ここだけウタが七武海の世界線6

ここだけウタが七武海の世界線6


ウタが港へ行くともう出港する準備が出来ていた。

海軍から支給された船のため、とても大きく一瞬見惚れてしまった。

(この前の海賊討伐の報酬として、貰ったんだけどやっぱりでかいな。そういえばライブもできるってセンゴクさん言っていたな、、、。)

そんなことを考えているとアインに声を掛けられた。

「なにをやってるんですか?早く乗って下さい。置いていきますよ?」

「ちょっと置いて行かないでよ〜。」

急いでウタは船に乗った。

夕方だったため、海に出るとすぐに日が暮れた。


アインは船が襲撃されないか見張り台で風に当たりながら夜警をしていた。

「お疲れ様〜。」

水平線を眺めているとウタが声をかけてきた。

「あ、あの、これみんなの分作ったんです。食べて貰えますか?」

その手には少し不格好なおにぎりがあった。

アインはそのおにぎりを食べて昔の事を思い出した。


〜十数年前〜

昔、アインの故郷が海賊に襲われた。泣いていたら、その時に助けてくれたのがゼファーだった。

「このゼファーがいる村を襲うなんていい度胸だな!!」

アインの住んでいた村の海軍基地の教官として訪れていたのである。

おかげで誰も怪我することなく海賊を捕まえることができたのだ。

「大丈夫か?嬢ちゃん。」

泣きながら頷こうとしたら、お腹が鳴った。

「ハハハッ嬢ちゃん腹が減ったのかこれを食うがいい。」

そう言ってゼファーはアインにおにぎりを差し出した。


そのおにぎりは不格好だったが、今まで食べたおにぎりの中で1番美味しかった。


アインはウタに感謝した。

「美味しかったです。少し昔の事を思い出してしまいました。」

ウタは身を乗り出して言った。

「アインさんの昔の事を聞きたいな。無理に言わなくても良いけど。」

アインはおにぎりのお礼の代わりに思い出話をウタに話した。

「ウタさんは、子供の頃どんな風に過ごして居たんですか?」

アインはふと気になって聞いた。

「·······」

「ウタさん?」

返答が無かったためアインは振り向いてウタを見るとウタは泣いていた。


「無理に言わなくても大丈夫ですよ!」

アインは慌てて言った。

ウタはしばらくして泣き止んでアインに言った。

「心配させてごめんね。アインさんが言ってくれたから私も話すよ。」

そしてぽつりぽつりと

赤髪海賊団に育てられたこと、

エレジアに置いて行かれたこと、

七武海になった経緯を話した。

すべて聞き終わるとアインはウタに謝った。

「ごめんなさい無理に言わせてしまって。それに誤解しちゃってごめんね。ウタさん。」

ウタは訂正させるように言った。

「ウタ。」

アインは目を見張った。

「そんな馴れ馴れしく呼んで良いんですか?」

ウタはうなずいた。

「もちろん!友達だもん!」

アインはおずおずと言った。

「じゃあ、、、よろしくね。ウ、ウタ。」

「よろしくアイン!!」

ウタはそう言いながら、アインに抱きついた。

その後は交代の時間まで恋バナなどをして過ごした。

「やっぱり、ゼファー先生みたいにカッコイイ人かな?ウタは?」

「私はいつもは子供っぽい人だけどいざという時には頼りになる人かな?」


〜翌日〜

「見えました!アラバスタです!」

見張り台に居た部下が言った。

「みんな気を引き締めて行くよ!」

「「おぉー!!」」


〜アラバスタ〜

「この俺を誰だと思ってやがる!!!」

クロコダイルが吠えた。

「お前がどこの誰だろうと!!!俺はお前を超えていく!!!」

ルフィが応える。

「砂漠の、、、」

「ゴムゴムの、、、」

二人の技がぶつかる!!

「黄金宝刀!!!」

「暴風雨!!!」

鍔迫り合いの後にルフィの拳がクロコダイルに届いた。

クロコダイルを倒したが戦闘はまだ終わらない。

「戦いをやめて下さい!!」

ビビの声が虚しく消える。

「痛えじゃねぇかクソガキが!!」

クロコダイルが起き上がる。

「!!」

ルフィが驚き臨戦態勢を取る。

ビビがもう一度叫ぶ。

「戦いをやめて下さい!!!」

〜屋上〜

「ほ、本当にやるの?ウタ?」ゴソゴソ

「当たり前じゃん!こうしたらみんなに声が届くし。」ゴソゴソ


いくら叫んでも争いが収まらない。

ビビがもう一度叫ぼうとすると、

「ビビ!」

ビビに狂剣が振りかぶられた。

その時だった。

「はーい!みんな注目!この争いを、、、」

「お、終わらせに来た!」

ドン!!

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