この後すぐ助けが来た

この後すぐ助けが来た


処女検査概念

・ミンゴが相当アレです

・結構閲覧注意



「フッフッフ……随分いじらしいじゃねェか。なァ、ロー?」

普段ならば確実に言い返す嘲笑を込めた物言いにも、今の彼女───トラファルガー・ローは何も返さなかった。

いや、返せなかったのだ。今迂闊に口を開けば、誰かにみっともなく助けを乞うてしまいそうで。

海楼石の手錠で戒められた両手。糸で無理矢理開かされ、今も言うことを聞いてくれない両足。先ほど付けられた傷は、今でも少しずつ血を流している。

ハートの椅子に拘束された彼女を見下ろしながら、男───ドンキホーテ・ドフラミンゴは言葉を続ける。

「声を出したっていいんだぞ、ロー。なんたって、ここにはおれとお前しかいないんだからな」

男と女が一人ずつ。それ以外には小人も玩具もいない部屋に、声が響く。

聡明なローは今の言葉の裏に潜むものも感じ取っていた。

“今のお前を助ける奴なんて誰もいないんだぞ“

男の大きな手は、徐々に彼女のジーンズの中に潜っていく。並みの女ならばとうに泣き叫んでいるだろう。

それでも彼女は口を開かない。唇を強く噛み締め、目の前の男の目(正確にはサングラスだが)を見据え、しかと睨みつける。

絶対にあんたが、あんたなんかが喜ぶような声なんて出してたまるか。



「……ぁ」

だが、そんなカゴの中の鳥の儚い抵抗は、長い指が彼女の乾き切ったナカに捩じ込まれた瞬間に消え失せた。

「ひっ」

指がナカで微動するだけで声が漏れる。びくんと体が跳ねる。涙が頬を伝う。

怖かった。誰にも触れさせたことのない場所をこんな奴に踏み荒らされることが。

悔しかった。それを許してしまうほどの弱さが。

目の前の赤い鏡に映るのは、恐怖と屈辱に震える自分。何もできず、食われるのを待つだけの獲物。

その様子を満足げに見ていたドフラミンゴは、涙の痕に目をやった。ただでさえ恐怖と屈辱に塗れているこの女に、更に与えてやりたい。

長い舌で彼女の頬に触れる。

「やめ、て……ぁ」

指の動きを少し激しく、早めてやれば、彼女の体が大仰にびくつく。

「やだ……いや、ぁ」

流れ落ちる涙が落ちる前に舌で掬い、飲み込む。

涙からは、思った通りの味がした。

「いい姿だ、ロー」

あの時から随分と月日は流れた。だがようやくあるべき者があるべき場所に戻ってきた、とドフラミンゴは口角を吊り上げる。

確かめたかったことは既に確かめられた。

彼女は未だに男を知らなかった。これなら上書きすることも、相手を見つけ出して引き裂くこともしなくていい。

だが少し触れただけでこのザマなら、後でしっかり教育する必要があるな、などと思いながら結局少しも濡れなかったナカから指を抜くと、彼女の体から力が抜けるのがはっきりとわかった。



息が整えられない。体の震えが治らない。

私は怖がってるの?悔しがってるの?

それとも、助けてほしいの?

私は海賊なのに。

私が弱いからこんな目に遭うのに。

どうして。

どうして私は、今はいない大好きな人に、そしてあいつに助けてほしいと願っているんだろうか。


絶対に聞き取られたくないから、蚊の鳴くような小さな声で、祈る。


どうか私を

「助けて コラさん、    屋さん」


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