そうして彼は笑って折れた 改稿版
今日はいい天気だなー
こういうのを秋晴れっていうんだろうな
やっぱり、サヨナラするのはこういう天気でなくっちゃな
湿っぽい空なんて似合わねェよ
なァ和道、そんな顔すんなよ
お前は世界一の大剣豪の刀なんだぜ?
まっ、それは俺もだけど!
なァ閻魔、そんな顔すんなよ
地獄の王の名が泣くぜ?
わかってるだろうけど、俺はお前らといるのが嫌になったわけじゃねェ
あの船の連中のことが嫌いになったわけでもねェ
この世界のことが嫌いになったわけじゃねェ
それでも、やっぱり俺はアイツの刀なんだよ
アイツが唯一の主なんだよ
だから、俺はアイツのところに行くんだよ
天国だろうと地獄だろうと、アイツの隣が俺の特等席なんだよ
心配すんなって
盆にはちゃんとアイツやみんな連れて帰るからさ
道案内は任せたぜ
よし、ぼちぼち行こうかね
え、墓だけに?やかましいわ!
まっ、みんなのことよろしくな
和道はメガネのオッサンに孝行してやれよ
閻魔も、離れてた分しっかり相棒の話聞いてやれよ
和道、閻魔
いままでありがとう
そんじゃ、またな!