こーひーふろーと。

 こーひーふろーと。


※リコの「ゆうわく」で、えっちな悪いフリード(黒フリード)になったIF話

※黒フリード視点


何度目か分からない理性の糸が音を立てて切れるのを自覚した俺は、もう良いだろうと思った。大人として、ライジングボルテッカーズのリーダーとして、どんなにリコに誘惑されても彼女を傷付けすぎないように、出来る限り理性を保ち優しく接してきた。


「ふふっ」


しかし、リコはそんな俺の優しさを嘲笑うかのように、毎回俺の理性を壊す言動をしては俺の反応に驚きながらもどこか嬉しそうな顔をする。俺は大人だが、それ以前に1人の男だ。好きな相手とは言え、こうも年下の女性に翻弄されるのは納得がいかない。


悪い子にはそれ相応のお仕置きが必要で、リコに遠慮して紳士的に振る舞う必要もない——そう、俺は考えを改めた。


「わっ」


俺はどこか勝ち誇った笑みを浮かべて腰だけを上下に振ったりグラインドさせている厭らしいリコの両腋に手を差し込み、持ち上げてそのまま腿の上から下ろす。

思っていた反応と違ったのか、目を丸くして数回瞬きをした後に不満を一切隠さず、むすっと頬を膨らませるリコの手を取り、椅子を立ち上がって移動する。


俺の手に引かれるがまま素直について来たリコは俺と一緒に入った場所を認識すると、先程の勝ち誇った笑みは何処へやら、眉を下げて目を彷徨わせて問うた。


「あ、あの……フリード? ここ試着室だよ?」

「知ってるよ。さっきの場所よりこっちの方が隠れてるからやりやすい」

「なに、」

「目の前にある鏡の両側に手をついて、お尻を持ち上げるんだ。リコなら出来るよな?」


俺の言葉に「信じられない」と言いたげな顔をするのに、すぐに顔をカジッチュよりも赤く染めてこちらに背を向けると、言われた通りに鏡の両側に手をつき可愛いお尻を持ち上げた。


「上手に出来たな。偉いぞ」


素直に従うリコの頭を撫でると、嬉しそうに目を細めたリコと鏡越しに目が合った。


◓ ◓ ◓


「はぅっ……ゃ、ぁっ、あっ、あんっ♡ やあぁ……ッ♡」


始めてすぐの時は羞恥心からか、いやいやと首を振っていたリコも、今ではすっかり蕩けた顔で嬌声をあげながらブラウスからはだけた胸をふるふると揺らし、俺の指の動きに合わせて官能的に腰を揺すっている。


(腰使いえっろ……これで俺より年下で未成年とか嘘だろ)


悪戯心でリコのスカートをショーツが見えるくらいに捲り上げても、嫌がるどころか期待に満ちた目をして足を開いたのだから、本当にリコには驚かされる。

店内には店の雰囲気に合わせた上品な曲が流れているというのに、試着室でぐちゅぐちゅと淫猥な音を出して興奮している俺達は、とんだ下品で異端な客だ。

指の動きを速めながらそんなことを考えて密かに笑っていると、途切れ途切れに名前を呼ばれて俺は考えるのを止めてリコを見た。


「ぁっ、ぁんッ、ふりぃ、ど♡ まっへ、ゃんっ♡ また、いッちゃ……!」


鏡に映ったリコは顎まで涎を垂らして素直に限界を伝える。ちゃんと「イく」ことを言えたリコに〝3回目〟のご褒美として左手で胸の飾りを抓み、右手の指を曲げて押し潰すように潤った蜜壺を刺激してやれば、リコは声にならない声をあげながら再び身体を震わせて果てた。

ずらして直接指で刺激せずショーツ越しの愛撫に抑えてあげているのに、役目を果たさない程にぐっしょりとショーツを濡らして、太ももを伝う愛液にまで感じてお尻をひくひくと震わせるリコに笑う。


「上も下もとろっとろだな。かーわい♥」


右手でリコのお尻をねっとりと撫でまわしながら耳元で甘ったるく囁いてやれば、目にハートを浮かべる程に快楽に堕ち切ったリコが顔だけ振り返って、俺の唇にキスをしてきた。唇を開いてやるとリコの舌が入り込んで俺の舌と絡まり、ぴちゃぴちゃと下とは違う水音が鳴る。


「ん♡ ンッ♡ んむっ♡」

(そろそろか)


唇を離して船に戻った時にポケットに入れた包み紙の封を歯で開けて、作業をしながらリコに声を掛ける。


「よく頑張ったなリコ。良い子だ」

「……もう、きすはおわり?」


俺にいっぱい愛されたせいか、すっかり思考が欲望でぐずぐずになって馬鹿になってしまったリコは、あっという間に終わったキスが不満だったらしく、俺の腕を撫でて舌っ足らずに問い掛けた。そんなリコに軽くキスをして頭を撫でる。


「大丈夫だ。すぐにもっと凄くてエロいキスをしてやるから」

「もっとすごくて、えっちな……」

「それより、ずっと鏡の脇に両手をついてて痺れたろ、俺に寄り掛かって良いぞ」


想像したのか太ももを擦り合わせてふぅふぅと荒く息を吐くリコに両手を広げると、嬉しそうに頷いて俺に背中を向けて寄り掛かってきた。

無防備で素直な可愛い俺のリコに舌舐めずりをしたその時、試着室の外から女の声がした。


「申し訳ございません、お客様。少しよろしいでしょうか?」


……よろしくねぇよ。


内心でそう悪態づいて脱力して動けないリコの服を、胸と太ももの付け根に新たに付けたキスマークが隠れるように整えてから、俺は半分脱ぎ掛けだったシャツを着直した。

鏡で問題がないことをチェックしてからカーテンを開けると、予想通り店の店員らしき女が困り眉をして立っていた。


「ああ、すみません。長く占領しすぎちゃいました?」


店員に合わせて困り眉で謝ると店員の女は「いえ、」と呟いて俺に寄り掛かっているリコを見遣る。


「御二人で試着室に入るのを見たので……当店では試着室は御一人様ずつご利用頂きたいのですが」

「本当にすみません……止めさせなきゃいけないんですが、試着室で独りで着替えるのも試着室で着替える俺達家族を独りで待つのも恐いみたいで、毎回試着室についてくるんです」

「ご家族、なんですか?」

「見えませんよね。髪の色も目の色も違うし……今、身元が分かる物を出しますね」


ポケットから身分証明書を出そうとする俺に、店員の女は慌てて手を横に振った。


「あ、いえっ、良いんです! そこまで確認するように言われていませんのでっ」

「そう、ですか? しかし、これ以上試着室を独占するわけにはいきませんね……すぐに出ます」

「いえ……そういった事情ならこちらとしても無理強いできません。今回だけは特例ということで、引き続きご利用ください」

「良いんですかっ? ありがとうございます!」


ほっと息を吐いて笑うと何故か店員の女は急に顔を真っ赤にして、落ち着きなく目を彷徨わせた後にそわそわと髪を弄りながら去って行った。そいつが店の奥に引っ込んだことと、周りに他の店員や客がいないことを確認して試着室のカーテンを閉めると、リコの後頭部が俺の胸板を叩いた。


「……私にお兄ちゃんはいないんですけど」


俺が店員を誤魔化している間、終始無言だったリコは少し冷静になったらしく、俺に寄り掛かりながら唇を尖らせた。


「嘘は言ってないぞ。俺達ライジングボルテッカーズは家族だし、リコから見たら俺は年齢的にお兄ちゃんだろ?」

「そういう意味で言ったんじゃないよ。フリードのばか」


頭を使って演技をして嘘を吐き、折角こうして邪魔者を追い払ってリコを可愛がってやれると思ったのに、知らぬ間にリコの機嫌を損ねてしまったらしい。ぽすぽすと後頭部で胸板を叩いてくる(痛みは全くない)リコに苦笑して、この愛しいお姫様の機嫌をどうやって直そうか考える。


「店員さんも最終的に納得しちゃうし、やっぱりフリードと私って恋人に見えないんだ……アメジオの時は何も言われなかったのに」

「………………は?」


しかし、リコの一言を聞いて自分の顔から笑みが消えるのを感じた。リコは俺を見て「しまった」というような顔をして口を隠すと、慌てて試着室から出ようとするが、当然そんなことは許さない。

リコの両手首を掴んで鏡に押し付けて、お互いの鼻が触れ合う距離まで顔を近付けてリコに問う。


「何でそこでアメジオの名前が出るんだ? あいつと何をしていた?」

「き、金髪の綺麗なお姉さんとお楽しみ中だったフリードには関係ない、よ」


いつものリコなら俺が険しい顔と低い声で質問をすると白状するが、今のリコは意固地になっているらしく顔を引き攣らせた後にそっぽを向いてそう言った。


そんなリコを見て、俺の中で加虐心に似た仄暗い感情が芽生えた。


「ひゃっ!?」


リコの手の拘束を解いて膝裏に手を差し込んで、鏡と向き合うように持ち上げる。リコの身体は俺からすれば羽のように軽く、こうして持ち上げることは何てことない。突然持ち上げられて驚いていたリコだが、鏡に映る俺の姿を見て首まで真っ赤になった。


「フリード、それ、あの……」

「ああ。リコが散々可愛がってくれたのとエロいリコを見たせいか全然萎えなくてな。見てくれよ、こんなでっかくなっちまって……これじゃあ外にも出れやしない」


そう言ってゴムに包まれた硬く大きく勃ち上がった熱の塊をショーツ越しにぐりぐり押し付けると、リコは真っ赤な顔をしたまま弱々しく首を横に振った。羞恥で今にも泣きそうな顔をしているのに、俺の欲棒を鼻息荒く興奮した様子でガン見しているリコを見て、俺もまた興奮でぞくぞくと背筋が震えた。


「し、しらないよ、そんなの……」

「そんな寂しいこと言わないで相手になってくれよ。まぁ……アメジオじゃなくて俺が良い、コレが欲しいって言うまで、ずっとこのままだし逃がしてやらないけど」


先端でリコのショーツをずらして性器同士を触れ合わせてゆっくり擦ると、リコからてろりと新しい愛液が漏れて俺のを濡らした。想像以上の気持ち良さと目の前の光景に昂ぶり、腰の動きが速まって擦り合わせる力も強くなる。


(ふ、ははっ……コーヒーフロートの完成、なんてな♥)


アイスクリームになったみたいに甘く蕩けた目をして髪を振り乱して更に喘ぐリコの膝裏を抱え直して、リコの口から「欲しい」とおねだりの言葉が出るまで、俺は唇を舌で舐めながら腰を振り続けた。



その後にリコと俺がどうなったかは……悪いな、聞かれても教えてやれない。


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