おでんの髪に触るカイドウ

おでんの髪に触るカイドウ


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風呂上がりのおでんの髪を拭いながらふと過った。
あんなみょうちきりんな髪型じゃなくて、今みてェに後ろに流せばもっと艶がでるっていうのに。なのにコイツは毎朝きっちりセットしやがる。
だがおでんらしいのは事実。髪型変えろとは言わねェ。
これ以上男前になったら女達がさらに煩くなる。
そう考えたらおれだけがこの髪型を独占できる今がちょうどいいのかもしれねぇ。
しかし……
「なあ、別の髪型試す気はないか?」
「別の? そうさな例えば」
「……三つ編み」
「三つ編み? おれに似合うかぁ?」
「試してみたらもっと男前になるかもしれねェぞ」
「……なあ、実はお前に髪触られるの好きなんだぜ」
「なんだ突然。 おれもてめェに触られるの好きだが」
「お前がしてくれるんだろ? 三つ編み」
「冗談はよせ。 おれの指のデカさで三つ編みなんてできるわけねェだろう」
「そうか? 挑戦してみねェとわからないぞ」
「だがよぉ……」
「にぶちん」
「あぁ?」
「誘ってるんだぜ。 お前に髪触られるの好きだって言って、
 三つ編みなんて髪型を、成功するまでやらせてやるって言ってるんだぞ?」
「……どこまで好きにしていいんだ」
「人形相手に許可を求めるクチでもないのに?」
「……後悔するなよ」

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