「アクアくん……判らないよ…」
闇のアクあか自重版もう孫の顔も見せられない親不孝者なのに、お父さんもお母さんも安泰ということを理由に、かなちゃんの存在やルビーちゃんの言葉を言い訳にして、踏み止まっている現実が苦しい。
アクアくんは私と別れたかったんだと思いこんでいた日。
頼られて嬉しかったはずなのに、自戒の言葉を叱責のように嘯いた日。
そして、歩道橋でぶつかられ、私とアクアくんのどちらかが五体不満足になってもおかしくなかった日。
……若気の至りを思い出して、罰が当たったんだと。自分が受けるべき罰に巻き込んでしまったと思わざるを得なかった。
アクアくんに助けられた命を捨てたくないだけじゃないか。どうせ親不孝者ならもしも戻ってこれたら考えれば良いじゃないかという気持ちが心身を蝕んでいった。
******************************……抑も悪夢だったこと、父さんも母さんも熟睡し、原因となった私の無理心中と扱われた夢だったことに安堵する。
悲恋と無理心中がテーマの作品を演じたことはなかったのに、妙に生々しくて。せめて現実にならないよう、抗いたくなった。
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アクアくんとせっかく復縁できたのに、失敗だった。
個人としての復讐なら終わらせても良いと考えた理由を考えよう。
ルビーちゃんが遺品のキーホルダーに反応していたことが、何かと結びつけられるだろうか。
アイを殺し妹に絶望を与えた犯人心身壊れシリアルキラーに堕ちた実父でも赦さぬ復讐だったのだろうか。