おれは“白”が嫌いだった

おれは“白”が嫌いだった

SS大好きおじさん

 おれの人生には白色が関わらなかったことはない、生まれた時から今に至るまでずっと白色が関わってる,そんな人間は珍しいだろうな、まぁ最近入ってきた“最強生物”とその“右腕”は自分の他人の問わず赤色に関わってんだろうが…衛生的に大丈夫か?まぁ体の根本から違うような物だから気にするだけ無駄だな。

 おれが生まれた時の事はもう覚えちゃいないが、物心ついた時から周り一面が真っ白だったのはよく覚えている、なにせ“白い町”なんて言われるくらいだ、上下左右と前後、そのどこをみても真っ白だった、まるで夢のような世界だが雪景色な訳じゃない、それは伯鉛と言われる鉛が作り出された加工品によって成される景色だ。…当時のおれはその景色が大好きで誇らしかった、一番の自慢と言っても過言じゃない、妹も大好きな景色でずっとこの景色を見ていられると思ってたんだ、あの時までは…

 ある日事件が起こった、街の人々が突然苦しみ出した、胸が痛んだり、高熱をだしたりと病状は様々だ、だがみんなに共通してる部分が一つだけあった、その病人はもれなく“白い痣”があった事、死人が何人か出てしまったので、父様がそれを解剖し原因を解明してくれた。やはり父様は町一番の名医だ、病気なんてイチコロだ。検査結果は鉛中毒による物だったらしい、この国で発掘されている伯鉛が体の中に溜まりそれが分解されずに溜まり続けてこうなったらしい、何故子供にまで伝わるのか、これは“ドクトリーヌ”の所で教わった今だから分かるのだが恐らくは“臍の緒”を通じて遺伝したのではないかと睨んでいる。

 まぁ結果から言うとただの中毒性の物だった、だが世界はそれを認めずそれがどんどん広がっていくので“感染症”として処理した、政府のクソったれ共は伯鉛に中毒性があることを知りながらも巨万の富に目が眩み発掘させ続けた、そしていざ実害が出るや否や国境を全て封鎖し、“白い町”の住民を全て“ホワイトモンスター”と言う烙印を押し世間に報じた、その報を受けたフレバンス軍は、皮肉にも大量にあった“鉛玉”と武器を準備し、正面からぶつかり合った、だがそれが最後の引き金だ、反撃という大義名分を与えてしまったなら後はもう制圧戦になってしまう…“臭い物に蓋をする”とはよく言った物だ。結果四方八方から来る敵軍に対処しきれるわけもなくフレバンスは滅んでしまった。おれ一人を残して…クソったれめ…父様も母様も、妹も教会のみんなもシスターも、みんな惨たらしく死んだ、この忌々しい“白い痣”の所為で、おれが、おれだけが生き残ってしまった、おれはいつしか“白い色”が嫌いになった。

 おれは死体に隠れ何とか国境を超えた、正直あの時の感覚は生涯忘れる事はないだろう、伯鉛か死後によるものかあるいはそのどちらもかによって白くなった肉体が水分を失ったのかポロボロと欠けていく、まるで乾燥したパンの様で、おれはそれまで平気だったパンが嫌いになった、今でも乾燥したパンを見るとあの時を思い出し嗚咽感が来る、うちの料理人はそれを説明したら次からもっちりとしたパンを出してくれてなんとも言えない気持ちになった、パンは美味しかった。

 戦時中だったのもあり身体中に爆弾を巻きつけたおれはとにかく世界を滅茶苦茶に破壊してやりたかった、碌な治療知識も持たずにてめェの都合だけで国一つ消した政府等信頼できない、そもそもあの国から利益を搾り取り甘い蜜を啜流だけ啜って、いざ火の粉が降り掛かれば金品だけ持ち逃げして国民全てを誹謗中傷したのは許し難い、いつか必ず潰す、そんなことばかり考えながらおれはある海賊団に取り入った、その名を【ドンキホーテファミリー】、船長をドンキホーテ・ドフラミンゴを筆頭に選りすぐりの船員が集まった強大な海賊団だ、当時のおれにはそんなこと知る由もないがな、そこでは色々あったが一番大きいのはおれの大恩人“コラさん”と出会ったことだろう。

 コラさん、本名【ドンキホーテ・ロシナンテ】は船長ドフラミンゴの実の弟であり尚且つ最高幹部を務める人間だ、出会いこそ最悪だったが、それでもおれにとってあの人が大恩人であることに変わりない。

 紆余曲折あり海賊団から生きるための術を学びつつ月が流れた、ドフラミンゴ曰くおれの体を治せる悪魔の実が流れるかおれが死ぬかの賭けで想定よりおれの命が短いことを悟った、そしてファミリーのメンバーにおれの“本名”を告げた、そしたら(結果的に)コラさんがおれを連れ出し海へと出た、意味も分からず嘆いていたが本人曰く治療をしにいくらしい、当時のおれは病院が大嫌いだった、体に白い痣があるとわかるや否や嫌悪感を隠さず手袋マスクで完全防備するならまだマシな方、中には嗚咽する奴まで居たし、即座に政府に通報してくる奴もいてまともに取り繕ってくれる奴なんて一人もいない、政府はどうやらかなり根強く感染症であると広めていたらしい、クソが。

 おれが白色に対しての嫌悪感が底辺を下回った頃おれはコラさんの優しさに触れた、おれはコラさんを背後から刺したのに、おれの方が痛かっただろうと、通院中もそうだ、おれの代わりに医者達に檄を飛ばしていた、おれの扱いに対して不満を持って怒ってくれたのはコラさんが初めてだった、おれは初めて“白色”に感謝した…でもそれは長く続かなかった。

 おれ達は“オペオペの実”と言う悪魔の実の取引がある事を知りそれを強奪する計画を立てる、どうやらそれは腕のある医者が食えば世界中から求められる名医になれるらしい、実際食って分かったがこの実はできることが多すぎる、オペの範疇を超えてんじゃねぇのかって技がごろごろあるもんだから、世界中の大物が狙う訳だと思った、後から知ったんだが、この取引は50億で取引される予定だったそうだ、ウチの“船長”と“最強生物”の懸賞金を超えていて大いに笑った。話を戻して、コラさんがどじりながらもなんとか奪取したらしくおれの口にソレを押し込んできた、ウチは能力者が多いから共感者が多いんだが、あれほんっとうにクッソまずいのな‼︎そう嘆いたら剣士と料理人除く全員がうんうんと頷いてくれた、なまじあれを食ったからかゲテモノに対して何も思わなくなった自分が憎い。

 そんな事で能力者になったおれは早速怪我をしてるコラさんを治そうとしたのだが使い方が分からずスカしまくっていた、そんな時にコラさんから海兵に“文書”を渡すよう頼まれた、開閉なら傷の治療も容易いと思いその指示に従ったのだが文書を渡した相手が不味かった、おれが文書を渡した相手はあろうことかドンキホーテファミリーの最高幹部の“元”コラソンであり海兵に入隊しスパイ活動を行なっていた“ヴェルゴ”だった、そして経由でコラさんの裏切りも露呈してドフラミンゴによる“処刑”が執行されてしまった、その日は“大雪”だった、おれはまた一面の銀世界を背景に、大切な人を失った、おれは“白い色”にとことん嫌われているらしい。

 コラさんを失い翌日、突然身体に異変が起こった、“自分はこう言うことが出来る”と言うのが無意識にわかるようになったのだ、つまり能力が完全に馴染んだらしい、早速オペに取り掛かり体内の伯鉛を取り出して、一休みをしていたところ…極寒の夜中、しかも猛吹雪だと言うのに薄着の女が雪の中を必死に何かを掘り起こしていた、よほどの自殺志願者なのか知らないが流石に見過ごせないので止めに入ったが《妹を探している》らしい、だが体全体が凍傷にかかっており、しかも両手両足が極度の低温により機能不全に陥っていたので何とか説得し近くの小屋で治療を施した、助けた女、名を“モネ”と言うらしい、モネの両手両足の再生は難しい、ので“他の生き物の腕と足をつける”ことにした、何故か出来る気がした、妙な確信があったのだ。何かリクエストがあるかと聞けば鳥の脚と翼が欲しいとのことだ…ハーピー志望でもあったのだろうか?兎にも角にも希望通りに取り付けてやったが、無意識なのか取り付けた羽根が“白い色”だった、ナニカを思い出しそうになりこれ以上は関われないと思ったが自分の体が動かない、どうやら体力が切れたらしく、当時の自分の貧弱ぶりがよくわかる、それを見かねたモネがおれの世話につき始めた、当面は身体を鍛えると共にモネの妹、つまりは“シュガー”を探し回ったが収穫はゼロ、絶望に包まれていたモネに対し気休めにもならないだろうがこの島には海兵がいたから保護されているはずだと元気付けることしかおれにはできなかった,正直海兵なんざに頼るなんて癪だったんだが今はそれにしない縋れない、それを聞いたモネは暗い表情ながらも納得したらしい、だがその様は一筋の光に何とか縋りつこうとする亡者の様で正直放っておけなかった,一人にしたら罪悪感で死んでしまいそうだ、今すぐに会いたいだろうモネに俺は共に外海へ探しに行こうと誘う、まずは自分の治療技術を上げるために医療大国に向かいたい、ちょうど定期船があったのでそれに乗ることに、目的地はドラム王国だ、初めて自ら目的を立てた航海だった。

 俺は海を舐めていた、小舟一隻ですら動かすのが大変だと言うのに大船となればその忙しさは果てしない、しかも北の海は天候の変化が激しい為に、遊覧とも行かない、水夫として働くことを条件に船に乗ったがかなりの負担だ,特にモネが心配だ、嵐の最中、雨と暴風に晒されたその身体は冷え切っているようで見たらガチガチと震えている、それを見た船員が泉質で休んでいいと言うのだがモネ本人が少しでも役に立ちたいと言うが実際は妹の件もあり動いて気を紛らわしたいのだろう、震える身体に鞭を打ち働くその姿があまりにも痛々しかったのを今も覚えている、そんな時特に強い大波がぶつかり衝撃が走り船が転覆しそうになり船員達が海へと放り出される。俺たちもかなりやばかった、というよりその際に船底を岩にぶつけたのか穴が開き船は沈んでいく所だ、俺とモネは急いで救命用ボートに乗り込もうとするが、北の海は水温が極めて低く荒れ放題の為に救命ボートに工夫が施されているのを思い出した、それが天板付き完全密閉型一人用ボート、つまるところは棺桶だ──。モネが元の体なら多少ねじ込めば二人入るだろうが今のモネはハーピーなので無理がある、よって二つのボートに一人ずつ乗り込むと言う案をだす,しかし蓋をした瞬間にまたも大きな波が襲う、これにより俺たちは離れ離れになってしまった…当時のおれは相当焦っていたが今思えばモネをバラしていれば二人揃って脱出できたなと、今更ながら思う。そうしておれはまた親しい人と離れ離れになった、あの目に優しい“白色”は嫌いじゃなかったんだが…

 漂流してから数日、どこかの島に流れ着いたのか天板を開けて外気を入れると震えそうになった、どうやら俺は目的地の“ドラム王国”に辿り着いたらしい、今にして思えばとんでもない確率だな、ルフィの樽漂流と変わりない大博打だ、よく勝てた物だなと我ながら自覚する、自覚があるんだからそこの“最強生物”と“マリモ剣士”ゲラゲラウォロロロと笑ってんじゃねぇ、医者権限で禁酒にすんぞ、てめぇらの肝臓なんざ逐一確認してんだからな、何なら今取り出して診てやろうか…‼︎あっクソ!覇気で防ぎやがる‼︎医者の診断を何だと…‼︎全く…アル中二人は放って話を戻すぞ…

 ドラム王国にたどり着いた俺に真っ先に入った景色はまたしても“白色”だった、いい加減辟易としてきた所だが折角の“医療大国”医療技術を学ばなければ損と思い医者に弟子入りを願ったのだが…あんのカバ王め…医者を独占してやがった‼︎医療というのは全国民が平等に適切に受ける権利があるというのにそれを国王の独断で治療を受けさせるだと⁉︎病気で苦しんだこともないカスが一丁前に医学を口にすんじゃ…悪い熱くなった、話を戻すがとにかく俺はその島に流れ着き医者を探した、するとそこに一人の老婆、つまりはDr.くれはがいたわけで、俺はその人に弟子入りを祈願したんだが条件に伯鉛病患者のサンプルとしての血液提供、後雑用を諸々させられた、慣れた物ではあったがやっぱりババアに顎で使われんのはやっぱりムカつく。どうやって伯鉛病を治したかと聞かれたからオペオペの能力で無理やり治したと答えたら頭に拳骨が落ちた、それは正規の治療法ではないとか“間違った治療知識を持ったヤブ医者”ほど碌な物はないとも、俺はその間違った医療知識を矯正するために正しい知識を得た、俺はドフラミンゴの所でかなり知識を得たと思っていたが本場本職の知識は比べるまでもない、あまり口に出す事はないがドクトリーヌは手放しで尊敬できる医者の一人だ、最も一番尊敬する医者は父様なのは揺るぎないがな!

 暫く過ごすと変なおっさんが顔を出すようになった、こいつは【Dr.ヒルルク】と言うらしい、本人曰く医者だそうだがドクトリーヌに言わせれば例のヤブ医者なんだそうだ、それを聞いて俺はすぐに興味を無くしたが次に会った時のそいつは血反吐を吐いていた、どうやら不治の病らしく、誰にも治せないらしい、ただヒルルクが言うには遠い西の国で桜を見た事で不治の病が治ったと診断されたそうだ、病は気からとは言うがそんな物で治るはずが無いだろうと当時の俺はたかを括っていた。次に会った時は完成させた研究品を増産してくれと頼み込んできた、桃色の塵だったがこれが空気中の雪と混ざり雪国に桜を降らせるんだとか、そして男の養子で俺の弟弟子になる“チョッパー”の引き取り、これを頼み込んできてドクトリーヌに追い出されていた、何か焦っていたように見えてドクトリーヌが何かを察したのかチョッパーのところに訪問した、どうやらアミウダケという猛毒のキノコを口にして残り数十分の命らしい、余命幾許ない男が最後に向かったのはあのでかい城、そこにすむカバ王専属の医者を治しに行ったそうだ、腕はともかく医療に対する熱意は本物だった、後の顛末は…チョッパーから聞いた、どうやら俺は“また”救えるはずの命を救い損ったらしい…冷たい白い雪が身体を襲う、その日この国から偉大な男が一人散った。

 ヒルルクが死んで数年経つある日、ドラム王国“黒ひげ海賊団”という海賊に襲われた、国軍は抵抗もせず即座に国を捨てとんずらし残された国民達の失意は目に見えていた。おれ達としては丁度いい住処が出来たのでその城を頂戴する事にした、元の主が放棄したんだから俺たちが移り住んでも文句はないだろう、更に時は進みこの城に“麦わら帽子を被った男”が現れた、おれは驚愕に塗れたその男が担いでいたのは昔離れ離れになって死んだと思っていたはずの“モネ”が高熱を出して倒れていたのだ、すぐさま治療に移り山場を越えさせると麦わらと金髪のグル眉が目を覚ました、金髪の方は骨が何本かイってたから固定させたんだが…まぁすぐさまドクターストップがかかるだろうと放置しておいた。

 少ししてチョッパーが焦った様子で戻ってきたので何事かと尋ねるとどうやらカバ王ことワポルが戻ってきたようだ、今更復権できるはずもないのにな、取り敢えず治療の邪魔になるから潰してやったがルフィも能力者だったようで体が伸びるらしい、モネの治療も終わった頃ルフィ達が雪で遊んでいるのを見かけた、するとモネがそれを見て雪を操作し雪像を作った、どうやらモネも能力者になったらしい、しかも自然系の、それを見たあいつらは子供のようにはしゃいで笑っていた。…こう言う“白色”は悪くない。

 他の仲間であるゾロとビビ、当時はまだ仲間ではなかったドレークと合流して、そろそろここを起つらしい、クレハから良いタイミングだからここを出ろと言われて反対したがチョッパーが外のお土産を期待してるとキラキラ目で言うものなので仕方なく、船に同行する事にした、その際にチョッパーがソリで下まで送ってくれたうえにクレハがヒルルクの研究成果を披露した、ドラムロックの岩山に桃色の雪が重なりさながら桜の木のように見えた、それはあまりにも神秘的な光景だ、冬島でしかも雪桜だ満月も添えて丁度いい、船出の時は良いものになった。俺は少しだけ“白色”が好きになった。

 アラバスタでの激闘を終え、ビビとの別れ、そして新たな仲間であるチャカを迎えた俺たちは次の島へ向かうがそれも困難だった、指針が真上に取られたようで空島へといくことになったらしい、紆余曲折あり空島へ到着した俺たちにまず目に入ったのは一面の白い世界、また“白い色”か、つくづく白に縁がある、ルフィ達は興奮を隠さずモネも目を輝かせている、そこから不法入国だの神の裁きだの色々あったがここはどうやらジャヤと呼ばれる青海にあった島らしく何と嘘つきノーランドのモデルになった島なのだそうだ、俺たちはいてもたってもいられずに“黄金鄕”を探すことに、今思えばドフラミンゴのところからこっちに至るまでこう言う冒険はしたことがなかったからとても楽しかったのを覚えている、神を名乗るナニカと一悶着あったがルフィが吹っ飛ばしたので問題ない、黄金も大量に手に入ったしこの島にもう用はないだろう、なのですぐにとんずらだ、俺にはもう“白い色”に対する嫌悪感は薄れていた。

 青海にもどり航海を続けて島に辿り着いたら割れ頭と“ゲーム”をしたがその次には“海軍大将青キジ”が襲来、結果モネが凍らされてしまい、俺はトラウマが刺激されてしまった、冷静さを欠いてしまったがチャカの指示ですぐに解凍し命に別状はなかった、その後すぐに氷漬けのルフィが運ばれてきてまた焦ったのだが。

 二人が復活しそろそろ船を買い替えた方がいいのではないかと言う意見に賛同し俺たちは指針に従って“水の都”へと向かう、そこでも色々あった、ドレークの裏切り、CP9との戦闘、“英雄”の襲来、頭を抱えることがいっぱいだ、その後俺たちの新しい船であるサウザンド・サニー号を手に入れた、そしてフランキーを仲間に誘ったのだが、どうやらこの島でまだやることがあるらしく、また来ることがあってその時まだ仲間にしたかったら誘ってくれとのこと、漢の決意に文句はないルフィはそれを受け入れ俺たちは魚人島へと向かう…俺は白色に対してもう恐怖感はない、あとは因縁に対してケリをつけるだけだと、この時は本当にそう思ってたんだ。

 スリラーバークでのモリア戦、そしてシャボンディにおけるパシフィスタと“海軍大将黄猿”との連戦、そして追い打ちをかけるように“暴君くま”の仲間の散り散り、俺はゾロが飛ばされた時,視界が真っ白になった、目の前で仲間を飛ばされた,たすけれなかった、いまでもあのときをおもいだすとはきけがする、コラさんのときやヒルルクのときとはちがう、おれはたすけれたはずなんだ、なんで、おれは、いつも、かんじんなときに、だれもすくえな──。

 悪い、取り乱した、もう大丈夫だ、それで…俺がどこに飛ばされたかだったな、俺は“偉大なる航路”から“東の海”のテキーラウルフと呼ばれるところに飛ばされたようで、そこでも“白い雪”が目に映り心底嫌になった、そこで助けたガキが革命軍であり,ルフィからの暗号の件もあったのでバルティゴで世話になった。…あ?それだけか、だと?他に語る必要があるか?あー…今だから言えるがサボは本当にお前の兄なんだと2年暮らして嫌になる程思い知らされた、褒めてねえよ。

 2年ぶりに会ったこいつらは何も変わっちゃいなかった、モネが“天女様”と言われていたのを聞いて疑問に思ったが、まぁ何かやらかしたんだろうと思い、俺も天女様と揶揄ってやった、雪をぶちまけられた、スマンて。ドレークは相変わらず女を見るとあがってしまうし、モネも褒めるとすぐ照れてしまう、こいつら本当に成長したんだろうな…?その後一味全員と合流し魚人島へと向かった訳だが…7人で新世界に挑むって今思い返しても相当無茶してるよな,少数精鋭とは言うがもう少し仲間を増やしても良かったんじゃ…何?“俺の好みの奴が居なかった?”ふざけんなお前の好みは面の良さだろうが‼︎そんなんだから面食いだって言われてんだぞお前!何?“レイリーとの修行で歳上のおっさん、世界で言う所の【イケオジ】に目覚めた?”あんの冥王‼︎余計な事を‼︎だから2年後の仲間勧誘がカイドウとキングとか言う範囲から外れまくった奴なのか‼︎敵からヘッドバンキングするのはよく聞く話だが殺し合った敵、しかも四皇の頭とその右腕を勧誘ってどう言う神経してんだ‼︎カイドウもキングも居た堪れねえ顔してんじゃねえか、あ?“俺が気に入って、仲間にしたいと思ったから仲間に誘った”?…ハァ…もういい…

 魚人島では井の中の蛙を始末してジンベエをスカウトしたのだが、通さねばならん義理があるとのこと,それを済ませたらまた誘ってくれと言うのでルフィはそれを引き受けた,元々こう言う仁義やらには脆い男だ心に打たれたのだろう、船を海面に浮上させれば軌道がかなりずれたのか指針が刺さない島を発見、電電虫の情報によればパンクハザードと言うらしく、ドレークによれば元政府の島で青キジと赤犬が大喧嘩した島でもあるらしい、成程、だから海が燃えて島に火山が…ふーん…モネもアレに近いことが…?俺は考えるのをやめた。

 その島で捕らえたシーザーって奴は中々のクソ野郎だったのめルフィがぶっ飛ばし俺が心臓を抜き取ってやった,ザマァ見ろ。憎っくきヴェルゴの奴も切り刻んだし、幼い頃俺に好き勝手してくれやがったジョーラもしばけて俺的には好調だった,すると懐かしきバッファローとベビー5が俺の名を呼んだので、もう隠しきれないと察し俺の本当の目的を暴露した。するとルフィ達は俺の復讐に協力してくれるらしくおれは改めて礼を言った。後ついでにパンクハザードで彷徨ってた侍親子も回収しておいた。

 ドレスローザでは俺は終始捕まってた記憶しかねぇ、ねぇがなにやらシュガーとモネの姉妹喧嘩に俺は巻き込まれたらしくひどく言い争っている、やれ私を捨てただの化け物みたいな見た目になっただの言うんで俺は全ての真実を教えてやった、だがそれで説得はできなかったのか癇癪を起こしたがあとはモネの仕事だ、ドフラミンゴの元へ急ぐ、結果から言うとドフラミンゴには勝った、ルフィが新しく身につけた戦法によってドフラミンゴは沈んだ,俺の長い復讐生活にケリがついたようで肩の荷が降りた気がした…“最強生物”が狙いを定めてくるまでは。

 その後侍達の願いによって“ゾウ”に向かった俺たちは世界の真実と赤い石のことを知る、あと実は別行動をとっていたチャカとサンジのうちサンジがビッグマム海賊団に攫われたと知ったので俺たち全員はサンジを取り返しに向かうことにした、んだが…ホールケーキアイランドに着くや否やゾロとルフィが迷いの森で迷子に、しかもこの森全体が生きている為に見聞色で探すのも難しい。面倒ごとしか持ってこねぇ、少ししてルフィだけ出てきたんだが、どうやら“ビスケットのやつ”とゾロが戦っているらしい、そいつは“千手のクラッカー”で四皇の最高幹部だ、そいつとゾロが一対一で戦りあってるらしい、援護がいるかと思ったが不要とのこと、寧ろ久々の格上との戦いで燃えていたようだったらしい、この戦いでゾロは何か掴んだのかもしれないな。

 その後俺達は別々に行動した、サンジを取り戻す組にルフィとモネが、赤い石奪取組におれとドレークと同行してたペドロとキャロット。あとゾロを連れてくるのが一人、コレは匂いで追えるチャカが必然的にゾロを引き戻す側になった。

 その後なんやかんやありサンジを引き戻せなおかつ石の写しも回収できたのであとは立ち去るだけだったのだが、結婚式そのものをぶち壊そうとのこと、面白そうだったから乗った、決してジェルマの野望を阻止できるからだとか、そんなのではない、俺は正当な読者だ、深く干渉しない。

 その後ルフィが敵の幹部カタクリとの戦闘を行なっている際に俺達は合流地点に急ぐ、その道中で元将星である、【スナック】と俺は対峙したのだがこいつもかなり強かった、ウルージとの傷が癒切ってなかったから何とか勝てたが,万全ならばこちらが負けていた。だがそのお陰でおれは“覚醒”を掴めた、俺もまだまだ強くなれるらしい。

 ルフィと合流し何とかナワバリから逃げ切った俺達はワノ国へと進路を進む、もとはサンジを連れ戻すだけだったのにかなりの寄り道だ、まぁ俺もゾロもルフィもだいぶ強くなったからいいとするが…“お前らのレベルアップの仕方、かなりおかしくないか?”寧ろこうでもしないと勝てなかったお前らの異常さに震えてんだが俺は、“だからと言ってあのババアのとこ攻めて連続で俺らんとこ攻めてくるとかイカれてんだろ”安心しろ,俺たちもビッグマムと戦うつもりはなかった、戦闘になったのは【あのバカ】のせいだ“…苦労してんだな、お前も”あァ、大分な、その後もあいつらは振り回してくれやがって…討ち入りまでの間ストレスが溜まりすぎた…お前らの海賊団には悪い事をしたと思ってるよ、“…元々奇形な奴が多いウチがさらに変な形になってもはや生物の形をしてなかったのはお前のせいか”悪かったな、ストレスを発散させるのに雑魚は丁度いいんだ、はんせいはしねェが“しろよ、反省”やなこった。

 その後はお前ら二人も知ってるだろ,ルフィが白い奴に変身してからはすぐだった、超人系のそれとはまた違う覚醒のようだが、ここでも“白い色”とはな、おれは白い色からは逃れられねぇらしい、しかも今度の白は伸びてくるからな、参ったもんだ…でもこの白色は“あの時の”白色とは違いあったかい…嫌いじゃないな。

 俺は白い色が嫌いだった、だが今は違う、今の俺にとって白い色は希望の光だ、必ず絶やさないと誓おう。

Fin


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