いつか、
瞼の上にキラキラしたお砂糖をひとつまみ。
瞬きすれば、舞い落ちる雪に負けないくらい甘く輝いて。
唇にはいちごミルクをほんのり一滴。
甘くてあったかくて、外の寒さを消してしまうような。
デコレーションはお気に入りのポンポンで。
可愛く、キラキラして。
誰にも負けないくらいに、私らしく。
「お父さんは幸せねぇ。貴方みたいな子がいて。」
そんな事聞いてみなきゃ分からないよ?
「その顔もあいつにそっくりだ。」
お気に入りのドレッサーが額縁のように感じる。
「お願い。あの人の夢を、超えていって。」
ねぇ、貴方が今見ているのは私?それとも…。
大嫌いなあの人は、沢山の甘さと一緒にに痛みも苦味も置いていっちゃって。
捨てることはできなくて。
いつになったら私は全部食べ切れる?
大嫌いだけど、知ってるの。あの人が凄い人で、みんなに愛されていた事も。
そして、あの人がみんなのことを愛していた事も。
「それなら、なんで置いていっちゃうの?ずるいよ…。」
ねぇ。どうして?
せっかくの甘さが流れていってしまう。
少し濡れた頬を撫でる。
「会いたいよ…。」
はらはらと空から落ちてくる雪に溶けてしまうくらいの声で、小さく呟いた。