たのしいおとまりかい(前編)

たのしいおとまりかい(前編)


あるしぶとい残暑の残る初秋の日、呪術高専の談話室で4人の若者が雑談していた。

1人は白髪にサングラスを掛けた凄まじく美形の少年。彼の名は五条悟、呪術の歴史の中でも極わずかしか存在しなかった五条家相伝『無下限呪術』と特異体質『六眼』の抱き合わせであり、現代最強の称号をほしいままにする天才児だ。ただし周囲の損壊や一般人への影響をあまり(最近は少しマシになったが)気にしない問題児でもある。

その後ろに立っている茶髪でタバコをくわえた少女は家入硝子。若くして遣い手のほとんど居ない反転術式を、他者へのアウトプットのレベルにまで習得しているこれまた天才児、ただし未成年で堂々と喫煙しているのでこちらも割と問題児である。

そしてその2人のさらに横に腰掛けた整った塩顔と特徴的な前髪の少年は夏油傑。五条悟とコンビで『最強』として名を轟かせる、呪霊操術を持つ少年である。近頃は任務や術式の影響でメンタルを崩しかけていたが、何とか持ち直したようだった。その少年は少し不思議そうに、

「それで、話というのはなんだい?榊原」

と向かい合い座っている少女に問いかけた。榊原と呼ばれた、白のメッシュの入った赤髪をサイドテールにした可愛らしい少女は少し歯切れの悪い調子で、

「じ⋯実はね⋯実家の方から、えっと⋯そう⋯『 たまには実家に戻って顔を見せなさい』って言われたんだけど⋯みんなにも⋯その⋯誘いが来てるの⋯せっかくだから来てくれないかって⋯」

と、用件を言った。すると五条は訝しげな表情で

「俺ら全員にぃ?そんなもん絶対裏があるに決まってんだろ、『六眼』や反転使いとコネが欲しいとか、自分の家の相伝と同じ呪霊操術を使う傑に唾つけときたいとか、しょうもねぇ裏の目的なんざいくらでも考えられるぞ、それ。」

とつらつらと告げた。五条にとって、というか呪術界の大部分にとって榊原家とは、「何やら裏でコソコソ怪しいことをしていそうな胡散臭い名家」という認識であるためそう考えるのも当然と言えるだろう⋯

「そのような言い方は良くないよ、悟。確かにそういった目的で私たちを誘ったというのもあるかもしれないが、ただ榊原が良い学生生活を送れているか、そして学友が信頼に足るのかを確かめたいという親心もあるはずだ。」

ズレたことを言う夏油を除いて。

「⋯傑って榊原に関わることだと割と目が節穴になるよな⋯」

「そこはかとなく癪だけど⋯こればっかりは⋯五条と同意見⋯」

「私もだ⋯お前はクズとかじゃなくて馬鹿だったかもな⋯」

珍しく三者全員の意見が揃う。そして不服に思った夏油が文句を言う⋯よりも早く、成華が口を開いていた。

「私は⋯正直⋯みんなにはうちには来て欲しくない⋯あんなところに⋯みんなを行かせるのはイヤ⋯五条は別、別にどうでもいいし、殺しても死なないゴキブリみたいなものでしょ」

「誰がゴキブリだ!万年二級のおチビちゃんには言われたくねぇよ!」

「ッッッ⋯流石に言っていいことと悪いことがあるよデリカシー皆無男!」

「こっちのセリフだ幼児体型!」

そしていつも通り喧嘩に発展し校舎を破壊しだした2人を後目に、夏油は成華をどこか遠くを見るような、まるで誰かと重ねるような目で見つめていた。その後騒ぎを聞き付けた夜蛾に鉄拳制裁を食らった後、成華は梢子に問いかけた。

「梢子は⋯どうするの⋯?私はやっぱり来て欲しくない⋯みんなにあんな家見せたくは⋯ない⋯」

すると梢子は

「私はパス、普通に忙しいのと、直接殴り合うのは苦手だし。」

それを聞いて殴り合うという部分に違和感を感じつつも、成華はほっとしたように、

「うん⋯それがいい⋯やっぱり家にはひとりで「私は⋯って言ったんだぞ?」⋯え⋯?」

驚いた表情の成華に、後ろから2人の声がかかった。

「めんどくせぇけど⋯怪しい榊原家を調査するいい機会だしな⋯仕方ねぇからついて行ってやるよ。」

「私もあの家に不信感がなかった訳では無いからね⋯それに、君をひとりぼっちで行かせると思ったかい?」

そこには面倒そうな表情の五条と優しげな笑みを浮かべる夏油がいた。

「2人とも⋯ほ⋯本当に⋯いいの?何があるか⋯何されるかも⋯わかんないのに?」

振り返り、2人を見る成華の声は少し震えていた、それを見て夏油ははっきりとした声で、

「心配はいらないよ、成華。知っているだろう?」

今度こそ、取りこぼさないように、

「私たちは『 最強』なんだ。」

力強く、そう言った。





成華:本スレ主人公

根がいい子なのが隠せなくなってきた小動物系女子(五条には懐かない)。見返してみたら五条と喧嘩ップルのような雰囲気になってたけど本人は至って一途に夏油を想っている。ヒロイン力の凄まじい高まりを感じる。


夏油:クソボケ前髪バウムクーヘン

すぐに警戒解いちゃう節穴系塩顔。ちゃんとヒーローとしてキめようと思ったら昔の女(死人)の出来事を引き摺ってるみたいになったけど本人は成華を以下略。そういうとこだぞ前髪(by雪音)。


五条:ツン9割ツンデレ

めちゃくちゃツンデレみたくなっちゃった現代最強。節穴じゃないからちゃんと榊原家の裏を読もうとしてる。君ら意外といい雰囲気じy⋯(記録はここで途切れている⋯)


家入:ss主がもっともエミュに苦労する女

台詞回しとかがなぜだか一番描きにくかったが渋い美味しい役回りだったから許して欲しい。もっと成華と関わり持っても⋯ええんやで?あと公共スペースでタバコはやめよう!




おとまりたのしみだね(((o(*゚▽゚*)o)))!









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