かげじつ! 光side編

かげじつ! 光side編


イメージCV

猛者=遊佐さん、師匠=チョーさん


猛者「久しぶりだな師匠」


師匠「おお!珍しい所で出会ったじゃあないか」

「とは言っても俺は早々出歩けない身だからな、こういう端でしか会えないんだが」

「どうだ、ベアトリクスとは順調か?」


猛者「もちろんだ。彼女はこと剣技においては凄まじい才覚を誇っている」

「本人も言っていた通り、今まではただ停滞していただけか…シャドウの奴から借りたものにも感謝しなければ」

(あまりしたくないけどな)


師匠「いやそういう意味じゃないんだがなぁ…まったくお前って奴は。ところで、どうしたその包み?」


猛者「ああこれか。これはベアトリクスから教わった、彼女お気に入りのミツゴシ商会の売り物だ。店舗拡張前の宣伝とかで出張販売していてな、買って来て貰った」


師匠「貰った?だがいないぞ?」


猛者「今この場には居ないが付近で別行動している」


師匠「そうか。って言うか思い出したぞ、商会に目ぇ付けられているんだったなお前…して何か美味そうな匂いじゃないか?」


猛者「師匠も驚くと思う。とっても珍しいパンなんだ、具材を挟んでいるだけなのに既存のブレッドサンドとは一味違う」


師匠「そいつは楽しみだ!」

(日本ではコンビニのサンドイッチやファストフードとはまた違うんだろうか?ワクワクするなぁ)


猛者「っと…はい」

(包みの中から紙袋をどん)


師匠「……………」


猛者「妙に凝っているよな、ただのガゼット………どうした師匠」


師匠(なんだ、なんだこれは、途轍もなく嫌な予感がするな…。この袋を見た瞬間、凄まじい既視感が頭の中を駆け巡っているぞ…!)

(そう言えばこの匂いも嗅ぎ覚えが…こちらの世界で長い年月暮して来たからすぐに結びつかなかったが、異様なまでに記憶を刺激される…!!)

「い、いやなんでも無いぞ。早く見せてくれ、腹が減っているんだ」


猛者「…?そうか、じゃあ…」


師匠(頼む、杞憂であってくれ、頼む、俺の勘違いという事にしてくれ、頼む、頼むぞ、勘が鈍っただけなんだ…きっとそうに違いない…!)


猛者「で、本命がこれだ」

(紙に包まれたブレッドサンド?がどん)


師匠「ぶっふうううぅぅぅ!!」


猛者「師匠!?」


師匠(いやどこからどう見ても某ファストフードチェーン店の奴ぅ!?微妙に変えてあるだけで他は何から何までクリソツぅっ!!)

(絶対ミツゴシ商会に転生者いるだろ、何やってくれんのそいつぅ!?)


猛者「だ、大丈夫か師匠…?」


師匠「あ、ああ、声を出そうとしたら変にむせてしまっただけでな、気にする必要はないぞ。ははは」


猛者「そ、そうか…凄いよなコレ、歩きながら食べられるし手を汚さない。袋へ入れてもぐちゃぐちゃにならない。開発者はきっと気配りが出来る人なんだろう」


師匠「そうだな」

(絶対気配りとか考えてねえよ、寧ろ盗人猛々しいだよ、ある意味尊敬する!)


猛者「ああそうだ師匠。師匠って、甘いお菓子好きだったよな」


師匠「おっ、よく憶えていたな…って事は何か見つけてくれたのか!?」


猛者「勿論だ。それにこれも驚くぞ、何せ見た目は茶色い板なのにトロリととろける、そして苦みと甘みが絶妙な…」


師匠「うおおっほおおおおん!!」

(はい来た、また来た、第二段!どう考えてもチョコレート!転生知識乱用の職業無法地帯じゃねえかこれぇ!?)


猛者「いや師匠どうしたんだよ!?まさか駄目だったのか?」


師匠「駄目じゃない、寧ろ欲しい、欲しいが…いや欲しいで良い。ぜひ買って来てくれ」


猛者「分、かった…ちなみにどっちが良い?師匠って酒も好きだったから、ただの奴じゃなくて……何て名前だったか…そうだウィスキーボワン…」


師匠「アウトオオオオオオオオオ!!!」


猛者「うおおおぉ!? どうしたんだよ師匠ぉ!? 何があった師匠ぉぉ!?」

「もう近くに彼女いるから落ち着いて、変に目立つから落ち着けって!!」


ベアトリクス(ふふふ、存外素は賑やかで似た者同士な子弟なのだな)

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