くぅくぅお腹がなりました

くぅくぅお腹がなりました


ふっと気付くとドゥリーヨダナの目の前にはお人形。

クルクルとコミカルに動くお人形はドゥリーヨダナに深い敬意を示します。

そんな敬意を表してくるお人形に機嫌を良くしたドゥリーヨダナは、お人形に導かれる通りに歩みます。

すると今度は、行く手を阻み邪魔をする意地悪で不敬なお人形。

敬意も何も有りません。

いつの間にか敬意を示していたお人形は居なくなっていました。


イライラ、ムカムカ


きっとこの不敬なお人形があの敬意を示したお人形に何かしたに違いありません。

そうに決まっています。

ムカつくのでドゥリーヨダナは生意気で不敬なお人形を小突きます。

すると、あら不思議。

お人形が破裂したかと思うと、キラキラと多種多様なラドゥが現れました。


いつの間にかくぅくぅとお腹が空いていたのでこれはドゥリーヨダナも大喜びです。

残りの不敬なお人形も小突いてラドゥに変えてゆきます。


ギーがたっぷり使われるラドゥ。

コロコロと丸くて甘くて可愛らしいラドゥ。

あのガネーシャ神も好物だと納得します。

スパイスが効いたモノも、甘いモノも、ナッツが入ってるモノも、どれも美味しいです。

美味しい、美味しいラドゥを手に入れたドゥリーヨダナはご機嫌にまた頬張りました。


『此処にチャイも有れば完璧なのだが……』少し残念に思ってると、

つんつんと裾を引っ張る感覚がしました。

振り返ると、最初に会ったお人形が居ました。

しかも、そのお人形の手にはチャイが有るではありませんか。

“欲しい”と思った物を直ぐに用意出来るなんて、なんとよく出来た素晴らしいお人形でしょう。

やっぱりこのお人形が居なくなって居たのは、さっきの意地悪で不敬なお人形のせいだとドゥリーヨダナは確信します。


お人形から献上されたチャイを飲みラドゥを、食べ優雅なひと時をつくことにしました。

目の前にはクルクル踊り敬意を示すお人形。

邪魔した意地悪で不敬なお人形はラドゥに変えて、献上されたチャイを飲んで

ドゥリーヨダナはとってもご機嫌になりました。



めでたしめでたし。

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