ここだけ10年早く生まれたルフィ×RED その1

ここだけ10年早く生まれたルフィ×RED その1

第三帝国


きっかけは、ウソップが釣り上げたあの妙な映像電伝虫だ。

見慣れない個体だったから何時もの冒険心が沸いてしまいスイッチを押した。


でも、それでまさか映像電伝虫い吸い込まれるなんて。

咄嗟に傍にいたルフィが手を掴んでくれたけど、

あっという間に2人揃って仲良く吸い込まれしまった・・・。


まあでも、目を開ければ何時ものサニー号の甲板だったから、一安心!

手を握っていたはずのルフィがいないけど、きっと傍にいるでしょ!


なーんて、思っていたんだけどぉ・・・。


「な、ななななな、U、UTA!なんでUTAが!!?」

「いや、何って、何でよ?ウソップ?」


いや、本当。何よこの反応?

まるで街中であたしと遭遇したファンみたいじゃん?


「プ、ププ、プリンセスウタが何でこんな所に!?

 いや、今日は甲板でUTAちゃんの配信上映会だから来てくれたんだ、うぉおおお!!」


「プリンセス?

 はぁ、サンジくんも何?

 なんの冗談なの?これは一体・・・?」


サンジくんまで可笑しな反応をしている。

しかもあたしとルフィの関係を知っていながら、

目がハートマークになっているなんて・・・本当に変だっ・・・て!!?


「ちょっと!突然何するのよゾロ!!

 冗談もほどほどに、笑える物にしなさい!」


「ふん、冗談だって?

 俺の刀を避けた時点で笑えねぇんだよ、お前・・・何者だ?」


背後から突然刀を抜いてきたゾロ。

見聞色で咄嗟に避けたけど、なんで・・・そんな目で見る、の?


「嘘ぉ、UTA本人!本人なの!?」

「あらあら、こんな事もあるのね」

「突然現れてきたのぉ・・・?」

「ヨホホホ、海は不思議で満ちています!とりあえずパンツを――――」

「アゥ!何が起こってるんだ?」

「初ライブ前に生のUTAと会えるなんて、俺、おれぇ!!」


ナミ、ロビン、ジンベイ親分。

ブルック、フランキー、チョッパー。


みんなルフィと一緒に旅する自慢の仲間たち。

なのに、どうして、なんで、なんなの?これは・・・?


「んー騒がしいなぁ・・・って、おまえ、ウタだろ!!」

「ルフィ!ちょっと、聞いてよ!みんな変なのよ・・・え?」


ようやく、あたしの愛しい副船長が出て来た!

・・・と思ったけど見た目全然違った。

まるで初めて出会った時の・・・どう見ても20代前半か10代の後半の姿だった。


「久しぶりだな、ウタぁ!!」

「へ、いや、久しぶり???」


そしてハグされた。

うへへへ、あたしが恋に落ちた時のルフィもなかなか・・・。


って、いや、久しぶりも何も毎日顔を合わせているし、

何なら最近は毎晩ベットでアレコレしている仲なんですけぉ!!?


「あの歌姫と知り合いなの?ルフィ!!?」


「うぉおおおお――――どういうことだぁあああ!!

 今世界で一番愛されているプリンセスウタと、どういう関係なんだぁああ!!!」


「ウタと知り合いなのか!!すっげ―――!!」


ナミとサンジくん、チョッパーが混乱して――――ん、んん?


「海賊嫌いの歌姫がどうしてルフィと知り合いに・・・?」


「ヨホホホ、ソウルキングの私が言うのもなんですが、

 彼女の歌は別次元です・・・しかし、その姿はまるで・・・」


「アウ!まるでウチの船長みたいだな!」


んんん???海賊嫌いの歌姫?

いや、あたしめっちゃシャンクス大好きで海賊大好きだし???

あと、船長も何もあたしが船長なんですけど??何でだよぉ!!?


「あ!そういえばウタ!お前その帽子、もしかしてシャンクスがくれたのか?」

「え、ああ、うん、そうだけど・・・?」

「にししし、お揃いだな!!」

「ど、どうも・・・」


あたしの頭にかぶっている麦わら帽子にルフィは興奮している。

ますます意味が分からないし、訳が分からない。

この帽子は世界に1つしかないはずなのに・・・2つある?


「おい、ルフィ。今、シャンクスっと言ったな?こいつと一体どんな関係だ?」

「だってこいつ俺の幼馴染でシャンクスの娘だもん!」


幼馴染???

ルフィとあたしが幼馴染??


「幼馴染!!?嘘でしょ――――!!?」


「「「えええええええ、幼馴染!!!?・・・って、お前も驚くんかーい!!?」」」


驚いたら我ら麦わらの一味から一斉に突っ込まれた。

うん、このノリは変わってなくて安心するなぁ・・・。


いや、それよりさぁ!!


「いやだって、あたしが知るルフィは8歳年上の29歳だし!?

 あと、幼馴染じゃなくて年上の恋人で、将来の夫であたしの副船長だよ!!」


「え゛”ルフィの恋人”で”将来の夫”ぉ!!!?

 ありえない!あのルフィよ、ルフィだもん!絶対ないでしょ!!」


「う、嘘だぁあああああ!!?

 UTAちゃんと恋人だとぉ!!クソゴムぅうううどういう事だぁあああ!!」


「ヤバいぞ!!今日は絶対ヤバい日だ!これは夢だ、そう夢に違いない!!」


「ほう、それは目出度いのぅ!!」


すっごい表情で否定するナミに、

血涙を流すサンジくん、大混乱なウソップ。

唯一ジンベイ親分だけが祝福してくれているけど・・・なんでだよ???


だって、ルフィだよ?

あたしへの独占欲丸出しだし、

ルフィに恋愛感情がないなんて、絶対あり得ないでしょ!


例えばトラ男やキッドと少しでも会話した日の夜なんて・・・。

うん、すごいし、すごく、すごく、その・・・は、激しいし。


「ええっ!!?おれの方が年上なのかよ!!

 しかも、恋人!!?副船長!?おれ、ウタと将来結婚するのか!!???」


「え゛っ・・・”おれの方が年上”??

 ねえ、ルフィは今年で何歳になるの・・・?」


「19になるな」


「あたしは21歳だから・・・ま、まさかの年下ぁぁああああああ!!!??」


「うるせぇええええええ!!!?」


煩くなるわよ!!だってルフィが言うに、

幼馴染だから歳が近いと思ってたけど・・・。

まさか、ルフィの方が年下だなんて思わないわよ普通!!



『こんにちわ~~ウタだよ!

 もうすぐ初のライブだけど今日も配信しちゃうね~~♪』



なんて、大騒ぎしていたけど。

甲板に転がっていた映像電伝虫から流れた映像に時が止まった。



「嘘、なんで・・・?」



なんで、”あたし”が映っているの・・・?


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