お題:濡れ場がみたい(未達成)
CP:ルフィxサンジの想定
注意:濡れ場開始前で終わる
「──その、一緒に『寝る』ってのは、『そういう』意味で?」
ふらつく頭を押さえてサンジは聞き返した。脳裏に浮かんだ薄桃色の妄想図もなんだか曖昧だ。レディ達から勧められるまま呑んだ酒は許容量をとうに越えていた。店の奥で焚かれている香のにおいが強くなった気がして、軽く頭を振る。
「ええ、勿論。この島ではね……」
麗しき酒場のレディ達は、ゆったりと柔らかな声で答えてくれた。
曰く、この島では、『長』と呼ばれる者は毎夜必ず誰かと共寝する決まりがある。どこまでの行為に及ぶかは人それぞれだが、2人以上、服を身に着けず、同じ床に入ることだけは決まっている。それを守らなかった長の一味には必ず悪いことがある、らしい。
「長って、たとえば、船長も?」
聞き返しながらサンジは、どうも部屋が傾いているような感覚が拭えなかった。たとえばマドラーでかき混ぜられるカクテルのように、傾いた部屋につられて、脳の中身がどぷどぷかき混ぜられる光景を錯覚する。
それはただの錯覚だ、とサンジは自分に言い聞かせた。同じペースでグラスを空けたはずのレディ達は事もなげに笑っている。
「船の長なら必ずそうしなきゃ」
「大事な決まりだもの」
「でも安心して、誰も来ない長のところにはあたし達から行くのよ」
「そうすることになってるの」
くすくすと笑う彼女達の声は、乾いた砂地へ水が染みわたるように、サンジの耳へ染み込んでいった。
そういうものか、と焦点の合わない頭でぼんやり考える。ルフィのところに、彼女達の誰かが行って、それで、それで──?
止めなくては、とぼやけきった理性がかすかに騒いだ。理由はもう分からなかった。
「だめだ……大丈夫、おれがいくから……」
◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇
「ルフィ」
「……んぁ? どうした、サンジ?」