お勘定は?

お勘定は?

とあるSS書き


「うひょ〜!見ろよウタ!おでん屋だぜ‼︎」

「ルフィ…あんた状況わかっ…っておでん屋⁈」


海軍の新兵モンキー・D・ルフィとその同僚ウタは漂流していた最中おでん屋を見つけたのであった。因みに漂流の原因は軍艦に積まれた一月分の食料を二人が勝負で食い尽くし、飢餓状態にあった所をエルドラゴの襲撃で船から吹き飛ばされたのであった。


二人とも能力者でしかも飢餓状態の中…いつ死んでもおかしくない状況でおでん屋に巡り合えたのは何かの幸運に違いない。二人ともその嬉しさを噛み締めながらおでん屋の中に飛び込んだ。


「おう、いらっしゃい。何を…うわァ!テメェらいきなり食うんじゃねェ!」

店主の岩蔵が止めるのも聞かずルフィとウタは勝手に皿を取り勝手におでんを取って勝手におでんを貪り食う。


がんもどき、はんぺん、餅巾着、蒟蒻、しらたき…ありとあらゆるおでん料理が猛スピードで消費され岩蔵とトビオの補充も間に合わない。

「ルフィ!おでん早食い対決しよう!早く食べ切った方が勝ちね!」

「おう!お前には負けねェぞ、ウタ!」


「………………」

「………………」

本来なら年上のウタがルフィの手綱を握るべき状況なのだが、余りもの空腹にルフィ共々我を忘れておでんに魅入っていた。二人が皿に盛り付けたおでんを凄まじいスピードで消費していくが…


「ルフィ!はいお水。」

「お!ありがとなウタ!って…おい‼︎」

「先に食べ切ったよ!私の勝ち!」

一瞬の隙をついて自分のお冷やをルフィに飲ませてその間にウタは自分のおでんを完食仕切ったのであった。ウタの勝利である。

「あっ……ずりぃぞ、ウタ!」

「出た負け惜しみィ!私が先に食べ切ったからね、私の勝ちだよルフィ!」


ギャーギャーと仲良く喚く二人であったが、突如として後ろからかけられた言葉に思わず二人は固まった。

「テメェら……この岩蔵が魂込めて作ったおでんをあんだけ食べたんだ…当然払う金はあるんだよな……?」


岩蔵の鋭い眼光に唇を引き締めて目をみひらき、顔面蒼白の二人は思わず作り笑いをしながら振り返った。

「い、いくらですか……?」

「ガンモドキ121コンニャク111ハンペン127シラタキ131チクワ117………」

そして、超高速で行われる算盤で導き出された結果に二人は更に顔を真っ白にするのであった。

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