ここだけウタが七武海の世界線5
ミホークに海軍本部に連れて来られたそこには海軍元帥センゴクが居た。
「では、俺は帰るぞ。」
ミホークは用事はもう終わったかのように帰っていった。
知らない人と二人きりになってウタは気まずくなったが、
「クロコダイルが反逆を企てているという情報を得た。権利剥奪はまだだが、代わりに君に王下七武海に入って欲しい。」
センゴクはそう切り出した。
「七武海に入れば、海軍に追われることもない。···その、、、赤髪のシャンクスを探して居るんだろう?」
ウタにはその特権が魅力的に思えた。
「分かりました。こんな私なんかで良ければ。」
センゴクは嬉しそうにして
「じゃあ七武海の会議があるから付いてきてくれ。」
センゴクに着いていって会議場に行くと椅子が7個あった。
「あの、、、私はどれに座れば良いんですか?」
ウタは気になって聞いた。
「あぁ、どうせ半分ほどしか来ないからどれでも良いよ。」
半ば諦めたように困った顔をしてセンゴクは言った。
「えぇ、、、」
ウタはそれを聞いてドン引きした。
取り敢えずウタは1番近い席に座ることにした。
数十分後に数人入って来た。ウタは話をしようかと思ったが、互いに殆ど干渉しないらしい。
センゴクによる説明などがあったが、殆どの人は聞いてなかった。
センゴクはもう慣れているらしい。
会議が終わってどうするのか悩んでいたところ、クロコダイルに呼びかけられた。
「よう、嬢ちゃんどうしたんだ?」
(この人って、さっきセンゴクさんが言ってた人だ。)
十年間ゴードンとしか会話をしてなかったため、急に話かけられたウタは混乱して、
「いや、、、その、、、」
と口籠ってしまった。
(海賊向いてねぇだろこいつ、、、。)
とクロコダイルは内心思ったが顔には少しも出さずに、
「困ったらあの爺さんに聞けばいい。」
とセンゴクを見て言った。
ウタはクロコダイルに感謝して、センゴクに話しに行こうとすると、
ちょうどセンゴクがこちらに来て、
「あぁ、丁度良い。君の専属になった部隊を紹介しようかと思ったんだ。」
センゴクに連れられて訓練所と思われる所に行くと、海兵達が並んでいた。
「今から君の専属の部隊になるZ部隊だ。隊長のアイン前へ。」
「はっ」
そう答えて前に来たのは蒼い髪をした美しい女の人だった。
その時、センゴクの側近の海兵がセンゴクに耳打ちした。
すると、センゴクは慌てて言った。
「そ、そういう訳だからよろしく頼むぞ。」
そう言ってセンゴクは忙しそうに出ていった。
センゴクが見えなくなると、さっきまで大人しそうにしていたアインが文句を言い始めた。
「私はアンタ達七武海を認めない!ゼファー先生に推薦されなかったらアンタの部下になんかならないんだから!」
ウタは「ゼファー先生」が誰か気になったが聞かない事にした。
「あ、あのよろしくお願いします、、、」
アインはチラッと見て、
「用事がある時以外は話かけないで」
と一蹴して言った。
〜一ヶ月後〜
「本当に何もアインさんと話が出来なかった〜。」
ウタはうなだれて言った。
他の海兵さん達とは少し仲良くなれたと思うのだが、
アインと話した内容は本当にそっけないものだった。
ウタ「この書類ってどうするの?」
アイン「この書類は、会計に持っていきます。少しは自分の頭で考えて下さい。」
他には
ウタ「お茶零しちゃった〜」
アイン「何やってるんですか、タオル貸しますからあなたも一緒に拭いてください。」フキフキ
ウタはこの前に行った任務を思い出して言った。
「一緒に海賊を捕まえて分かったんだけど、アインさんってかなり強いんだよね。」
連携はしてくれるし、フォローもしてくれる。本当に感謝しかない。
(どうやってお礼しようかな~。)
ウタはゴードンが昔言っていた事を思い出した。
「料理は歌と同様に人を幸せにするんだよ。」
(一緒に、ご飯食べたら仲良くなれるかな。)
ウタはみんなに向かって料理を作ってあげようと考えた。
〜船上〜
アインもアインで悩んでいた。
「何よアイツ、ゼファー先生の言っていた七武海と全然違うじゃない。」
おせっかいでいつも笑いながら話かけてくる。
正直鬱陶しいが少し嬉しくもあった。
(何を考えたのかしらゼファー先生は。シキさんが居なかったら先生も七武海に殺されてたかもしれないのに、、、。)
そのように考えていたら、新しい指令が届いた。
「王下七武海クロコダイルの反逆がアラバスタにて発生。権利剥奪の上、鎮圧命令を出す。」
アインは急いでウタの元へ急いだ。