その時は隣で

その時は隣で




「なァ、明日、いっしょにドレス見に行ってくれへん?」

「ドレス?」

「うん。ルキアちゃんと阿散井くんの結婚式、参列するのにちょうどええ服持っとらんから、この機会にパーティドレス? ワンピース? 買っとこ思て」

 クロサキ医院にて朽木ルキアと阿散井恋次への結婚祝いのウェディングベールに刺繍を入れたその日の夜。雨竜と同じベッドに入った撫子が、眠たそうにしながら切り出した。

「買っとけばきっと織姫ちゃんと一護の結婚式でも着れると思うねん」

「黒崎と井上さんについては気が早すぎやしないか?」

「はよ織姫ちゃんに言えばええのにね。……着物も考えたんやけど、きっと織姫ちゃんは洋装やし、雨竜も一護もチャドくんも男はみーんなスーツやろ? そん中に一人だけ着物居ったら浮いてまうし」

 そもそも和装が殆どの尸魂界で洋装は自分達だけだろうし逆に浮かないんじゃないか、という考えを雨竜はしまっておくことにした。普段動きやすい服装をすることが多い撫子が、淑やかなパーティドレスを身に纏う姿を見てみたいと思ったからだ。

「いつもなら白い色選ぶんやけど、白は花嫁さんの色やから。白以外だと、何色がええんやろ……」

 いつも白選んでまうから、ようわからんなあ。そう言ってむにゃむにゃしている撫子の私服は、白が多い。雨竜と出会った頃はそうでもなかったはずだが、今では殆どが白い色をしている。


 眠気でとろんとした目で、撫子がふわふわ笑う。

「花嫁さんかあ……エエねぇ。きっとルキアちゃん、きれいやろうなぁ……」

 友人の晴れ姿を想像して相好を崩す恋人に、雨竜はふと質問を投げかける。

「やっぱり撫子さんも白無垢とかウェディングドレスとか、着たいと思う?」

「んー? せやなあ。着物でもドレスでも、いつか着れたらええなぁ、花嫁衣装……」

「……そうだね。その時は僕の隣で着てくれるかい?」

「となり……」

 ややあって意味を理解したのかじわじわと頬を赤く染めた撫子は、布団の中に引っ込んで雨竜の胸板に頭をぐりぐりと押しつけた。



距離感が他より近いので石田の口調が若干砕けてる想定。


選ばれたのはインディゴカラーのパーティドレスでした。

たぶんAライン。くわしくないのでわからん。

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