おまけ
地の文を省エネした会話劇です「滅相もない、俺はこの通りただの一般滅却師で…」
「陛下討伐準MVPもらえる存在が何を言っているんだいバルバさん」
「いやいやいやいや俺は本当にただの滅却師だし!ちょっと落ち着いてキャンディスと話し合う時間とかも欲しいし!というわけでよろしくな!新陛下!」
「待ってくれ、僕は年功序列的な面で言えば全然格が足りないし今回首領になったのだって一応の大義名分として息子の名を使うためなわけで!なあサンドラさ……いない!」
「逃げたな」
「じゃあエロイアイ……もいない!」
「あいつはずっとペルニダのところにいる」
「なんでそんなに冷静なんだいリルトット」
「いや俺は別にお前が皇帝陛下になったところで問題は感じねぇからな…それに見てみろよ、年功序列の面で見ればトップのはずの千歳児どもの現状を」
「ワァ……(処理落ち)」
「…そうだわ、農業を始めましょう…!トマト王に私はなる…!(自棄)」
「…………ねえ兄さん、収拾がつかなそうだし一護の方に行っていいかしら」
「…待てメルト、まだ俺は認めたわけじゃねェぞ…!」
「……………な?」
「……………うん」
「おーい、ベレニケ捕まえてきたよ〜」
「ありがとう。所定のポイントに移送しておいてくれ。…ちなみにアスキンはどうした?」
「とっくにアンナさんと逃げたよ。こういうところ賢いよね彼」
「そうか……まあそのうち連絡をつければいいな。引き続きミニーニャと一緒に生き残りの保護を頼む」
「はいはい。今後ともよろしくニュー陛下」
「君もかショコラテ!」
「ワァ……ア……」
「なあ、あそこで放心してる奴放っておいていいのか?」
「親友と実子が手と手を取り合って作った反乱軍に手塩にかけて育てた弟子が参加した挙句、なんやかんやで幼馴染を振ることになった結果思いっきり泣かれた上に、最後の頼みの綱だった妹的存在は敵軍の主力に惚れて土壇場で陛下に楯突いた結果実質ワンオペでぼくら全員を相手にすることになって気絶してる間に陛下死んでたからね」
「かわいそうに……せめて気持ちよくしてやろう…潮吹け—」
「これ以上ショックを増やすとややこしくなるからやめようね。…っていうかきみ何でいるんだい?だいぶ前に影武者のお役目からは解放したよね?」
「いやユーハバッハをメスイキさせたくて…ちくしょう、機会を逃した…!」
「こわ……」
「…逃げましょう坊ちゃん。ここにいると厄介なことに巻き込まれる気がしてきました…!」
「奇遇だな、ちょうど僕もそう思っていたところだ。黒崎のメンタルも限界が来ているようだしな」
「と、いうわけで僕らは一足先に帰らせてもらう。後継者争いとかなんとかは喜んで降りさせてもらうよ。そもそも本来部外者の僕がそんなところに名を連ねていたこと自体おかしいんだ」
「降りないでくれていいんだが……いや、まあ、うん。仕方がないな。一護がボロボロなのも陛下があれこれ言ったせいだし…」
「……いくらなんでも出来過ぎレベルな真実だと思うんだが、あれは事実なのか?」
「さあ…あとでキルゲにでも聞いておくよ。…しかし、公になれば死神との和平に響きそうな情報だ。できれば内密に…」
「ああ、わかっている」
「…カワキも彼らと一緒に行ってくれ。追求についてはこっちでなんとかしよう。本格始動まで計画について話せなかったお詫びってことで」
「ありがとう兄さん。…生活費の送金はいつも通りよろしく。じゃ」
「聞いたかエル!兄さんだって!……いや彼女の本当の兄君とは知らぬ仲ではないのでちょっと複雑なところがないわけでもないが…」
「騙されちゃダメです!あれ絶対早く切り上げたいから適当言っただけですよヨルダくん!!」
*******
「……いや自分さ、バレないわけないやろ?どないするん、これ」
「…シャッス、申し訳ないと思ってマス」
「申し訳ない〜やなくてな?ユーハバッハ級のな、反乱軍参加してたわけでもないゴリゴリのユーハバッハ派なチート能力持ちどもをな、全員こっそり逃して実質の無罪放免〜とかこっちの立場的に許せると思うか?」
「………思いません……」
「まぁ、そこはええんよ。なんかあったら自分が責任とってくれるんやもんな?」
「…はい……」
「正味な、霊王になんかあった時の対策ってのはワイが考えるつもりなんよ。でもな、零番隊やって完璧やないし、もしもってこともある。ユーハバッハ級の奴らがそこらじゅう野放しになってて、その本人やいずれ生まれる身内がいつまたおかしな手に出るかわからんなら尚更や。わかるな?」
「はい…」
「そん時は……な。空いた座に座るやつが必要やからな。書面にも残しとこか。」
「……………………………せめて身内と面会する権利は欲しいです……」
「努力はしたる」
「…………ということがあったので事前に問題起こす芽を全員殺しておくことでヨルダくんの自由を確保したいと思い荷造り中失礼します死ねチンピラ野郎!」
「……………ちょっとヨルと話してくる」
「……という話を聞いたが?」
「ああ、事実だがそれが?」
「…………は?」
「そんなことより君は幼馴染とゆっくり話す内容でも考えたほうがいいんじゃないか?…いや、これから一緒に暮らすならいくらでも時間はあるんだろうが、僕としてはそっちの方が心配で…」
「(無言の一刀火葬)」
「あっつ!?」
「……向こうに住むのはやめる。テメェを一人にしておくとロクなことにならないのはわかった」