その傷の意味

その傷の意味


・SBSガン無視の擬人化

・エロネタあり

・捏造だらけ

それでも良い方はこのままどうぞ











「なァ、ゾロって童貞なの?」


深夜のゴーイング・メリー号にて、三代鬼徹がこう尋ねてきた

「き、鬼徹!貴様いったい何を言い出すのだ!?」

「なんでそんな事訊くの?」

突然の事に雪走は目を見開いて叫び、和道一文字はムスッとした顔で鬼徹を睨みながら返す

しかし鬼徹は構わず続ける

「いやー、なんか急に気になってな。この船の奴ら全員二十歳未満だけど、そこら辺どうなんだろうって。それにお前、おれらの中では一番ゾロと付き合い長いだろ?だから知ってると思ってさ!」

なァなァ、と和道の肩を組む鬼徹と「和道殿が困っているではないか!」と叫ぶ雪走

対する和道はムスッとしたままであったが、やがてため息と共にその口を開いた


「ゾロは童貞…じゃ、ないよ」


「童貞じゃない」

和道から発せられたその言葉に鬼徹は目を輝かせ、雪走は再び目を見開いた

「なァなァ、それっていつだよ!相手は誰なんだよ!」

「あ…は…わ…」

ノリノリで質問する鬼徹と、声にならない声がこぼれる雪走

一方の和道は未だムスッとした顔で「十六の時」と答える

「相手は?」

「近所に住んでた女の人。多分後家さん」

「あー、だったら普通に筆下ろしってかんじか」

和道の答えに鬼徹は少し残念そうな顔をした

「恋人とかだと思ったの?」

「いや。でもアイツモテそうだし、今はなくてもそういう話はいつかありそうじゃん?」

「まァ、たしかに海賊狩りしてた頃は成り行きで一晩相手をした人はいるし、いつかはゾロにもそういう大切な人ができたらいいなー、とは思ってるよ。っていうか、なんでいきなりそんな事聴いてくるの?アンタ、人の恋愛遍歴とか気になるタイプだっけ?」

今度は和道が鬼徹に質問する

その表情は先程と比べて少し軟化している

「全然。ゾロだから気になるってかんじ。だってさ、おれらとアイツで“鷹の目”って奴をぶった斬って天下取るわけだろ?「主」のことはいろいろ知りたいなーって思うじゃん?」

そう言ってこちらにニッと笑うと、和道は「ほどほどにね」と返しながら呆れるように小さく笑った


「にしてもアイツ、夜はけっこうガッツリいくタイプなの?」

鬼徹はさらに質問を続ける

「そこは、流石にわかんないよ。でもまァ、相手のペースはちゃんと見るんじゃないかな」

「へェ、意外」

「ゾロはああ見えて優しいからね。相手のこともしっかり気持ちよくさせてあげられると思うよ」

「朝起きたら、爪痕バッキバキだろうなァ」

そう言ってクツクツと笑う鬼徹に「爪痕?」と雪走が尋ねる

「ああ、交わいの時に相手から付けられる爪痕だ。だいたい、背中につくんだよ。爪の食い込み痕とか、引っ掻き傷とか」

「それは、大丈夫なのか?」

「傷っつっても引っ掻き傷だからそんなしんp「そういう事ではない」ん?」

「その…いいのか?剣士の背中に、傷がついてしまって…」

やや真剣な表情でこちらを向く雪走に、鬼徹と和道は一瞬キョトンとした後同時に笑った


「あはは、なァんだ!」

「そんな事かよ」

笑う二人に「そんな事とはなんだ!」と雪走は怒る

「雪走、心配しないで。これは大丈夫な傷なの」

和道はそう言って笑うが、雪走は未だ困惑している

「背中に傷がつく事が、恥ではないのか?」

「おう。そもそもアイツが言ってるのは、敵に背を向けた時にできる逃げ傷のことだ。セックスの時にできる爪痕とはわけが違う。いいか?惚れた女からつけられる傷ってのは、恥じゃなくて誉なんだよ」

「そ、そうなのか?」

「うん、そうだよ」

和道は頷きながら雪走に微笑む

「まっ、箱入り息子のお前もいつかわかるさ」

鬼徹がそう言ってニヤリと笑うと、雪走は色白の顔を真っ赤にしながら「誰が箱入り息子だ!」と怒った

そんな二人の様子を眺めながら、和道は楽しそうに笑みを浮かべた









「どうした?」

「少し、懐かしい事を思い出しましたので」

縁側に腰掛け、空を見上げながら雪走は微笑む

隣には青みがかった黒髪の若い男か座り、共に寝待月を眺めている

「なんか面白い事か?」

「鬼徹が唐突に主様は童貞か否かと和道に尋ねてきたという、しょうもない事です」

雪走の言葉に男は「そりゃ確かにしょうもねェな!」と大笑いした

「それでちょうどその時、二人にある事を言われたのです」

「ある事?」

「惚れた女からつけられた傷は、恥ではないのだと。言われた当時は困惑するばかりでしたが、いまならわかるのです」

そう言って微笑む雪走に、男は「そうか」と言って笑った


それから少しして男が立ち上がる

「それじゃ、そろそろ寝るか。あんま外で夜更かしすると、テラが寂しがるからな」

「寂しすぎて“おねだり”されてしまうかも」

雪走がニヤリと笑って男を見る

「それはそれで嬉しいが、無理はさせねェよ」

男の言葉に雪走は「そうですね」と頷いた

「お前もほどほどに寝ろよ」 

そう言って廊下を歩く男に、雪走は「おやすみなさいませ」と声をかける

片肌脱ぎの襦袢から見える男の背中には、真新しい赤い爪痕がいくつも咲いていた

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