さあやのお留守番

さあやのお留守番

曇り

急遽部活の助っ人を頼まれてしまった。といっても料理研究部だけどな。

…そこでエルちゃんのお世話を頼める人に声をかけて回った。多くの人が都合がつかない中、薬師寺が快諾してくれた。

本当は俺が薬師寺の家までエルちゃんを預けに行くのが筋ってやつなのだが、彼女は"エルちゃんのため"と言ってわざわざはるばる俺の家まで来てくれることになった。本当に申し訳ない…


「悪いな、薬師寺。エルちゃんのお守りを買って出てくれて」


「ううん、いいの。私、拓海くんに頼られるの好きだから」


「そう言ってくれると助かるよ。薬師寺なら安心してエルちゃんを任せられるしな」

「でもわざわざはぐくみ市から時間をかけて来てもらって、申し訳ないよ…」


「環境が急に変わるとエルちゃんも不安になっちゃうから、これでいいの。私も来たかったし」

「拓海くんは部活の助っ人、義母さんも繁忙期でお忙しそうだし、今日は私に任せちゃってよ」


薬師寺の優しさが俺の心に染み渡る。そりゃこんな奴が"天使"の異名を持ってるんだろうな…


「ああ、ありがとう」

「それじゃあ行ってくるね、エルちゃん♡薬師寺!サンキュな!行ってくる!」


俺は愛娘に「行ってきます」の挨拶をする。


「えう!いっえらっやーい!」


「まって、拓海くん。」


俺が自室を出ようとすると彼女に呼び止められ、何かと振り向く。

その瞬間彼女に唇を奪われた。動揺する俺をよそに薬師寺は前戯の時のようなキスを仕掛けてくる。

彼女の舌遣いになされるがままになりそうになるが、俺はエルちゃんにこんなのを見せるわけにはいかないという一心で彼女を強引に引き剥がす。どういうつもりなんだ…

俺の動揺がエルちゃんにも伝染してしまったのか、エルちゃんは不安そうに俺のズボンを掴み俺を見上げる。


「たうみ…?ああねちあうよ?」


「うっ…や…薬師寺!?エルちゃんの前でそういうのは……」


「ふふっ…いってらっしゃいのキスのつもりだったんだけど……それにしても随分とラブラブみたいだね…あまねちゃんと。いいなぁ」


「ぐっ…と…とにかく行ってくる!頼んだぞ!」



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私と彼は、元々はただの激辛仲間だったが、いつのまにやら互いの悩みを相談し合う仲になっていた。

ある日、私が優等生を演じることに疲れを感じたと彼に相談した際、一度だけ身体の関係を持った。

その後は結局頻繁に体を重ねる関係になっちゃったな…別に満更でもないけどね。

この事実は、ゆいはもちろんのこと、あまねさえも知らない、完全に2人だけの秘密の関係。


昨日急に彼からこの娘の面倒を見てほしいと連絡をもらったとき、私はチャンスだと思った。彼の好感度を稼げるのもそうだが、それ以上に良いのは彼の部屋で長時間ほぼひとりきりになれることだ。

他人に、特に拓海くんには絶対に言えないが、私は彼の部屋に小細工を仕掛けている。

前に彼と性交渉した際に彼を気絶させてしまったことがある。その際にほんの出来心でありものの盗聴器を設置してしまった。そうすると盗聴器を通してほぼ毎日、日替わりで違う女の子と彼の喘ぎ声が聞こえたの。中には知ってる娘の声の日もあってちょっと驚いちゃった。

ちょっとだけ彼のセ○レは私だけじゃないんだ…って落ち込んじゃったけど、それ以上にそんなに多くの女の子たちを虜にしちゃう彼の魅力について興味を持ったの。貴方を観察したい。

それから何かと理由をつけて彼の部屋でひとりになれるように画策したんだけどなかなかこれが難しい…

なんとかカメラを設置できたけど死角も多くてね…

だから今回のお留守番は2度とないかもしれないチャンス、絶対にモノにして見せる。

苦労して手に入れたこの新しい盗聴器とカメラでもっと彼を知りたい、もっと貴方の魅力を紐解きたいの…




「エルちゃん、いただきますしましょうね〜」


「え"う"‼︎」プイ


(完全にさっきのでエルちゃんに嫌われちゃった……迂闊だったなぁ)


「ごめんねーエルちゃ〜んさっきのは違うんだ〜違うの。不倫じゃ〜ないんだよ〜」


「いや!ねおりゆうさない!」


(あまねちゃんがシてるのもNTRでしょ…)

「ごめんね~エルちゃ〜ん機嫌直して〜」


「いや!きらい!どろおーねこ!」


(素晴らしい教育……いやいや感心してる場合じゃないよね…うーんどうすれば……)



(…っていうか自分たちは散々乱れまくってるくせに我が子にはそういう教育をするんだね…あまねちゃん…いい性格してるよ)



(気に食わないなぁ…)


(………まぁこの子には罪は無いし…)



「……すぅ…」


「…⁉︎………寝ちゃった…疲れさせちゃったね……ごめんね」



(まぁいいや。ヤることヤっちゃお)


隠しカメラをもっと増やして…コレでもうこの部屋に死角はないよ…全部…全部私に見せて…拓海くん…


盗聴器も…もっと高性能のイイやつに…もっとクリアに…小さな声も…もう呟きも囁きも逃さないからね…


もうコレが見つかっちゃったら…言い訳なんてできないね。後戻りできないところまで来させられちゃった…

 でもね?拓海くん。貴方が…興味深すぎるから…もっと知りたい…

 私にそう思わせた貴方が悪いの…きっとそうなんだよ…絶対。


ゆいちゃん一筋〜みたいな雰囲気出しておきながら彼女にヒミツで乱れ放題…誘惑には弱いしセ○クスも上手


私が把握しているだけでもざっと○○人…数回きりの関係の娘も数人いるみたいだけど…殆どが現在進行形で関係を継続している…


この部屋で毎日のようにいろんな女の子と色々なプレイ…HDDもいっぱい使えるやつにしちゃった。


拓海くん…貴方面白すぎだよ…ダメダメすぎて…ゆいちゃんが鈍感な娘でよかったよね。

もっと…もっと私に不甲斐ない貴方を見せて…貴方の全部を知りたいの…


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