「あらあら〜素敵なトレーナーさん〜」
挑戦に来た私に気付いて、その笑みを私にも向けてくれる。その慈愛の笑みに、もう私は夢中になってしまったのだ。
あまりにも強烈な出会いのせいか、その後のジムバトルの記憶はほぼ無い。ただニャローテが相性不利をものともせず、彼女の────カエデさんのポケモンたちを薙ぎ倒してくれたことだけを覚えている。
「わたしのポケモンたち、み〜んなむしの息です〜」
カエデさんにそう告げられてやっと、バトルに勝ったことを自覚する。夢見心地のままカエデさん特製のケーキやわざマシンを貰い、気付いたら受付口前にいた。最後に見た彼女の表情は勝負に負けたのにもかかわらずとても穏やかで。それを思い出すだけで私の胸は激しく高鳴る。
「またお会いしましょう〜」
去り際に手を振られ、更に愛しさが込み上げてくる。また、ということは次もこういった機会があるのだろうか。彼女と会って、戦って、それから……
今日私が「またお会いしましょう」と告げられたのは、私が勝負に勝ったから。……つまりもし私が強くなれば、カエデさんはもっと私を見てくれるはずだ。もっと私に会いたいと思ってくれるはず。
「…………つよく、ならなきゃ」
彼女に釣り合うような、強いトレーナーになる為に。