おやつ配信
「画面の前のみんなーUTAだよ!」
そう言ってウタは、ブンブンと画面越しの視聴者に向かって手を振った。
お馴染みの挨拶から始まる配信だが、今日はいつもと様子が違う。
普段のUTAの配信は、レッドフォース号かサニー号にある自室を兼ねた配信部屋から発信されている。
しかし今日はそのどちらでもない部屋が映し出されている。
「じゃーん!今日はサニー号のキッチンを貸し切って、私の家族とその兄弟とおやつ配信を行いまーす‼」
兄弟って家族じゃないのか?という視聴者の疑問を華麗にスルーして、ウタは他のメンバーを電伝虫前に押し出した。
「それじゃあ一人ずつ自己紹介をお願い!」
「いつも配信を見てくれるみんな。おまたせ、トトだよ。」
「俺はモンキー・D・ルフィ!海賊王になる男だ‼」
「今日はメシをごちそうになりに来た、ポートガス・D・エースだ、よろしく」
「いつも妹が世話になってるみたいだな、俺の名はサボ、今日は楽しんでってくれ」
「みんな挨拶ありがとう!自己紹介も済んだので、さっそく今日のおやつを発表していきます‼」
そういってウタは電伝虫を移動させる。
次に画面に映ったのはテーブルいっぱいのパンケーキだった。
ホイップマシマシのデザートパンケーキとベーコンと目玉焼きにソースがかかったごはんパンケーキがテーブル狭しと並ぶ姿はまさに圧巻。
「なんと今日はわたしとトトの大好物!パンケーキ‼しかも、これは私たちの合作なんだ!」
「俺が肉や果物を取ってきた!」
そう言ってガッツポーズをするルフィ
「乳製品と卵担当は俺だ。ここの牛乳がまた美味いんだ」
そういってモーダ印の牛乳缶を掲げるエース
「俺はそのほかの細々した材料をそろえさせてもらった。コアラ、ハック助かったよ。」
お土産持って帰るからなーと、サボ
「調理は俺。久しぶりにこれだけの数焼いたよ……」
そう言いながらも出来栄えに満足しているのか、笑顔のトト
「私はドリンクと盛り付け!今日はルフィの持ってきたバナナとエースの牛乳でバナナスムージーだよ‼」
美味しそうでしょと、ウインクをするウタ。
「それでは、乾杯!」
カチンとコップが当たりそれぞれがパンケーキに手を伸ばす。
「やっぱりトトのパンケーキはウメェな!」
「ん~~美味しい、やっぱパンケーキはホイップマシマシが最高‼」
「ウタ、ほっぺたにクリームついてる。そっちじゃない、ほらじっとして」
「うん、ウマい。ガキのころに食べて以来、また食いたかったんだ」
「わかるわかる、コアラに作っもらったり、店で食べてもこの味にならなかったんだよな」
「マキノ秘伝のソースだからね。あ、ルフィそっち頂戴。ん、あーん」
「あ、トトずるい。ルフィわたしも!」
「おーおー仲がいいこった」
「だな、ちょっと甘いくらいだ」