ずなおる

ずなおる


ワンクッション

ツークッション

スリークッション

🫵




※ズナオル

※濡れ場有ります(大した描写はない)








 なだれ込むように受付に現れた男がいた。

「泊まりで」

 ドスの効いた声に怯むようなタマはしていない。黙々と受付の仕事をするだけ。

 鍵を渡そうとして気づいた。男の手が、袖が濡れている。そういえば今日は雨だと天気予報で言っていた。傘も差さないで来たのか、雨宿りに来たのか、訳ありなのか。

 客の事情なんて詮索するもんじゃない。

「はいよ…………あ?」

 ばっちりと目が合う。男にがっちりと腕を掴まれているど派手な馬鹿息子に。

 思わず目を白黒させる。馬鹿息子オルフェーヴルも男同様にびしょ濡れだ。だが相も変わらず雨に濡れ泥に塗れてもその輝きは失われることはない。自分の息子にそんなことを思うのも親バカ極まっていると言われそうだが、物理的に事実なのだから仕方ない。

 隠しきれない輝きを放つ息子は、その不機嫌さを隠そうともしていなかった。

 男はオルフェーヴルの胸ぐらをつかんでぐいと受付にその顔を突き出させる。

「今からあんたの息子、ぐちゃぐちゃにしてやるよ」

 捨て台詞。

 見覚えがあった。息子と共にフランスの地へ渡り、息子と真っ向勝負をして置いて行かれた、あの男だ。

「何やらかしたんだかあいつ」

 ただならぬ雰囲気の客なんていくらでもいるが。

「……」

 気にしても仕方ないか。ステイゴールドは読みかけの新聞を再び広げた。




 煌々と明かりをつけたままの何の変哲もない部屋。可もなく不可もなく。その部屋の中にギシギシと軋むベッドの音、二人の息遣い。そして上がる嬌声。

「あっ」

 声を抑えることもできないくらい滅茶苦茶な抱き方だった。

 キズナは自分の下でしどけなくされるがままのオルフェーヴルを見下ろして、それでも自分の胸の中の淀みが晴れることなく沈殿していくのを感じている。

 はあはあと荒い息遣い、上気した頬、陶器のように滑らかな肌にしっとりと汗ばむその肢体、乱れる金髪。全部、全部俺がやってやったんだ!なのに。

 オルフェーヴルが乱れる前髪の間からキズナを見上げる。そしてにやりとほくそ笑む。

「へ、た、く、そ♡」

「!……よくもまあ、散々鳴かされた後にそんなこと」

 少し動いてやれば乱れた声を上げざるを得ないくせに。

「全然、だめ。出直してこいよ。はあ……こんなんじゃ、満足してやれない」

 薄い胸を上下させるほど呼吸が乱れてるくせに。

 どうして。

 キズナはオルフェーヴルの手をぎゅっとベッドに押し付ける。決して零れ落ちてしまわないように。なのに。

「そんなんで俺を捕まえたつもり?ほんっと、へたくそ」

「なんで…なんでだよ」

 虚しさばかりが胸に広がる。

 すがりつくように首筋に噛み付いた。

「なんであんたは、この腕の中にいてくれないんだ」

 あの日からずっとそう。閉じ込めておきたいのに、いつもいつもこじ開けられて自由に走り、追い抜き、置き去りにしていく。それがオルフェーヴル。

「バカだな、お前は」

 すり、と頬を寄せられた。

「そうやって簡単に捕まえられる俺になんて興味ないくせに」

 本当に不器用でへたくそで、可愛いやつ。

 オルフェーヴルが愛おしそうに笑った。




















「どうですか!?オルフェさんのお父さんのラブホに実際泊まって書いたんですよ!」

「あ…………ソウナンダ〜…………」

「結構力作だと思うんですけど!」

「いや…なにこれ?」

「ズナオルです!」

「あそう。え、これ書いてどうすんの?」

「えへへ…みんなでオル受けアンソロ作ろうって話になって」

「みんなって何?なに作るって?え?聞いてないんだけどそんな話」

「そりゃオルフェさんにはみんな恥ずかしくって言えませんよ〜」

「今ここで本人に見せてんじゃん!!!お前おれのことそんなふうにみてたの!?」

「えへ♡感想お聞きしてもいいですか?」

「まずこの二人何があって雨に濡れてここまで来たんだよ」

「あ、特に考えてなかったです」

「そういうディテールこだわらないといい作品なんて出来ないんだよ。展開も唐突っていうかさ、え、ページ数が決まってる?めんどくさいんだな。あとオルフェーヴルの描写だけやたらあってキズナの描写がないのもバランス悪い。体格とか表情とかもっと」

「オルフェさんのキラキラとえっちさをいっぱい表現したかったんです」

「そう。お前ちょっとかわいいじゃん…待ってえっちさってなんだよ!!!」





ズナオルを発端にレイオルとかいろんなオル受が爆誕してたなって


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