おでんの嫉妬
現パロ
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ある日の夜、居間でただならぬ空気が流れていた
苦しい顔をしているのはカイドウ
睨みと怒りをあらわにしているのはおでんであった
少しの空白が続いたあと、おでんから続きが始まる
「カイドウ、何もおれは責めたいわけじゃねえんだ
お互い秘密にしたいこともあるだろう、もっともだ
だがな」
「・・・・」
「白吉っちゃんと知り合いだったなら言ってくれよ」
ことの発端はこうだ
最近おでんの仕事が繁忙期で遅くなりがちでありカイドウは寂しくも暇であった
ある日買い物がてら少し遠くの街まで散歩しに来たときである
「お」
「あ」
スーパーの帰り際に同じく袋を持った年配の大男と鉢合わせた
「グララ…お前近くに住んでたのか」
「お前こそまだおっ死んでなかったのかジジイ、風のうわさで体調が死に際って聞いたぞ」
「そう見えるか?」
そんなこんなで互いに会話が進み飲み街へハシゴし、深夜までになった
「おーこんな時間か、マルコたちに怒られちまうな」
「ウィ~おれも家のやつに怒られちまう…でもよォ最近遅いんだよ、すれ違いで会えてねェんだ…」
お互い帰宅しようと飲み屋を後にしようとしていたその時である
「え…」
今日も残業でてっぺん帰りの帰路の途中のおでんは「それ」を見てしまった
「うぉ~ん♡ジジイもう今日はお持ち帰りしてくれよ~ん!帰っても一人だから寂しぃ~」
「やめろアホンダラ!顔近づけるんじゃねえ!!」
…そして現在
「…直帰しねえおれが悪かった、別にジジイとは昔話ししただけでなんとも…」
「…おう」
カイドウはひたすら謝る姿勢でありおでんもそれを理解していた
「…なあカイドウおれはな、お前に出会う前の話だが世話になってた時期があった」
その時…白吉っちゃんのこと好きだったんだよ」
「そうだったのか、おれはジジイからは聞いてないが…」
「おれだって初耳だぞ」
「白吉っちゃんは大所帯で人気者だったからおれぁ諦めたんだ、そのほうが皆にとって良いからな」
「…おれはガキの時期に世話になっただけだ…当時は色々荒れてたからな」
「にしては距離が近く見えたぞ」
「…何だお前、買い物横道がムカつくのか失恋なのかおれに逆ギレしてるのか」
「全部だ!!!」
珍しくおでんがキレている、これでもおでんも色々やんちゃ伝説を持っているものだから少しカイドウは焦っていた
「カイドウ!本当のこと言え!どんな関係なんだ」
さらに怒りをあらわにし少し涙も見え隠れしていた その時、その巨体がおでんを包んだ
「………」
おでんの顔はちょうどカイドウの胸元ぐらいにあたり少し苦しそうに見上げていた
「な、なんだよ、いくら普段仏のおれでも」
「…お前の思った通りの関係だったよ、大昔な…だが今はわかるだろ
…どうしても許せねぇっていうならおれはここを出てく、お前のためにな」
少し二人の間で空気だけが流れた
「別にそこまでとは言ってねえよ、そもそも仕事調整できねえおれが悪かったんだし」
「おれも寂しさに耐えれずお前を信じてなかったな」
「良いもん作ってくれようとして遠出してたんだろ…」
「…ああ」
それから数日したある日
町外れの大きな屋敷に二人の訪問者がいた
門は開かれようとしていた、門の向こうにいたのは……
「グラララ!おう2人共、久しぶりだな!!」