お仕置きにかこつけて

お仕置きにかこつけて


───特異点ハワイ・ホノルル空港。


「…さて、シラフでそれを着る気分はどうかなBB? まあ、カーマやカレンの細工で発情・弱体化のデバフがかかってるから、完全なシラフじゃないんだろうけどね」

「くっ…」


カルデアのマスター・藤丸立香が、そうBBに問いかける。屈辱に震えるBBの身を包むのは、いつもの黒衣ではなく水着の霊基第二(たまご肌)だ。しかし奇妙なことに、彼女は水着の方ではなくノーマルの方なのである。何故こんなことになっているのか。


───


…事の発端は、ハワトリアにおいてBBが起こした不祥事だ。いらぬ善意でオーストラリアをルルハワに接合し、それによって生じた問題を軽く見てスルー。結果としてかなりの大問題を引き起こした。上級AIを名乗りながらこの体たらくだったので、『流石に目に余る』という声がカルデア内でバンバン持ち上がった。


・(当人の言葉足らずなども影響しているとはいえ)ハネムーンらしいハネムーンを過ごせなかったモルガン

・(会うタイミングを自分で逃した面もあるとはいえ)まともに会話する時間すら取れなかったA・A

・編集地獄と黒歴史のデスコンボで、周囲からの好感度上昇と引き換えに過去最低の夏を過ごしたクロエ


この辺りは特に辛辣で、霊基封印措置の検討を打診してくる程だった。

しかし、BBは(あれでも一応、という但し書きはつくが)ちゃんとしたアシストもしている身。このまま封印やら強制退去やらをされてもまずい(そこが尚の事面倒くさいのだが)。


───戦力としてのBBを喪うのは惜しい。だから、お仕置きの名目で手篭めにして管理してしまおう。そうすれば3度目はないはずだ。


そんな立香の提案は、“渋々”ながらも受け入れられた。…普段であれば寝取り寝取られの観点から賛同する女性陣が、色気抜きに安全面を考慮して賛同した辺りで事態の異常性は察してもらえることだろう。BBのやらかしは、バーヴァン・シーがシミュレーターを使ってあれこれしたのとは次元が違うのだ。

…まあ、女性陣とは違い立香には少しの下心もあったのだが。

───メタな話をすると、(今でこそあんなザマだが)BBはFate/EXTRA CCCにおけるヒロインの一人である。なので、この世界線の立香のお眼鏡には割とかなう存在だったりする。

ハワトリアで大変な思いをさせられた恨みつらみもあるとはいえ、これまで執拗に一線を引いていた相手を堕とす大義名分ができたことに、内心立香は喜んですらいた。


───


「モルガン達が提供してくれたリソースで、特異点にハワイを再現してみたんだけど。…どうかな? 衆人環視の中その姿を晒すのは?」

「どうも何も…! 屈辱に決まってるじゃないですか!」


…下品に片足を突っ込むレベルで扇情的な水着を着るという行為は、ペレ属性やどこぞの邪神属性のないノーマルなBBには酷というものだろう。

だが、酷なことをしなければ度重なる不祥事に対するお仕置きにはならない。


「…そうだ。お仕置きが進んだら、水着のBBみたく肌を焼いてもらおうかな」

「んなっ…!? そ、そこまでするくらいなら、最初から水着のわたしを堕とせば良いじゃないですか! なんでわたしを必要以上に辱めるんですか!?」

「なんでも何も……オレには無駄に深淵覗いて発狂する趣味なんてないからだよ。向こうはガン無視、BBは『先輩』への想いを捻じ曲げる。トリックスターを気取る迷惑サーヴァントへのお仕置きとしては中々でしょ?」

「っ……最低ですねマスターさん。寝取り趣味は出会ったばかりの頃からあったとはいえ、昔はそこまで最低じゃなかったのに…」

「あのね……BBはその最低男に何されても文句言えないくらい、色々やらかしてるんだよ?」

「きゃっ…!?」


呆れ顔の立香が、右手でBBの巨乳を鷲掴みにする。

ずっしりとした重みを持つ果実が、雄の欲望のままに揉みしだかれる。水着の上から爪先でコリコリと先端を擦ってやれば、ぷっくりと浮き上がった乳首をいとも簡単に探り当てることが出来た。


「っ…♥ くぅっ…♥」

「これまで散々やらかした罰だ。きみには、『先輩』を忘れてもらう」


それはBBにとって、無慈悲な処刑宣告にも等しかった。


───


事前に仕込みを済ませたラブホテルに、BBを連れ込む。

その仕込みとは、カメラ類の設置。BBが堕ちていく様を、カルデア側に残った女性陣にリアルタイム中継するためだ。

…立香的には、この仕込みを提案したクロの笑みがそこはかとなく怖く思えた。…まあ、編集地獄でろくな思い出も作れなかったどころか、黒歴史すら作らされたのだ。これくらいする権利はある。


「…それにしても、思ったより情けないな。前戯だけでこれか。初めての時のクロより弱いじゃないか」

「はーっ♥ はーっ♥ はーっ…♥」


ちらりとベッドの方を見ると、そこには息も絶え絶えのBBが仰向けで転がされていた。…立香は(所詮生娘か)という感想を禁じ得ない。今のBBは『柄にもなく勇気を出して水着を着たら、チャラ男に騙されて堕とされた学級委員長』そのものだ。クロもカルデアで笑っていることだろう。


「じゃあ本番イくよ? そっちははじめてだろうし、一応優しくするから」

「っ…! そんなにヤりたいならどうぞご自由に! たとえ何度イかされようが、わたしが最低マスターのものになることなんかあり得ませんから…!」

「…プッ…! きみ、こんなシチュエーションでイく気満々だったんだ? とんでもない変態だなあ」

「なっ…!」


BBの揚げ足を取りながら、淫裂に亀頭をあてがう。


「まあ女の子の初めては痛いものだけど…」

「ぁ、あ…! やめ…」

「気にせず楽しんでくれ」

「ぁあ゛ああああッッ!!!」


臆病風に吹かれたBBを無視して突き込んだ。下半身に目を向けると、前戯で分泌された愛液に混じって破瓜の血がチンポに絡みつくのが見えた。


「どうかな? 自分が散々弄んできた、『先輩』ですらない男に処女を手酷く散らされた気分は?」

「ふ、ぐ…! ひぐぅうう…♥」


絶望の涙で頬を濡らすBBの姿に、加虐心がそそられる。なる程、メルトの味わっている気分とはこういうものなのか。加虐体質がスキル化するはずだ。


「少しは反省した? 『わたしは学習能力ゼロのポンコツ下級AIです』とでも言って謝ったら許してあげるけど」

「だ、誰がっ♥ そんなこ、とぉ…♥」

「そんな顔して言っても説得力ないよ? ほら極上粗マンもっと締めて!」

「んあぁぁあっ♥♥♥」


『桜系』の女達を抱いて得た経験値をフル活用し、BBを容赦なく追い詰める。

…ナカの具合はメルトやリップより、パールヴァティーやカーマに近い。それでいて、締め付け方はドゥルガーを思わせる。元がシステマチックだからだろうか?

…しかし場合によっては、カーリーのような乱れ方もするのだろう。何せ、自身の巨大感情をサクラファイブとして切り離した程なのだから。


「んオ゛ぉぉおおお゛ッ♥♥♥ ごめんなしゃい♥ ごめんなしゃいぃぃい♥♥♥」

「あーあ、ちゃんと言えてないじゃん。まあ良いけど」


相手が相手なだけに、BBの陥落は早かった。元々、メルトやカーマなどの『桜系』と好相性な立香が相手なのだ。こうなるのは必定だった。


「やぁっ♥ たすけて、たすけてぇぇ♥♥♥ おかしくなるッ♥ おかひくなりゅううううっ♥♥♥」

「助けないよ。これはお仕置きなんだから。───じゃ、さようならBB。肉体も記憶も人格も、全てオレで上書きしてあげる」


───ドビュッ! ビュクンッ!! ドプッ! ビュルッ!! ビュククッ!!


「いやぁぁああぁぁッ♥♥♥♥♥♥♥」


───


───


───


───翌日。ほぼ一日中犯され続けたBBは前日までとは様変わりしていた。

褐色肌と脱色した長髪。それは水着の霊基第二そのものの姿だった。


「ふふ、もうすっかりオレの女だね」

「はい、“先輩”…♥」


真夏の太陽が照らすホノルル空港で、BBが幸せそうに立香と会話する。

───『先輩』。その単語は、『オリジナルBB』にとって何より大切な存在を表すもの。しかし、カルデアと関わり合いになったBBは『自分達は出会わなかった』としており、そのせいで『先輩』との繋がりが薄くなっている。

だから、その隙を突かれるのはある意味当然と言えた。藤丸立香が寝取り趣味に走ったカルデアに召喚された時点で、彼女の運命は決まっていたのだ。


───ま、貴女もそのうち同じオチになると思いますけど?

───せいぜい悩んだり足掻いたりするといいです。貴女が新しい愛を獲得しちゃった、その時にね。


…深海電脳楽土でBBと戦った、あのBB/GOは分かっていたのだ。直接サルベージされた自分ならともかく、通常のサーヴァントよろしく別個体として召喚されたBBが、初恋に殉じ続けるとは限らないことを。

まあ、寝取られて堕ちるというのまでは想定してなかっただろうが…。


「じゃあ、“桜”。オレが教えた通りに言ってみて?」

「は、はい…♥ わたし、『間桐桜』は……身も心も先輩のものです…♥ もう勝手なことしませんから、どうかわたしをそばにおいてください…♥♥♥」


かつてムーンセルの上級AI『S-6-02』として在った頃に名乗っていた名前……『先輩』に呼んでもらいたかった名前を立香に告げたBBは、もう前のBBではなかった。


「良く言えました。これでカルデアのみんなから邪険に扱われることもなくなるよ」

「先輩…♥ んっ…♥」


身体を密着させ、エロティックな誓いのキスをぶっちゅん♥ とかわすBB。

───性の快楽、愛の営み、つまりはセックス。それさえあれば、もう他には何もいらない。本気でそう考える彼女の心には、もう藤丸立香しか残っていなかった。

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