ただの、狂ったような、いつもの変わらぬ日常

ある日のマンションの一室、3人の人妻達は午後のお茶会を開いていた
クリームヒルト「はぁぁぁ、ホント、うちの馬鹿息子が申し訳ないわぁ。貴方のところの娘、また虐めたそうじゃない」
ブリュンヒルデ「いえ、気にしていませんよ。あの子も直ぐにブーディカの子供に助けられて、怪我の一つもないので……それに」
ブーディカ「あの年頃の子供は気になる女の子には意地悪したくなるものだしね」
クリームヒルト「とは言え、あの子ったら素直になれないものかしら。全く、誰に似たんだか」
アルクェイド「それこそ、クリームヒルトに似たんじゃない?素直じゃないところ、そっくりだと思うなー」(クッキーを摘みながら)
ブーディカ「あれ?アルク、いつの間に帰ってきてたの?今日は仕事だって聞いていたんだけど」
アルクェイド「ん、それなんだけど暫くの間、お休み取ることにしたー。妊娠したっぽいし」
ブリュンヒルデ「妊娠したっぽいとは……相変わらず、適当というか何といいますか」
クリームヒルト「こいつに何を言ったって無駄でしょ」
アルクェイド「なにそれひどーい、私だってそこまであーぱーじゃないんだよ?立香とする時はきちんと手加減するし」
ブリュンヒルデ「自分が満足するまで、時間の流れを限りなく遅くした密室にあの人を閉じ込めることを手加減とはいいませんよ」
ブーディカ「まぁ、その程度のことじゃ私達の旦那様はばてたりしないから別にいいんだけどね」
ブリュンヒルデ「寧ろ、真祖であろうと一人で相手出来ないほどに精力的な立香が異常な気もしなくもありませんけど……ふふっ♥」(嬉しそうに大きくなった胎を撫でる)
クリームヒルト「それを言ったら昔からそうでしょぉ?カルデアにいた時から毎日、何人の女を相手していたと思うのよ」
クリームヒルト「……まぁそのお陰で?こうして全員が平等に愛されて、毎年子供に恵まれるのも悪くはないと思うけど……♥」(同様に大きくなった胎を撫でる)
ブーディカ「流石に子供作り過ぎてマンションが手狭になってきた感はあるけどね。キャスター組がマンションを異界化させて住めるスペースを広くしようとか計画してるみたいだし」
アルクェイド「そんなことしなくたって皆で広いところに引っ越せばいいのに。クレオパトラとかパールヴァティーとか、セミラミスがすっごく稼いでるんでしょ?」
ブリュンヒルデ「それはそうなんですけど……やはり子供達のことを考えれば住み慣れた土地を離れたくない気持ちもあります」
ブリュンヒルデ「大きくなって、家を離れた後も、あの子達の父と母達は新しい弟や妹達と同じ場所に住んでいると思っていて欲しいですから」(穏やかに微笑む)
アルクェイド「そういうもんなのかなぁ?……あっ!そういえばさ、昨日のふーやーちゃんの子供達が見に来てたの知ってた?」
クリームヒルト「えぇ、気が付いてたわぁ。全く、あの子達ったら……興味を持つのは良いけれど同じ母親の子供同士でそういう関係にならないといいんだけどね」
ブーディカ「前はそれで大変なことになったからねー、幸い原初のルーンと認識阻害の魔術で何とかなったけど……やっぱり、ね?」
ブリュンヒルデ「個人的には子供の自立心を伸ばす為にも良いとは思うんですけどね、もしもの時は我々でサポートすれば良いだけですし」
クリームヒルト「あんたは甘すぎなのよ」
ブーディカ「そーいうヒルトもこの間、娘連れてきて立香と一緒にしてたでしょ?」
クリームヒルト「あ、あれはそのぉ……あの子がお父さんとそういう関係になりたいって自分から言い出したからだしぃ……♥」
アルクェイド「いいなー、私も娘と一緒に立香としたいなー」
クリームヒルト「う、五月蠅いわねぇ!?兎に角、私はね――」
こうして世間的に見れば狂った、だが彼女達にとってはいつもと変わらないお茶会は続いていく