そして予想どうりの大きなカミナリが落ちた

そして予想どうりの大きなカミナリが落ちた



『何の価値もない男なんだ』




――――――


彼は父に連れられワノ国に来た

なんでもマリンフォードに向かっている途中で、赤髪とばったり会ってしまい。

『どうしたものか…』と悩んでいた所に父が現れ横暴な父と赤髪の間に生まれた不穏な空気を察して、赤髪に本来行く予定だったマリンフォードを託すのを条件として父の足止めを買って出たらしい。


「赤髪と仲が良かったのかい?」

「いや、全く…それどころかろくに話した事も無い」

「えっ、だって君は赤髪に託したって」

「言い訳が欲しかった……本当は怖くて逃げたんだよ…」


逃げた?逃げただって?!

君が!?

あの父に大きな傷を付けた君がかい?!


唖然とする僕に対して「おれ弱虫だから……」そう言って笑ったけど、最後の言葉は上手く聞き取れなかった。


「お前は、おれが何か特別な人間のように見えているようだけど生憎そんなことねェ。

おれは大切なものを何ひとつ守る事も出来ないし人生において為すべきことを為せなかった」


「何の価値もない男なんだ」


ああ、なんで なんで

そんなふうに そんなふうに悲しい事を言うんだ…

誰かがそんな酷い事を言ったのかい?

どうか頼むから自分のことをそんなふうに

自分を責めないでくれ


 悲しい 悲しい―――


僕と同じように手錠を付けられ此処から出ることは叶わない。

どうしたらいいのだろう、おでんだったらどうする?

僕はおでんだ。

彼を励ましたい『価値の無い人なんかじゃない』と伝えたい。

でも、多分その言葉は僕では駄目だ…

例えそう伝えてもきっと彼は救われない。

僕では無い“誰か”が、言わないと《意味が無い 》んだ。

そうじゃないと、彼はずっと自分自身を責め続ける、本当の意味で救われない。


おでんならきっと探し出して連れて来るだろう、おでんの筈である僕が出来ないのはとても悔しい。

でも、僕はおでんだ…月光おでんなんだ。

僕はその“誰か”を見つけ出して

さっき言った言葉を1字1句間違えずにその“誰か”に伝えよう

その者は憤怒の如く怒るだろう…そして泣くだろう。

人の涙目を良しとしない彼はアタフタとするだろし僕に助けを求めるだろうけど。

生憎だけど、僕は助けはしない おでんだってそうする。

僕だってさっきの言葉がとても悲しかったのだから――

思いっきり叱られて、自分は価値の無い人間では無いって事を身に染みて知ればいい


だから待ってて

きっと、いや絶対にロシナンテ!

僕は君を救って見せるよ!






だから覚悟して置いてくれ


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