ここだけウタが七武海の世界線3
周りの歓声に驚いてウタは周囲を見渡した、
「海賊をやっつけるなんてすげぇ!」
「海賊よりずっと強いんじゃないか?」
などの賞賛の声が掛けられた。
「あ、ありがとう。」ウタは褒めてくれたみんなに感謝した。

だが、ウタは力不足を感じて俯いた。
(こんなんじゃ、シャンクスを追いかけるなんて無理だ、、、)
「ねえちゃん歌が上手いな!もっと聞かせてくれよ。」
と歌を聴いた人に言われたので海賊を縛った後ライブを行う事にした。
大工の人が作ってくれたステージに立ち、スタンドマイクに歌を吹き込む。
「〜♪~♫」
数曲歌い休憩していたところに、海軍の人がやって来た。
物陰に行ったあと質問が始まった。
「海賊を捕まえたのは君かね?」
偉そうに上から目線で言ってきたが、ウタは丁寧に対応した。
「はい、みんなが危険に晒されていたので。」
だが、海軍将校は怪訝そうな顔をして言った。
「それは良いんだが、君は世界政府に加盟している国に戸籍がないね?」
ウタは正直に「はい」と言った。
すると、海軍将校は下品な顔をして言った。
「私の言う事を聞いてくれたら黙っていてあげるよ。」
ウタは苦笑いをして誤魔化したが、
「そんなに堅苦しい事言うなよあんちゃん。」
と海軍将校が手を出そうとした。
そのとき、ウタを守る為にさっき助けた男の子が海軍将校の頭を酒瓶で殴っってしまった。
当たりどころがわるかったのか将校はそのまま倒れてしまった。
「えっ、わっ、えぇ~!?」
生きているのか死んでいるのか分からなくてあたふたしていると、酒場のお兄さんに見られてしまった。
「お~いねえちゃんとル、、、おい!何があった!?」
事情を説明すると酒場のお兄さんはいきなり頭を下げた。
「すまねぇ!こいつは、天竜人に買われた妻との大切な息子なんだ!代わりに俺が捕まるから頼む!こいつを許してやってくれ!」
ウタは危ない世界なのに優しくしてくれたこの男にそんなことは出来なかった。
「顔を上げてください。私なんかより、あなたの方がこの子に必要だと思うんです。」
そしてウタは覚悟を決めてこう言った。
「私がした事にします。」
(どうせ、国を滅ぼすような悪事をする赤髪のシャンクスのむす、、、関わりがあった事が知られたら追われるし。)
酒場のお兄さんは困ったように「だけど、、、!」と言った。
異変を感じて海兵達が集まって来た。
「早く行って!」と小さなこえでウタは言った。
「恩に着る!」と酒場のお兄さんは言った。
ウタは冗談を言うみたいに「立派に育ててね~。」と言った。
「あぁ、承知した!」酒場のお兄さんは元気を出すように逃げながら言った。
数十秒後ウタは海兵に囲まれた。
銃を突きつけられながら、隊長らしき人に質問された。
「お前の名はなんだ?これをやったのはお前か?」
ウタは内心緊張しまくっていたが、不敵に笑いながら「えぇ、そうよ。私はウタ。アタシを捕まえるなんて、アンタ達にできないでしょ。」と言った。
隊長が命令する前にウタは「能力」を使った。
海兵達が崩れ落ちる。
他の海兵が集まる音が聞こえた。ウタは能力の使いすぎで眠い体を無理矢理動かして逃走した。
港に行くと事情を知った村人達が船を出発出来るように準備をしてくれていた。
「すまねぇな。せめてもの償いでみんなに事情を話して手伝って貰った。」
さっき別れた酒場のお兄さんが話かけてきた。
名前を聞いていなかったため、
「そういえばあなたの名前は?」
とウタはなんとなく聞いた。
「あぁ、そういえば言ってなかったな、俺はギルド・テゾーロだ。天竜人から妻を買い戻す為に商売をしてるんだ。」
テゾーロは「あと、こいつはお礼だ」と札束を投げた。
ウタは落としそうになったがしっかりとキャッチして「こんな大金貰えないよ!?それに妻を買い戻すって」
「結構持ってるだろ?安心しな、悪い金じゃないから、そんなことしたらステラに怒られるし。」
ステラは妻の名前だろう。
「同じ天竜人だから、心配するに越したことはないが、持ち主が温厚なミョスガルドっていう奴に変わったから大丈夫だろう。」
海軍が来ないうちに出港することにした。
「元気でな〜。」
「時間が経ったらまた来てね!」
「歌を綺麗だったよ〜!」
という声を聞きながら村人達に手を振った。