ご主人様の恋愛事情
優しくて意地悪でめんどくさくて可愛いオレ様ちゃんオレ様ちゃん「ねえねえご主人様、ご主人様って好きな人いるの?」
そーいえば、こんな一言が始まりだったんだよね
ご主人様「え?な、何でそんなこと急に聞くの!?」
オレ様ちゃん「えー?なんとなくー?で、いるの?いないの?」
ご主人様「え、えっと、、、
いなくは、、、ない、、、かな、、、?」
オレ様ちゃん「、、、えー?何それ?居るってこと?」
ご主人様「う、うん」
そのときは、どうせあのぺたんこブスでしょー?って思ったっけなぁー
あんま詳しくは流石のオレ様ちゃんでも聞こえないんだけど、
ご主人様って、ふとした瞬間にぺたんこブスのこと考えてるのか
ぼーっとしてるんだよね!
なーんかモヤモヤしちゃう!
、、、まあ、ただ嫉妬してるだけなんだけどね
だってさ!?オレ様ちゃんのこと差し置いてご主人様の思考を占領するとか!?
いくら寛大なオレ様ちゃんでも許せないってゆーか?
はあ、、、なーんでオレ様ちゃんって死神なんだろ
ご主人様と一緒に生きられてたら、素直に「好き」って言えたんだろーなー
でもオレ様ちゃんって、実体とか無いし、、、死の神だし、、、
きっと、「好き」なんて言っても、ご主人様さぺたんこブスに夢中だから意味ないし
でも、さ、オレ様ちゃんはご主人様の魂の隣っていう特等席があるし!
別に、「好き」の2文字が言えなくてもご主人様とは一心同体だから寂しく無いもん
まずまず人間と死に神の恋愛なんて無理でしょ?もし結ばれても人間の寿命なんてすぐ終わっちゃうし
ひとりぼっちが寂しくなるだけだから、オレ様ちゃんの好きは隠しておくの
死に神が人間好きになるとか、なぞまるー!って感じだし!
うん、大丈夫。オレ様ちゃんは、ご主人様の恋を応援するの。
ご主人様が幸せなら、オレ様ちゃんも幸せだから。
だから、非常口を出して、ご主人様を返さなきゃ
ご主人様にはご主人様の幸せがあるから
そこに、オレ様ちゃんはいないから。
非常口を出すと、ご主人様はそっちに歩いて行く
寂しそうにあるいていく
せめて、お前なんて大っ嫌い!とか言って欲しかったな
お前みたいな大嫌いなやつと別れられる!とかさ、最後に「嫌い」って言ってよ。
そんなことを考えてると、ご主人様が振り向く
ご主人様「、、、っ!死に神ちゃん!」
オレ様ちゃん「んー?なにー?早く行かないの?」
ご主人様「僕、前から言おうと思ってたことがあるんだ」
オレ様ちゃん「なになに?」
ご主人様「僕、死に神ちゃんのこと大好きだよ」
オレ様ちゃん「っえ?」
ご主人様「だから、死に神ちゃんをこの本から出す方法を必ず見つけ出すから!
だから、待ってて!」
、、、バカだなぁ、ご主人様は
オレ様ちゃん「契約が切れたら、オレ様ちゃんのこと忘れちゃうんだよ?無理だって!」
おねがい、そんなこと言わないで
ご主人様「いや!絶対に忘れない!」
やめて、やめてよ、お願い
オレ様ちゃん「無理だって!ご主人様とオレ様ちゃんはここでお別れなの!もう会えないの!」
そんなこと言われたら
ご主人様「好きな人のこと忘れるバカじゃ無いぞ、僕は」
、、、期待しちゃうじゃん
オレ様ちゃん「ぐすっ、、うっ、、、うわぁぁぁぁん!!!ご主人様のばか!!」
そうやって泣き喚いて、座り込むオレ様ちゃんをご主人様は抱きしめた
そして、何も言わずに扉から出ていった
オレ様ちゃんが欲しかったのは、ご主人様「の」幸せじゃなくて
ご主人様「との」幸せだったのかもね
だから、オレ様ちゃんは待ってるよ
迷宮が崩壊して、本の中でまた寝始めても、オレ様ちゃんは待てるよ
だって、まえの眠りよりも、ずっと早く起きられるんだから!