すべての雌に巡り来る祝福を(2/2)

すべての雌に巡り来る祝福を(2/2)



「お゛ほっ♥イグっ♥イグイグっ♥ほぉぉおおおおおおおおおお♥♥♥」


獣、いいやケダモノそのものの嬌声が響き渡る。

喉の奥から絞り出されるのは尽きる事の無い歓喜の声だ。雌が雄に征服される事を喜ぶ声だ。

四つん這いになったマリィは後ろから犬の様に犯され、一突き毎にその大きな胸を揺らし美しい金の髪を振り乱しながら快楽の海に身体の芯まで溺れていた。


「随分気持ち良さそうだね……っ、俺は、満足させられてるかなっ」

「しゅご、凄いのっ♥こんな、知らないっ♥レンなんかと全然違うっっ♥♥」


その巨大な逸物を突き込まれるだけで絶頂した。子宮を突かれるだけで今までの行為がおままごとだったのだと思い知った。彼の律動を感じる度に真実の愛が何なのか、分かってきた。


「マリィの弱い所は——ここかなっ」

「くひぃぃぃぃぃっ♥」


自分の身体をまるで最初から知っていたかのように弄ばれることが嬉しい。彼の手で自分も知らなかった身体の感覚が開いていくことが気持ちいい。それを楽しんでくれることが幸せでたまらない。

彼との——蓮との交情では決して得られる事の無かった充足感。

雌とは、雄に使われるためにある。支配されることが喜びである。それが出来る相手こそを真に愛するように出来ていると今、実感している。


「ああっ♥好き♥リツカ好きっ♥愛してるのおっ!♥♥」

「嬉しいよマリィ……!俺も精一杯、マリィを愛するよっ!」

「お゛っ、ほおぉおっ!!♥♥♥」


ずん、と一際強く突き込まれる。

腹の奥から脳天までを串刺しにされるような衝撃にマリィの身体が跳ねる。次いで襲って来た津波のような極上の快楽が彼女の魂を容易く焼き切った。


「いぃ゛グぅ゛ぅ゛ううううッッ♥♥♥」


だらしなく舌を伸ばし涎を溢れさせて、女神は雄に与えらえる快楽を感謝しながら絶頂した。

彼女を知る者が今の彼女を見てマリィだと思う者は居ないだろう。

それ程までに今の彼女は浅ましく、淫らに、雄に使われることを心から喜ぶ雌だった。


「は、ひゅ——♥こんな、の……レンなんかじゃ、絶対……出来ないぃ……♥」


何度も何度も、絶頂を極めた彼女は心から理解する。理屈ではなく本能で。

藤丸立香という雄は特別なのだと。他の雄——例えば藤井蓮のような神の座に就く資格のある男だろうと彼には及ばない。彼という雄は全ての雌を支配する資格のある唯一の存在なのだと。

全ての雌は彼のために存在し、自分もまた例外では無いのだと。


(あぁ——♥私、リツカの女になるために……召喚されたんだ……♥

そのために生きて、そのために死んで、やっと——雌に生まれた意味を果たすことが出来ているんだ♥)


偶然だとか、何かの因果が作用したとか、そんな話では無かったのだ。

自分がここに喚ばれた理由はただ一つ——藤丸立香という唯一の雄に自らを捧げるためだ。雌としての務めを果たすためだ。

彼を愛したい、彼に愛されたい。その為なら他の男なんてどうでもいい……それが正しい雌の在り方なのだと。かつて知らなかった愛を今こそ彼女は理解した。


(みんな、当たり前のことをしていただけなんだ)


不貞、不倫……当然のことだ。

だってもっと素敵な相手を、優れた雄を知ったのだから。雌が雄に服従する生き物である以上それは当たり前の事。

最も優れた雄に平伏し全てを捧げるためならその程度の事、やって当然だった。


「くっ、マリィの膣内、気持ちいいっ……!」

「ああんッ♥凄い♥逞しいッ♥こんなの、レン如きじゃ勝てっこないよおッ♥♥」


愛している——否、愛していた相手を貶す言葉すら自然と口を突いて出てくる。

彼に喜んで貰うために、少しでも優越感を感じて貰えるように。

純粋な愛によるただ一人への奉仕はあまりにも残酷に似ていた。


「大きさもッ♥長さもッ♥硬さもッ♥熱さもッ♥何もかも格が違うのッ♥♥」


多くの女を虜にし雌に変えたそれはまさしく女殺しの逸物だ。

女神すら喰らいに喰らった女殺しは女神すらも犯し殺す事が出来る、もはや女という分類であれば必ず屈服させる因果を備えている。

そんな物に犯された身体がどうなるかなど考えるまでもない——藤丸立香のためだけの身体へと変わるのだ。

そして、身体と共に心すらも。


「射精してッ♥欲しいの♥リツカの精液♥ザーメン♥あああッ♥逞しい極太チンポから私の子宮に入りきらないくらい♥たっっくさん射精してぇッ♥♥」

「そんなおねだりされたら応えないわけにはいかないなっ……!」


立香がマリィを圧し潰すように体重を乗せ、スパートをかける。

激しく突き入れられる逸物にマリィは全身を震わせながら快楽を叫んだ。


「んひぃぃいいいいいぃいいいいい!!!♥♥♥♥キて♥キてぇ!♥私の子宮、にぃッ♥♥」

「イクよ、マリィっ!!」


名前を呼ばれる、ただそれだけの事で頭の中で真っ白い光が弾け飛んだ。

子宮が喜びに震えた時、その刺激に我慢の限界だった立香も一気にザーメンを彼女の子宮に注ぎ込む。


「あ——イク、イク、イクイクイクイグイグぅぅぅうううううううううううう!!!♥♥♥♥♥」


ドロドロに煮え滾った白濁の欲望が女神の子宮に溢れんばかりに注ぎ込まれる。

一瞬で子宮を満たしたそれは一気に逆流し結合部からドロドロと溢れ出した。そしてそんな事も気にならないほど——マリィの魂は幸福の絶頂を味わっていた。


(イク♥注がれてイク♥波打ってイク♥脈動してイク♥熱されてイク♥彼の愛で——イキ続けちゃう♥♥)


たった一度の射精で愛しい人との交わりの全てを忘れてしまった。あれをセックスと感じていた事が信じられない程に女の、雌の快楽と幸福を極めた絶頂。

体中を満たしていた快楽と愛が全て頭の中に集まって弾け飛んだかのような圧倒的悦楽。まるで頭の中から立香以外の些事が全て消えたかの様に清々しく、そしてどこまでも女の幸福に満ちた世界を味わう。

もうこれで消えてしまっても良い——そう思ってすらいるのにまだ先がある事が信じられない。


「はぁ——♥あ、あぁ……♥こんなの、反則だよお♥こんな事されたら誰だって……リツカの事、好きになっちゃう♥」

「ホント?」

「うん♥だって私もうリツカに夢中になっちゃってるもん……♥」


横に振り向けばすぐそこにある立香の顔を見つめるだけで胸が満たされる。

上から覆いかぶさり自分の身体を圧し潰している彼の重みすらも愛おしい。彼に少しでも楽しんで貰おうと身体は無意識の内に媚び、大きな尻肉を彼の射精をいたわる様にゆっくりと優しく動かしていた。


「じゃあもっと頑張らないとね。一度の交わりなんて錯覚みたいなものだし……マリィを失望させないように頑張るよ」

「失望なんて——私、もうあの人より……」


貴方に夢中。

そう言おうとしたマリィの口は立香が首を横に振る事で遮られた。


「取り繕わなくても良いよ。どうしたってそのレンって人に俺は劣っていると思う」


彼女の出自を思えば自然な事だ。

多くの神話、英雄譚がそうであるように女神である彼女にはそれ相応に相応しい格を持った相手が居たはずである。


「これは謙遜でもなくて単なる事実だ。マリィ程の女性が惚れ込むなんて、それこそ神様みたいに凄くてカッコいい人なんだと思う。俺じゃ逆立ちしたって勝てっこない」


そしてそれは事実だ。

永遠の刹那と呼ばれたマリィの恋人。同じ様に観測し得る全並行世界を自身の法則で塗り替える資格を持つ神の一柱。例えどれほどの汚濁に塗れようと彼女への愛を貫く彼女の最愛。

まさに女神である彼女に相応しい男だ。彼の実力からすれば立香など吹けば飛ぶような存在であり一人の力ではどう足掻こうと未来永劫勝利は出来ない。

だが——


「けど、マリィを愛する事だけは絶対に負けない。俺は彼に愛されたマリィよりもここに居る君を必ず幸せにしてみせる」


彼女の眼を真っすぐに見つめたその言葉が、決定的だった。


「あぁ——♥」


確かに力も容姿も彼に劣るだろう。けれど、多くの女を侍らせながらも尚驕ることなく誰かを愛する事のどれだけ難しいことか。これ程に女を魅了して止まない男にどこまでも真摯に求められる事のなんと幸福な事か。

この想いにこそ応えたいと強く思った。

それは彼にここまで想われておきながら応えないなど女としてあり得ないにも程がある、自分の全てで応えなければならないという使命感にも似た決意。


「……リツカがそんなに私を求めてくれているなら私も、覚悟を決めたよ」


彼以外の男を愛するなどあってはならないと。

マリィの心はもはや二度とは元に戻らない程にその愛の対象を変えた。


「私も……♥私も、貴方を愛します♥

 例えもう一度彼と巡り会っても、そこに貴方が居なくても、変わる事無く。

 未来永劫、輪廻転生の果てまで貴方を——藤丸立香だけを愛し続ける事を誓います♥」


その幸福に身体が震え、感激のあまりに涙を頰を伝った。

この先いつまでも彼を愛せる事、想い続けられる事……その女として最上の未来が約束されたのだ。

自分のこれまでの全てが報われたとすら思えるこの幸せを感じれば涙するのも無理はないだろう。


「ありがとう、本当に嬉しい。

 けど……もしその時に俺が居なかったらマリィの幸せを優先して良いんだよ」

「くすっ、大丈夫♥元はといえば寝取られ好きの変態が私の為に用意した首飾りだもん……きっと喜んでくれるわ」


優しさに胸を打たれるがもうそんな事は無いと彼女は断言出来る。藤丸立香以外を愛する未来などもう訪れる事は無いのだと。

そもそも彼は彼女に惚れた一人の男が首飾りと言って用意した存在——いわば装飾品だ。

なら、外してしまうのも自由のはずである。


「それに……親子ならもしかすると同じ様に実は寝取られ好きの変態かもしれないし♥ううん、絶対そうだよ♥だから私はリツカを愛し続けるよ♥そっちの方がレンもきっと喜ぶもん♥

 私達のラブラブセックス♥レンがリツカとの格の違いを理解するまで♥寝取られ好きの変態に変わるまで♥嫌って言ってもずうーっと聞かせてやるんだから♥♥」


かつて愛した、今はもう愛していない男を貶すだけで立香の肉棒は増々硬く熱くなっていく。

自分を内側から犯す存在がより雄々しくなっていく事に喜ぶマリィは嬉々としてそれを続けた。


「だから、今からレンに聞かせるための話をたくさん作ろ♥リツカがカッコ良く私を犯して屈服させるセックス♥レンへの愛を簡単に忘れさせたセックス♥どんな女でもモノにしちゃう最高の雄のセックス♥

 私にたーっぷり覚えこませて♥♥」

「っ、マリィ!!」

「きゃあっ♥あんっ♥あひッ♥アッ♥凄ッ♥ほぉぉおおッ♥♥」


獣欲が膨れ上がった立香が再びマリィを犯し始める。

その大きな胸を形が変わる程に強く握り、尻の肉が波打つ程に強く腰を叩きつけながら。

もはや蹂躙と言って差し支えないそれをマリィは受け入れ、与えらえる快楽、雄に貪り喰われる雌の幸福を存分に堪能していた。


「俺、マリィの愛する人に負けないからっ!絶対に負けないからっ!」

「ふああッ♥勝負なんてするまでもないッ♥レン如きがリツカと勝負なんてッ♥ああッ♥烏滸がましいにも程があるのおッ♥」


もはや勝負以前の問題だった。

マリィの中で二人の優劣は完全についており、それはこの先何があろうと覆る事は無い。

それは雌を支配する雄としてどちらがより優れているか。


「リツカの方が♥雄として強いし♥ふああああッ♥カッコいいし♥優しいしっ♥懐も広いし♥

 もうあの程度の雄じゃ満足なんて出来っこないッ♥あんな偽雄よりリツカの方がイイの♥」


突き込まれる度に自分の身体が、魂が雄に支配されていくのを実感する。

逆らえない、逆らいたくない——自分の全てを彼のものにして欲しい。

マリィにとっての立香の存在がもはや他と比べようもない程に大きくなる。


「リツカを愛するなんて当たり前♥そもそもっ♥レンをリツカと比べるなんてっ♥そんなのリツカに失礼過ぎるもん♥

 女は♥雌は♥リツカに愛される為に存在しているんだからあッ♥♥」


変わる、変わっていく。決定的に何かが変わろうとしている。

自分の中の価値観、願い、常識、在り方——そういった自分を自分にする全てが変わろうとしているのを感じる。

取り返しのつかない変化だ。もう二度と過去の自分には戻れなくなる。

そう思った刹那——彼女の脳裏にかつて愛した男の姿が浮かんでいた。


(あ——)


まだ間に合う、そっちに行ったら駄目だ。

君はそんな人じゃない、みんなを抱きしめたいという君の願いは尊く素晴らしいものだから。

そんな愛欲に負けないでくれ。


(——レン)


脳裏を過る過去の情景。

今の自分を形作った一月にも満たない記憶。愛した男と掛け替えの無い仲間、いくつもの想いと願い、戦い、悲しみと別れ、だからこそと願った愛。

それら全てが一瞬のうちにゆっくりと思い返される。

その尊い記憶を振り返り、その輝かしさを改めて嚙み締めて——


(もうっ、折角リツカが私を自分の雌に変えてくれてるのに——レンなんかが邪魔しないで!)


脳裏に浮かんだかつて愛した男を邪魔だと振り払った。

そして愛する男に懇願する。


「お願いリツカ♥止めを刺してッ♥リツカの極太チンポで♥偽雄程度じゃ比較にもならない最っ高のチンポで♥♥私の中のレンに止めを刺してッッ♥♥思い知らせて、奪い取ってぇッ♥♥」


脳裏の彼を消してしまえば自分は完全に立香のものになれる。

そう確信した彼女は一層強く立香を求めて乱れ、彼の雄を思いつく限りの言葉で煽る。


「ああッ♥勘違い、してただけっ♥本当の愛を知らなかったから♥リツカを知らなかったから♥おままごとを愛だって勘違いしてたのッ♥んひいっ♥♥

 これが本当の愛ッ♥本物の雄に抱かれて♥愛されて♥屈伏して♥ああああッ♥服従する♥本当の雌の幸福ッッ♥♥

 雌を不幸にしかできない粗チンなんかじゃ♥絶対教えられない幸せッッ♥♥」


今こそ彼女は確信する。

本当の愛とは、雌にとっての幸福とは雄に支配されその全てを捧げる事だと。

それが許される唯一の雄こそ人類最後のマスター藤丸立香であり、全ての雌は彼にその愛の全てを捧げるべきなのだと。


「イクよマリィっ……俺の全て、受け止めてくれッ!!」

「うんッ♥貴方の雌に♥雌女神にッ♥支配者の証を刻み付けてえぇぇぇえええッッ♥♥♥」


そして——彼女の全てを塗り潰す射精が容赦無く始まった。


「ア゛、イ、ギュゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウウウッッッッ!!!!♥♥♥♥♥♥♥」


最後に何かを叫んだような頭の中の誰かは一瞬で白濁に飲まれて消え、魂の全てを絞り出すような歓喜の絶叫が響き渡る。

断末魔のようなそれは真実、過去の彼女が消え去る事への喜びの声。

そして新しい彼女が始まる事への悦楽の声だ。


「好きッ♥大好きッ♥愛してるッッ♥♥リツカッ♥リツカだけッ♥リツカ以外の偽雄なんて愛さないッ♥リツカだけ、ずっとずっと愛してるのおおおおおおおッッ!!♥♥♥」


愛する雄の欲望を受け止める歓喜に満たされマリィは絶頂を繰り返す。

自分だけが気持ちよくなるのではなく、立香が最高の射精が出来るように膣に力を入れ逞しい逸物を締め付ける。

彼の女として、雌として当然の役割を果たさなければならない。


「あ——————————ぁ、ぁ♥」


そして、長い長い射精が終わり彼女は力尽きたかのようにベッドへと倒れ込む。

涙と涎でぐしゃぐしゃになった顔はとても慈愛に満ちた女神には見えない——だが、雌としてこれ以上無い私服を感じているとその表情が物語っていた。


「気持ちよかったよ、マリィ」

「あ、は……私、も……気持ち、良かった♥」


もう、脳裏にかつて愛した彼の姿は無い。

本当に愛する存在を見つけた彼女はもう永遠の刹那に留まる事は無い。

例え消え去るとしても未来に向かって歩みを進めるのだ——自らが思い描き願う幸福を実現するために。


「リツカ……」

「何?」

「レン……ううん、あんな偽雄なんかに教えられてしまったおままごとを偽物だって教えてくれてありがとう♥価値の無い劣等に時間を無駄遣いしてた事をこんなに丁寧に教えてくれた貴方の優しさに応えるために……私、ゴミはちゃんと捨てて頑張るからね♥」


迷いは無い。自分にこれは必要無いのだと愛すべき絶対の雄が教えてくれたから心の中のゴミを捨て去ることに躊躇いは無かった。だから彼女はもはや一瞥する事も無くかつて抱いていた筈のゴミをどうでもいいモノの様にゴミ箱へ投げ捨てる。

出来ればもう思い出さないようにと願い、愛すべき相手に使うための時間を僅かでも無駄遣いさせた事に怒りすら覚えながら。


(だから……バイバイ、レン)


別れはもう悲しくは無い。かつての非業の別れすら今の彼女には歓喜と祝福だ。

この幸福のために必要な別れならば今の彼女は喜んで別れを迎えられるだろう。いや、是が非でも一刻も早く別れようとするだろう。

何故ならば、もはやかつての相手との時間など彼女にとって苦痛でしかなく……今、彼女は今まで過ごした時間の中で最も幸福なのだから。


(私はもう貴方なんて二度と愛さないし、愛したくも無いから……貴方はリツカを知らない誰かと幸せになってね♥)


黄昏の輪廻転生は変貌した。

愛したは宝石は色と欲、雄と雌を知り——唯一の雄を輝かせるための宝石となった。

彼女は全てを抱きしめるだろう、立香のために、雌のために。

全ての雌が立香という雄のモノになる幸せを知れるように色欲の輪廻転生は巡る。

それが例えかつて愛した男もどきの幸福を奪う事でも……彼女は喜んで理を廻すだろう。

それが、かつて彼も願った彼女の幸せなのだから。






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~宝具変化~


すべての想いに巡り来る祝福を

アマンテース・アーメンテース・オムニア・ウェンキト・アモール

彼女の世界において覇道流出、或いは太極と呼ばれる世界法則の塗替え。こちらで言うならばテクスチャの刷新。

神座と呼ばれる特異点から観測し得る全並行世界の法則を自身の渇望によって塗り潰す正しく神の如き所業。

果ての無い輪廻転生により前世の記憶はなくとも魂の経験を導としてその魂の目指す場所へ必ず辿り着けるよう、誰もがいつかは幸せを掴めるようにという願い。誰も彼もが愛しい、みんなを抱きしめたい、幸せになって欲しい。

彼女の願いがそのまま形になった人の可能性と未来を重んじる世界の創造。

繰り返される輪廻による霊的融和は他者への思いやりを強め、誰もが手を取り合い未来へ進むため文明発達の速度も早い。

だが誰もを愛するがゆえどうしようもない下衆であろうと彼女は許容してしまう。

その業が、やがて彼女を非業の死へと追いやった。

サーヴァントとしては味方への有利なフィールドを形成する。

回復、状態異常強化解除及び即死耐性のアップ、ガッツの付与。また効果中は常にマイティチェインのボーナスを得る。



すべての雌に巡り来る祝福を

アマンテース・アーメンテース・オムニア・フェミニス・ゲヌ・ウヌム・マスクルム

藤丸立香への愛を獲得したマリィの宝具。

愛は正気にて成らず、愛は全てに打ち克つ——全ての愛を肯定した彼女の世界は藤丸立香という雄を知って一変した。

愛は正気にて成らず、全ての雌は唯一の雄に跪く——全ての雌の愛は藤丸立香ただ一人へと捧げれるものという世界へ。

繰り返される輪廻により全ての女性は藤丸立香に巡り会い彼への愛を獲得する。自分が感じた幸福を全ての女性に知って欲しい、みんなで幸福になりたい。

彼女の願いがそのまま形になった藤丸立香に奉仕し従属する世界の創造。

輪廻転生を繰り返し霊的融和が進む度、女性の魂には藤丸立香の存在が根差していく。例え記憶が無くとも全ての雌が当たり前の様に彼に恋をして跪けるように。輪廻の果て、全ての雌は藤丸立香の魂を持つ者の所有物だと確かな自覚と愛を抱きながら生きることになるだろう。

彼のみを唯一の雄と崇めそれ以外の男は雄もどき、彼と出会うまで自分を磨くためのつなぎとする世界は以前は無かった防御性が存在する。

彼を害しようとする雄もどきを彼女は認めない。世界から排斥され真の雄がどういうものか理解するまで見せつけられることになる。

サーヴァントである彼女の渇望が世界に流出することはない。だが、もしなにかの間違いで生前のような力が戻ったのなら——

彼女は躊躇うことなく世界のすべてを塗り替えるだろう、全ての雌にいつかこの幸福を知ってもらうために。

以前の強化内容に加え、敵への弱体効果も獲得した。

状態異常と即死耐性のダウンに加え女性には魅了、男性にはスタンが与えられる。


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