ちょっと未来の斬凪

剣城斬鉄は決意した。必ず、かの恋人にこれを渡さなければならぬと決意した。斬鉄には駆け引きがわからぬ。斬鉄は一介のプロサッカー選手である。ひたむきに走り続け、道を違えることなくストイックに過ごしてきた。であるから、初体験の恋に対して少しばかり手こずっていた。

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「どうしよう」

『いや…早く言えとしか言えませんよ…』

というか付き合ってるんですよね？と、二子が呆れたように続ける。

　しかもその相手が、恋愛に興味があるようには見えない、基本気怠げな凪誠士郎だというのだから未だに違和感を感じることがある。

　それでも二子が2人の間柄を疑わないのは、たまにこうして斬鉄から相談を受けるようになったのは、他ならぬ二子が彼らの決定的な「場面」を目撃してしまったからだ。

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それはまだブルーロックにいた頃の話。二子は自主練を終えて、