おすすめの水星の魔女SSを教えて
2023年1月版
こちら(https://bbs.animanch.com/board/1460798/)で募集したあにまんの水星の魔女おすすめSSとスレ主の感想をまとめたものです
ネタバレなしリンクのみはこちら
※あくまで個人の感想です。また、感想で特に指定なくキャラクター性に触れる時はそのスレにおけるキャラのことを言ってます
○超簡易的な内容
『タイトル』
スレのリンク
感想
○ソフィボブ
『お兄さんさぁ、痛い目見たくなかったら…』
https://bbs.animanch.com/board/1410189/
メスガキ×没落したお坊ちゃんというシチュの期待から外れない心の陵辱の数々。特に聖域っぽさのあるスレッタへの告白を上書きする容赦ない仕打ちがとても良い。
しかし、そこから時間を積み重ねることでグエルの情の厚さが出てしっとりとしたソフィボブに収束していくのが急展開でありながらも納得させられる良い結末だった。
○加古川×働くボブ
『ねぇ、ボブ~』
https://bbs.animanch.com/board/1444033/
グエル時代より心の余裕ができて頼れる兄貴分として振る舞えるボブと、満たされていない子供たちである加古川組を筆頭としたアーシアン女子の意外な相性が光っている
ボブもまだ大人には成りきれないままだからこそソフィたちに寄り添う選択が出来たという着地の温かさが心に残った。
○ドルム(オリ主)×ニカ
『ニカ・ナナウラに幼馴染を生やすスレ』
https://bbs.animanch.com/board/1121019/
幼い日の思い出を胸に再会した幼馴染!!!
会わない時間と思春期の心の機微で生まれた二人の距離を学園物らしいイベントやロボット物らしい荒々しい事件など多彩なエピソードで埋めていくとても丁寧な恋愛模様で良質な幻覚だった。
忠犬にして狂犬のドルムくんが幼い頃怪物になった王子様に理想の姿を見たことに一抹の不安を覚えつつも、迎えた第四幕の戦闘描写は一際心を昂らせられる素晴らしさがある。
○加古川女子+チュチュと地球寮ボブ
『ほらボブ!キリキリ働け!』
https://bbs.animanch.com/board/1381921/
改めてボブって名前の絶妙さに感心させられたスレ。
スペーシアン全体を"悪いスペーシアン"というテンプレートに当てはめて見ていた子たちにとって、素直に憎ませてくれないキャラのボブは劇薬すぎる。
4人娘みんなが少なからず自分だけのものにしたいと動きながらも誰のものにもなってはくれないボブの博愛がニカの心の支えになったのがじんわりきた。
○ボブのバイト
『「おいボブ!次の仕事はお前にも手伝ってもらうからな!」』
https://bbs.animanch.com/board/1403048/
グエルにとっては馴染みであってもボブとしては初めての外回りのアス高。二つの感性に揺れる中で「グエル・ジェターク」として正面から向き合えていない人物たちにボブとして出会うことで一味違う交流に繋がっているのが趣き深い。様々な柵のあるグエルでは多分辿り着かなかったであろう青春の一幕が甘酸っぱくもほろ苦い良い味。
○メカぐるみ(種族)
『【閲覧注意】おいでよメカぐるみの星🎲』
https://bbs.animanch.com/board/1415387/
少しコメディタッチで軽妙な語り口でありながらメカぐるみであることを生かした機械パーツと生体パーツの剛柔のコントラストの描写や部位欠損、多彩なシチュエーションでいろんな角度から情欲を掻き立てられる。
あとスレ主は人類が蹴落とされて万物の霊長が交代することに興奮するタイプのSF民なのでこのスレ見てなかったのものすごい不覚。文明の成熟による人工停滞問題を種の保存の命題+緊急時の自己増殖によって適正数を維持させることで解決しているみたいだけど、自己進化の過程で命題の書き換えが発生するみたいだから文明の自己崩壊の可能性もあってどきどきする。
○ラウダ×スレッタ(妄想)
『【若干閲覧注意】ここだけこのシーンのラウダが』
https://bbs.animanch.com/board/1277859/
これがあの噂に聞いたことある紐パンスレか!
脳内がエロ妄想暴発するのは思春期の特権とばかりに兄の想い人の下着でいっぱいになるラウダが年相応でいっそ微笑ましい。
はじめの方はグエル込みで見ていたのが大量のラキスケ&妄想スレパンに押し流されて劣情が恋心を孕んでいく過程も小気味良い。
○チグハグ(オリ主)×サビーナ
『【🎲】自分はグラスレー寮の生徒です』
https://bbs.animanch.com/board/1343821/
かなりの長期スレで手を出すタイミングをはかっていたので紹介してもらえて良いタイミングだった。
グラスレー寮舞台のアニメと並行して進める原作沿いのSSという「見えている爆弾が多数あるけどどうするんだ?」という疑念を吹き飛ばす柔軟かつ緻密な構成だった。
特にテンションがぶち上がったのは二箇所。
一つ目は序盤のインタビューしている地の文の人物が明かされた瞬間で先のストーリーの引きとしてすごく良かった。
二つ目はやはりプラントクエタでのやり取り。情報の開示と積み重ねたストーリーからの言葉もさることながら、メタ的にチグハグ君がダイスによってパーソナルデータが決められた存在であることと1stシーズンラスト付近のダイスが少なくなるのが地味に利いていた。2ndシーズンも楽しみ。
○エラスレ(広義)童話
『たぬきの嫁入り』
https://bbs.animanch.com/board/1434806/
『たぬきちゃんのお留守番』
https://bbs.animanch.com/board/1438076/
https://bbs.animanch.com/board/1438930/
エラン様のスレッタと「俺」たちに向けられた執着と暴力と愛欲がメルヘンチックな世界観と溶け合った甘美なメリーバッドエンディングの様スレだった。
アニメ本編で未だに何者かもいまいち分からないエラン様の得体の知れなさとSSにおいてエラン様の心情があまり語られないのがマッチしてイマジネーションを刺激するような余白が生まれているのがまた良い。
○エラスレ童話
『ぽんぽこ赤たぬきちゃん』
https://bbs.animanch.com/board/1391659/
世界観の質感を高めるのにぴったりな修飾句と時々見え隠れする毒のある語句が童話のような世界を鮮やかに彩っていて読んでいて心が弾む。それを踏まえた上で真っ黒な妖精さんの家破壊の文章のテイストがいきなり違うことで笑いを誘い、そこから先のしんみりとした空気への転換へ繋げるのが非常に上手く感じた。
○スレ→シャディ→ミオ→スレ
『ここだけ水星ちゃんがシャディクを好きになってしまった世界part2』
https://bbs.animanch.com/board/1449930/
全員の恋敵を心底憎みきれない+自己肯定感の低さが祟ってこんがらがった感情の解き方がわからないまま螺旋状に堕ちていく三角関係。
ほんの少しの本編とのかけ違いで「垢抜けない田舎娘に気軽に接してくれるイケメン御曹司」という定番のシチュになる想像が出来るのがまた地獄を良質に仕上げている。
○4号の呼び名
『「え、あだ名?」』
https://bbs.animanch.com/board/1331037/
4号とスレッタが計らずして共同で作り上げた「よっちゃんさん」の波がドミノ倒しのように二人の手を離れて学園内外に広がっていく様は作中を越えて読んでいるこちらにまで笑顔を届けてくれる。
コメディ空間のドタバタの締めに直球の愛の言葉というのが憎い演出。
○チャラスレいちゃいちゃ
『ここだけスレッタとエラン様が幼い頃からの婚約者』
https://bbs.animanch.com/board/1312174/
圧巻のチャラスレ両想い好感度をはじめとしたインパクトの強いダイスの女神の采配を見事にまとめあげられた秀作。
エラン様と顔が似ている■■ にスレッタが興味がないのも、スレッタがエラン様を好きな理由が顔ではなく「実はやんちゃなとこ」と繋がっていて良い。
○グエスレハッピーエンド
『グエルが辿った結末の一つ』
https://bbs.animanch.com/board/1309473/
どのような親であっても子から親への愛があり、それを他者から否定されたくないという所で同じ感情を共有するグエルとスレッタの二人がお互いに涙を流しながら結ばれるのは結ばれるのは一つの美しい終着点だと感じた。
親に見放され「死にたい」とまで言ったスレッタがグエルの背中を押せるようになったというだけで二人で歩んだ幸福な人生が伺える。
○セレッタ(オリキャラ)
『ここだけスレッタがなんらかの事情で』
https://bbs.animanch.com/board/1308751/
完膚なきまでの曇らせダイスに救いを求めて画面をスクロールする手が止まらなかった。
セレッタを通してスレッタを見ているミオリネ。エアリアルに意識が向いていてまともに話を聞いてくれないプロスペラ。「私」を見てと願うセレッタが惹かれるのがスレッタとは近しく無かったシャディクというのが上手く道理に沿っているのがまた辛い。シャディクへの失恋も彼の中の別の女性への想いを見てしまったからと境遇に追い打ちをかけてくる。
「スレッタ」のやってこない水星で周りに感謝されて過ごす事が少女の小さくとも輝ける幸せであるように。
○スレッタとグエル(師弟)
『ここだけこのシーンでグエルが言った言葉が』
https://bbs.animanch.com/board/1287621/
告白は「自分のものになってほしい」という感情の出力、一方で弟子入りは「自分もあの様に成りたい」という憧れが行動に結実した形と言えるのではないだろうか。
グエルのきらめく向上心に当てられ気味な師匠との愉快な日常とそこに見え隠れする健康的な恋の萌芽に口元が緩んでしまう。
あと趣旨が違ってしまうので抑えめに。
ヘアピンスレッタ、アンニュイグエルや容赦ないエアリアルなど表情が絶妙かつ愛らしさ抜群のストーリーとリンクしたイラストがあるって最高!!!
○4号スレ 5年後if
『本当の君と【エラ(4号)スレSS】』
https://bbs.animanch.com/board/1234986/
かつて少年少女だった大人たちの追慕。痛々しいほどの情熱がなりを潜めた代わりに俯瞰した視野を得たスレッタの静かな語りからは、熱が冷めてなお確たる物があるのだと如実に伝わってくる。
名の知らぬ話を聞いてくれた青年があの日の約束の時刻ちょうどに待ち人に変わる結びが砂糖菓子のように甘やかで素敵。
○パーティー後ミオスレ
『あの…抱いてくれませんか』
https://bbs.animanch.com/board/1279192/
インキュベーションパーティーの熱も冷めやらぬスレッタの秘め事のお誘いの相手にミオリネが選ばれる話。特別な出来事があった日に、その日が"特別"だったことを終わらせたくなくて眠りたくない夜。いつもより少したがの外れたスレッタにそのままののるのではなく対話から入ることでミオリネが真摯に向き合っているのが伝わってくる。
二人の夜が本当に"読者に明かされない秘め事"なのも粋。
○エランとグエルとスレッタの手紙
『……』
https://bbs.animanch.com/board/1235185/
バエルの正体を知らないまま楽しく文通を続けるスレッタ。『優しい悪魔』でエランこそが"バエル"だと思って譲るグエル。『小さな鐘』でグエルを"バエルさん"と呼んで引き続きをするエラン。
悪魔バエルはヒキガエル、猫、人間もしくはそれら全ての姿を持つというが、本作の"バエル"もスレッタ・グエル・エランのそれぞれが見ている3つの別の姿がある。そしてその悪魔は3人それぞれの行動が無ければ成立しなかった。彼らの想いで存在を許された悪魔は優しいというのに相応しく、彼らもまたそうなのだろう。
○6話後エラスレ
『小さな手記を見つけました』
https://bbs.animanch.com/board/1199116/
スレッタはエランさんに出会ってからいろんなものをもらった。しかし、彼がいなくなってから入った彼のパーソナルスペースは孤独が伺えるほどに殺風景。その中で数少ない私物がスレッタに影響された「やりたいことリスト」である。
彼女が彼に与えたものである「やりたいことリスト」は、無印の項目の分だけ彼女が彼に与えることができなかったという証にもなる。決して本人にはつける事のできない最後の項目に丸をつけたスレッタの悔恨はどこまでの深さであっただろうか。
○加古川ボブ(ニカ依存強)
『グエルさん、あーんしてください』
https://bbs.animanch.com/board/1463806/
あまりに美しく気高い存在を見ると、人は「そうは成れない自己」に直面させられてしまう。そこから目を逸らそうとして美しいものを壊したり引きずり下ろしたりしようとするわけだが、その根底にある感情は羨望だ。
後ろめたさを抱える人間はグエルの誇り高さからくる自罰的な態度に嗜虐的な欲求を刺激されると同時にのめり込んでいってしまうだろう。
綺麗な境遇でいられないことを冷静に自覚していそうなノレアがグエルと共依存にはならない方向性で傷になろうとするのは得心がいく。
○グエル ドミニコス入隊if
『今日は憧れのドミニコス隊の初任務!!!』
https://bbs.animanch.com/board/1194727/
『へ?警戒アラート?』
https://bbs.animanch.com/board/1195105/
外から求められる勲章で飾り立てられた「グエル・ジェターク」と内面が乖離し心が悲鳴を上げようとも完全には立ち止まらない強さがグエルにはあるという強い期待が絶望の先の物語を求める。まだ菜園壊した1話から程ない10月末の時点でグエルの高潔さがある程度共通認識になってたことに改めて気付かされた。
戦争が当たり前の世界の「世間的な幸せ」に適応できない程のグエルの善性を提示させられる事でいかに箱入りで大切に育てられたかを容易に想像させられ、よりえぐみが増して良い。
○変なエラン大集合
『シュレディンガーの僕……』
https://bbs.animanch.com/board/1343199/
あにまんエラン+α大集合の発想・企画力が光るスレ。当時自分もいくつか好きなスレの紹介がてら参加したので個別の明言は避けるが、懐かしいスレや知らないスレが一堂に会したカオスティックな喧騒がお祭りのようで胸が躍った。
大騒ぎのあとのしめやかな幕引きも変なエランスレらしさがあり趣深い。
○5号スレ(純愛)
『抱きたい生徒NO.1に脅されている。』
https://bbs.animanch.com/board/1393379/
純愛ー混じり気のないひたむきな愛情。(手元の辞書)
「あの日何があったのか」という主題の疑問と積み重なる小さな違和感が一気に紐解けるミステリー的醍醐味と5号とスレッタの"純愛"が組み合わさった滋味あふれる作品。
食事とは生命活動や身体を作る為に外からものを取り入れる行為だ。整えられた外側の『エラン』の内の××は春をひさいで食事をしていたが、記憶を上書きする様にスレッタと半年間夕食をとることは××をゆっくりと変えていくのに実にふさわしい行為であった。
○逆行4号×スレッタ
『ハッピーバースデートゥーユー!』
https://bbs.animanch.com/board/1229332/
あにまんのエラン逆行の中でも特に有名なスレ。
「約束」の時間に間に合わなかった少年が今度は「約束の時間」を待つ為に頑張るという動機の美しさが心を掴む。⬛︎⬛︎として舞台に立つために記憶の他にパイロットとしての腕しか武器のない中では並大抵ではない努力が必要だろう。それがスレッタという光に再び出会う為ならつり合う困難だと感じるからこそたどり着いたのだろう幸せな2周目はかけがえの無いと言うほかない。
○ラウスレ(監禁)
『9話のラウダくんが面白かったから』
https://bbs.animanch.com/board/1331098/
ラウダ視点の日誌には兄との思い出と捕獲したたぬきのおはなしばかりで自分のことは希薄、自身を指した「自分」という単語がでてくるのは正気を取り戻した後。ラウダの一人称が分からないことが上手く昇華されストーリーに組み込まれている。
また、スレッタを呼び出した白紙の手紙が想像力をかき立てる。スレッタの解釈の通りなら頼り方がわからないからこその白紙の手紙なのかも知れないが、それなら何故出した相手が水星女だったのかなど疑問が残る。その人選に自覚のない好意があったのではないかと意味を求めてしまうのはこの作品を読んだのなら仕方のないことだろう。
○ラウダとスレッタの擬似デート
『忌まわしい女と、敬愛する兄の話を』
https://bbs.animanch.com/board/1423822/
直接の関わりこそ薄いものの関係性は良好とは決して言えないラウダとスレッタ。そんな二人の共通項がグエルが大きなファクターであることだ。グエルをきっかけに会話が繋がりを見せるも、それぞれ見え方が違うので衝突が起こる。しかし、結果として決定的な諍いは起きずほんの少しお互いの価値観を認識しただけのこれから先の日々に埋没するような1日に終わる。このなんでもなかったようなことが先の悲劇を回避するきっかけになったという心に灯がともるような結末で後味が優しい。
○ティルアリ×エナオ
『そうか、君が……ティル・ネイスというのだな』
https://bbs.animanch.com/board/1326997/
終わりよければすべてよしなんて言葉があるが、結末がどうであれ辿った過程を消し去ることは不可能だ。エナオにとってその時の情動そのままを受け入れて3人で恋人になるという選択は愚かしい末路を予感させる。それでも、ティルとアリヤの手をとる青春を自らの選択で選びとれたのが期間限定の輝きでも眩しいことに変わりはない。
○5号スレ(ガチ恋)
『大丈夫だよスレッタ』
https://bbs.animanch.com/board/1378562/
他人の顔で他人のことを思う女を騙して睦言を交わす。今までやってきた他人の物を掠め取るゴミ箱漁りと大差ないはずの行為が本当に欲しいものに出逢ってしまって受け入れられなくなる。ヒールポジションにいる5号だからこそ彼が「誇らしくおもえるような何かを持っていない人間」であると突きつけられる衝撃は大きい。
スレッタを手に入れようと足掻いても結局いつものベッドの上での交わりしか出来ず、やっとたどり着いた駆け落ちデートという今までとは違う方法も完遂出来ないどん詰まりの悲壮感が胸を締め付ける。
○ボブノレ スケッチ
『ノレア、今度は何描いてんのよ』
https://bbs.animanch.com/board/1473010/
アーシアン、テロリスト、ガンダムに乗っている魔女。それぞれが近い将来の死を保障しているノレアの重要な構成要素で、そこに端を発し「絵を描く」なかで自己の内面と先に待つ終わり見つめている。ノレアにとって「絵を描く」ことは単なる趣味を超えた意味をもち、それを共有できるということに寄せる期待は大きい。しかし、ボブが描いたのはスレッタであった。
ノレアが知り得る「スレッタ・マーキュリー」とはどういう存在だろうか。持たざるものである地球の魔女が痛みと引き換えに振るえるガンダムという外法を、スペーシアンという恵まれた存在ながら自由に使う祝福された魔女。その上、ボブの関心まで取られたというのだから堪らない。
後にこの件でノレアが感じた感情は嫉妬が混じったものであったと本人が結論づけるのだが、そこまで噛み砕き切る前のボブへの諦観の混ざる八つ当たりのじとりとした質感が心をとらえる。
○ラウグエと巻き込まれシャディク
『「え俺ってラウダのこと好きだったのか!?』
https://bbs.animanch.com/board/1435242/
1レス目のトップスピードを感じ続けたまま駆け抜けるラブコメディ。ちょっと押してみたら物凄いスピードで転がっていくジェターク兄弟とその勢いに翻弄される自業自得なシャディクがユーモラスに描かれていて楽しい
そこにラウダの痛切な恋心の吐露が挟み込まれることでタメができ、兄弟で朝寝なハッピーエンドの爽快感が増している。
○ラウボブ(グエ)監禁
『兄似の清掃員と話してるところを週刊誌にすっぱ抜かれたので。』
https://bbs.animanch.com/board/1448305/
「グエル」という神聖不可侵にして手の届かなくなってしまった神と「ボブ」というラウダを直に気遣う現世利益の神。ボブを監禁しながらボブを「グエル」の似姿に仕立て上げようとする偶像崇拝とグエルにしてもらえなかったことを「ボブ」にする/してもらう背教の悪徳に耽るラウダの狂気は止めど無い。しかし、その只中であっても危機感の薄いグエルの泰然自若っぷりが対比できいており、さらにアクセルをふむラウダとの未来を安心して静観できる。
○アレクサごっこスレミオ
『Heyスレッタ』
https://bbs.animanch.com/board/1446298/
なんとはなしにミオリネとスレッタが始めたAIアシスタントごっこの可愛らしいじゃれあい。パターンに沿って会話をしているが単調ではなく、多彩な会話のキャッチボールが小気味良くサクサク読める。また、リズム感のあるやりとりの中に情景をほのめかすのが上手く、艶っぽい空気になっても軽やかな雰囲気が崩れていない。
○ソフィ&ノレア(M)×ボブ
『【閲覧注意】煽り受けメスブタソフィノレア概念』
https://bbs.animanch.com/board/1485474/
家族愛があれど強権的で時に暴力も振るう「時代遅れ」な父親像。ヴィムはしばしば「昭和の親父」と評されるが、ならばその子供のグエルが「平成時代」の延長にあるような価値観を持っていたとしても道理から外れない。
何故こんな与太話な前振りをしたかというと、Fata○pulse的純愛を想起させられるスレタイからはあまりに信じられない内容という衝撃を和らげる為、そしてソフィとノレアを取り巻く環境とボブの価値観の違いの話をする為である。
ソフィとノレアがボブにわからせられたくてする行為はことごとく失敗する。煽られても暴力を振るわず耐えるボブは彼女らの知識と経験が通用しない異質な人間だ。
まさに住む世界の違ったボブとの交流によって二人はやがて奪い合いが常識である世界で自らの性癖を満たさずと得られる心の安らぎがあるのだと知る。その充足感たるや、狐に摘まれたような心地も些細なことにしてしまう。
でも正統派純愛に性癖破壊されるって実はタチ悪いのでは。
・part2の感想(簡易)
例のお嫁さんの言い換えが魔女とボブの寿命差MTR(看取られ)を踏まえるととたんに重くなる。まさに言葉の魅せ方が上手いと言いたいけどやっぱり釈然としない……
part2でも書き手とスレ民のグエルの人格への深い信頼と期待が摂取できる部分が結構好き
○脳破壊5号スレ(言葉責め)
『スレッタ・マーキュリー、デートしようよ』
https://bbs.animanch.com/board/1467837/
スレッタを籠絡する為に伸ばしたと思われた魔手でいつのまにか正義の棍棒を握っている5号。自分の正義が担保された暴力がもたらす仄暗く深い快楽の上、相手が回想したくもない過去の自分のような愚かさというのだから容赦する理性は自涜行為のように働かない。
ただ、露悪が過ぎるもののスレッタの本質的な他者依存という問題を正確に指摘しているのも事実だ。愛情はなくとも憐憫はあるのだろうかと思考を巡らせたくなる。
○脳破壊5号スレ(言葉責め(強))
『フフ……悲しむフリはやめなよ』
https://bbs.animanch.com/board/1412903/
"スレッタとの決闘の結果が4号の死を招いた"
あまりに過程の要因を無視しているが、一概に嘘だと切り捨てられない事実。知ればスレッタの大きな傷となることは容易く予想でき、その札をえげつなく効果的に使える立場に5号がいるのも間違いない。
しかし、目の前にいるのがもはやどの「エランさん」なのか分からなくなるほどに狼狽する程にスレッタの傷口をぐちゃぐちゃにいじり回す5号もまた市民権を持たない弱者ということが怒りのやり場を彷徨わせる。見事な悪趣味っぷり。
○スレッタとチャラン(ダイススレ)
『今日はありがとうございました……』
https://bbs.animanch.com/board/1348807/
SFホラーの現代の人知を超えているが故の不気味さとやるせ無さを存分に味わえるスレ
NTR展開に何故か挟み込まれる早口言葉対決。凌辱未遂からのヤンデレ、プロスペラによる記憶処理と息もつかせぬ恐怖体験の連続。ダイススレだからこそ生まれた身構えられないジェットコースターでナンセンスな展開が実にホラー映えしている
○デリングがトロフィー
『ここだけクソ親父の気まぐれで』
https://bbs.animanch.com/board/1305594/
ホルダーからの転落を祝われるグエル、残りの人生でどれだけ引っ掻き回せるかをエンジョイし始めたエラン、対ミオリネの湿度据え置きでデリングガチ勢になったシャディク。トロフィーポジションが権力系ヒロインオヤジことデリングに変わったことでストーリーが狂想曲になったコメディ。
スレッタが真面目にデリングと向き合おうとするので一瞬脳が感動に騙されかけるのもアクセント。
○ほのぼのエラスレ
『【🎲+安価】僕もやりたい事リストを作ってみたんだ』
https://bbs.animanch.com/board/1481316/
なんでもなかったようなことが相手の存在があるだけでとびきりステキな出来事へと色づいてしまう。そんなかわいい包み紙にくるまれているようなエランとスレッタのあどけない一日デート。少しでもよく見られたいという見栄の鎧も言葉を交わしていく内に二人の間では必要などなくなり等身大で向き合っていく様にとってもなごまされる。
○グエニカ(高湿度)
『【グエニカ注意】今、なんて言ったの、グエル…?』
https://bbs.animanch.com/board/1469460/
ピカピカのショーケースの中に飾られていた高嶺のグエル・ジェタークを知っているからこそ変わり種のスペーシアン以上の意味をニカはボブに見てしまうのだろうか。誰よりもグエルに踏み込まれたくて、誰よりもグエルを拒絶する自己矛盾はニカ本人にも制御が効いていない。グエルは魔女を愛する覚悟を、ニカはグエルとの繋がりを爆弾首輪に込めた。このわずかなすれ違いが更なる軋轢を生むのか、その果てに円磨された団円になるのか。不透明な未来への希望と不安に揺れる。
○5号日記
『ここだけ』
https://bbs.animanch.com/board/1482300/
スレッタに恋をした5号が残したものであるたった一ページの苦しみの日記は仲直りのきっかけとなり、木の実の苦味は"エランさん"の好きなものを知ったことに上書きされ口から消え去る。
与えた愛を返されたい。誰でもない自分だけを見てほしい。二人の間を隔てるものは何一つ要らない。そういった恋につきものの「相手に独善を押し付けたい」という感情を最期に5号は覆い隠すことを選んだ。愛に満ちていながらも物悲しい結末。
○マグカップ組@お化け屋敷
『ここだけ5人がわくわくおばけ屋敷』
https://bbs.animanch.com/board/1492710/
気ぶりお化けのナイスな演出でどちらのパートも口角を上げてニヤニヤしてしまうアトラクション。
・グエル 5号 スレッタパート
怖がりスレッタとモーションかけつつも恐怖を隠しきれない5号を支える頼れる男前な兄貴分グエル。擬似兄弟的微笑ましい団らんとスレッタを巡る恋愛攻防の健康的なアオハルがキラキラしている。
・ミオリネ シャディクパート
二人きりの探索中にスレッタの話を出すのがシャディクからだけなのが本当もうそういうところだぞお前。
楽しく過ごしていた昔と何が違っているのか、互いに全てを理解している訳ではないから探り探りになる幼馴染にモダモダさせられる。今が上等な時間だったという感想である「未来の約束」で締められて良かった。
○エラスレ(純粋)
『む、ムリですエランさん、そんなおっきいの入るわけ…!』
https://bbs.animanch.com/board/1494501/
思春期を越えたあたりからどこからともなく手に入れるものことエロ知識。あにまん見ているようなやつは多分皆このスレタイ詐欺の意味が分かるくらい汚れている。
だからこそ、ワードチョイスのおかしさに気づかない二人の子供らしい無邪気さが際立って眩しく見えるのだ。
オトナになってしまった己への若干の苦笑いを含みつつもエラスレの超平和な日常は笑顔にしてくれる。
○スレッタ ミオリネ対立if
『「私はガンダムを――否定する」』
https://bbs.animanch.com/board/1218983/
お互いのことが嫌いになった訳ではない、ただ譲れない幸せが違うだけで争う物語は激情と悲哀に溢れていて胸をつく。
part2では史実の大審問官と同じ名のMSに乗るシャディクが復讐の魔女を討ち戦争が終わる。配役の通りの終点であり「定められたフィクション」を壊した先のグランドフィナーレに辿り着けなかった歯痒い幕引きがまさにノーマルエンドで絶妙。
○三馬鹿御三家
『「どうだった?」「間に合わなかったよ」』
https://bbs.animanch.com/board/1203525/
パック開封デスマッチの罰ゲームを人形ではなく生身でやってそうなボロきれ・カタツムリ・仔犬の尻尾で出来てる御三家ども。
超人気作の乱立したスピンオフギャグ漫画、ドラマCDのボーナストラック、10年くらい前に貪る様に読んだオールキャラSSの「平成」なノリ。
本編ではあまり仲良くないけど一纏めにされがちな3人組が馬鹿やるキャラ崩壊気味平和時空のアッパーギャグのケミカルな味は令和の世の中でもまだまだやみつきになる。
○スレッタ童話
『よいこのどうわ 【水星山のたぬき】』
https://bbs.animanch.com/board/1462494/
スレッタぬきのわくわく異郷訪問譚と思っていたらあっという間に御伽噺のような語りの滑らかな溶接で一話から十二話になってしまいタイトルも変わってしまうおはなし。
不気味で意味ありげだが何が何だか明かされないオチが地方の民話のようで、未だ得体の知れないプロスペラと思っても見ない相性の良さに驚く。
○グエスレ新年姫初め編
『グエルさん!!今日は!!!!』
https://bbs.animanch.com/board/1432999/
新年早々精力的に迸るグエスレ姫はじめ。ダイスの桁も大回転して景気が良い。
神前でも幸せ全開アピールを欠かさないド級のオープンエロだぬきと恥じらいを保てているため押され気味のグエル。夜の関係(夜とは限らない)ではグエルがSでスレッタがMだと知った上で受け入れている近所の人たちは良い性癖している。
○グエスレ現パロ(アングラ)
『(グエスレ)ほら、起きてください』
https://bbs.animanch.com/board/1475744/
正義漢が罪悪感と逃避行ですり減らした精神の痛みを鈍らせる為に愛欲という名の阿片に溺れていく。
スレッタが童女や聖母と「穢れのない女」で形容をよくされているが、グエルの凋落の道行の手を引いているのは間違いなく彼女だ。この食い違いがスレッタをアンバランスで危うい美に演出している。