けもののこえ

けもののこえ


小スカ注意

人の訪れのない無人島。そこに奇妙な音を立てて大柄な人影が一つ現れた。

王下七武海の一員、暴君:バーソロミュー・くま。その様子が常と異なって見えるのは特徴的なシルエットの帽子がないことだけに由来するものではないのだろう。

彼が現れた島は周囲を断崖絶壁に囲まれており、特殊な能力持ちでもなければ人が来ることもない。その中でもくまがいるのは薄暗い森の中だ。そのような場所をわざわざ選んで訪れねばならない理由がある。

 むわ、と鼻をつく臭いが辺りに漂っている。だがそれをくまは気にしない。気にする余裕がないとも言える。

「っ、ふー♡」

見た目にそぐわぬ甘い吐息をこぼしながら、くまは性急に服を脱ぐ。畳むこともなく雑にそこらの木の枝に掛けていく。下着に指をかけた際にはほんの僅かばかり躊躇うような素振りを見せたがそれも一瞬。ずるり、とずり下ろせば中で窮屈そうにしていた陰茎が勢い良くぼるんと飛び出し、びたりと腹を叩いた。それだけで少し身を震わせつつ、くまはどっかりと地面に胡坐をかいた。

大人の腕ほどもありそうな巨大な、しかし亀頭を半分皮で覆われたちんぽを片手でしっかと握る。どくりと我慢汁を噴き出した亀頭の先端をもう片手で掴んだ。

「ほぉ、ふー♡」

ふしゅるとまるで蒸気機関のように鼻息を漏らし、くまは自身の陰茎に添えた手を上下させ始めた。自慰である。

「おっ、うっ♡ふぉっ、おぉぉ♡」

その脳裏に浮かんでいるのは今まで情を交わしてきた誰の姿でもない。ぬっとりとした体液をあふれさせる、人工の肉筒だった。

 先日、くまはとある海賊の鎮圧に向かった際、民間人を人質にその身体を好き放題弄ばれることになった。海賊たちの余興として、性具を陰茎にはめられて射精にまで導かれた。海賊たちに嘲笑われながら、精液どころか尿までも漏らすという屈辱を味わったくまは、海賊たちを殲滅してなおその夜のことを忘れられないでいる。

「ほっ♡うぉう♡」

ごしゅごしゅ♡と竿をこすりあげ、にゅこにゅこ♡と亀頭を弄り回すのが気持ちよくて仕方ない。年単位で感じていなかった性欲が解き放たれてしまったのだ。流石に余人の目が届きかねない場所では行為を避けるくらいの理性はあり、どうにか、と探し出したのがこの島だった。

 

「お゛っ~♡うっ、ふぐぅ~♡」

 それでも当初はもう少しを抑え気味だったのだ。下半身はズボンをずらして陰茎を取り出すに留め、上半身はめくり上げたシャツを噛んで声を抑えようとしていた。だが噛みしめすぎて歯型がつき、よだれでぐっしょりと湿ったシャツや吹き出した体液でぐしょぐしょになったズボンを見て、服を全て脱いでから行為に及ぶようになった。更に声を出した方がより快楽を得やすいことに気付いてからは、喘ぎ声も存分に上げている。早く満足して終わらせるためには仕方ないのだ、と自身に言い訳をしながら。

性具が先端にしかはまりきらなかったため、特に責められた亀頭への刺激を殊更に強める。ぷにぷにとした肉球がまんこじみてちんぽを柔らかく包み込みのがたまらない。思い浮かべるのはあのてらてらとした玩具肉筒、ニセモノまんこ。本物の雌穴よりもずっと彼を気持ちよくしてくれたモノ。

「ふっ、うぐっ♡で……るっ♡」

快楽のあまりに仰け反り舌を出すくまのちんぽからぶぼっ♡ぶぴゅぶぴゅっ♡と濃厚な白濁が吹き出した。蜂蜜のようなこってりザーメンがぼとぼとと地面にこぼれ落ち、もってりとした山を作る。そちらに視線を向けたくまの脳裏に、海賊たちの嘲笑が甦る。

『自分のションベンで子種殺しちまってやがんの』

『あーあ、可哀想に。パパがションベンたれだったせいでちんじゃいまちたね』

その時は彼の正気と怒りを呼び起こす言葉でしかなかったはずのものが、今となっては別のものを呼び起こす。くまは無意識のうちに絶頂を迎えてやや脱力した陰茎の先端を、ほかほか無駄打ちザーメンへと向けた。次の瞬間尿道を競りあがってきたまっ黄色の尿がじょろろ、じょぼぼと放たれる。まるで精液を的にした小便射的のように放物線を描いた尿は、無駄打ち精液と混じって地面に汚らしい水たまりを作り出していた。

「お゛っ、ふぅ、うぅ……♡」

気持ちよさに口元からよだれがこぼれる。彼の理性はいい年をしてお漏らしなど恥ずべきことだと考えてはいるが、再びびきびきと立ち上がった陰茎がそれをかき消していく。とにもかくにも、よわよわデカちんぽを肉球でコキコキして、無様アクメ面を晒しながら、デカ玉からザーメンぶびゅぶびゅひりだしてすっからかんにしなくては真っ当に物事など考えられない。

――先日鎮圧した顔も名も覚えていない海賊共の嘲笑が、脳にこびりついている。彼らによって引き出された敗北被虐性癖(マゾまけグセ)に、すっかり思考を飲み込まれていた。こうして、今はただの性欲に溺れるケダモノでしかないバーソロミュー・くまは、常の優しく理知的な姿からは到底想像もつかないような淫らな声を、誰もいない島に響かせ続けるのだった。

 

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