いっぱい甘やかす黒ひげ海賊団の方々

いっぱい甘やかす黒ひげ海賊団の方々



自身の半分程しか無い彼の定位置は、大抵自身の膝の上になる。横向きに座って、そのまま体に身を預けてくる体勢だ。肌と肌がくっ付くその体勢は安心するから好きなのだと以前コビー自身が提督に言っていたらしい。今もそうだ。ラフィットの膝に座って完全に此方に身を委ねているコビーは、真っ黒なネイルが自身の爪に塗られて行く様子をぼうっと眺めている。その目はうつろで、もう半分は夢の世界に旅立っているらしいのが分かる。これまでの疲労もあるのだろう、ラフィットはコビーの額に口付ける。

「眠たいのなら眠って構いませんよ」

「でも……せっかく、塗ってくれてる、のに」

「ホホホ、気にする事ありませんよ。どうせ乾くまで時間も掛かりますから」

「……なら、お言葉に甘えて……。おやすみなさい、ラフィットさん」

「ええ、おやすみなさい、コビー大佐」

すぐに聞こえてくる幼い寝息。ラフィットはその寝顔を見ながら、爪を黒く塗る作業を続ける。


「前回」はそれなりに激しい事ばかりしていた記憶がある。肉体の損傷も激しかったし、回復にも時間が掛かったそうだ。だからだろうか、今回この船に連れ去られて来たコビーは少し怯えた顔をしていた。なんなら初めてこの船に攫って来た時より震えていたかもしれない。そんなコビーをそっと抱き上げて、提督は「前は色々やり過ぎちまったからなァ」とコビーの頭を柔く撫でた。すっかり伸びて綺麗に手入れされた髪を掬う提督にほっとしたのか、コビーはじわ、とその目に涙を浮かべて提督に身を委ねた。とことん優しくしてやれ、と、提督は自分達に言った。

コビーは一日程、それぞれの幹部の元で過ごす事になった。どんな事をしていたのか興味本位でラフィットが尋ねると、コビーは恥ずかしそうにしながら、けれど嬉しそうに話してくれた。シリュウは髪の手入れをしながら「綺麗なモンだな」と褒めてくれたらしい。オーガーとドクQも同じ事をしてくれたが、オーガーは案外不器用で「意外ですね」と言えばバツが悪そうに顔を逸らされたらしい。反対にドクQはそれなりに慣れていて、りんごの香りがする髪に満足そうにしていたそうだ。デボンに至ってはヘアアレンジまでしたそうで、「あなたが女の子なら首をコレクションしていたのに」と惜しまれたとか。ウルフやピサロ、バージェスはコビーが「肌と肌がくっ付くのが安心する」と言っていたのを知っていた様で、ずっと抱き締めてくれて居たらしい。彼らはヘアアレンジだの髪の手入れだのは苦手そうであるから、それ以外で甘やかすのだろう事は想像に難くなかった。ショットはコビーでも飲めそうな弱い酒をくれたらしいが、彼の言う「弱い酒」が本当に弱いかは不明だ。体に不調が無さそうなので大丈夫ではあったのだろう。

ラフィットの元へコビーが来たのは今日だった。髪はとっくに艶々に手入れされていたからと、ラフィットは彼の爪を彩る事を選んだ。正義の白とは真反対の黒。勿論「そういう事」もしたけれど、普段ほど激しくは無い。恋人同士が互いに気を遣って行う様な甘やかで優しい行為だった。比較的、ではあるけれど。

ネイルが乾き切っても、コビーは目を覚ましそうに無かった。普段ほど激しく無いと言ってもこの連日ずっと行為をし続けているのだから疲弊しているだろうし、足腰はもう使えないだろう。ラフィットはコビーを横抱きに抱え、提督の元へ向かう。一番最後に彼に沢山愛される事を、きっとコビーも心待ちにしているだろうから。


(いくら甘くて優しい(当社比)セックスするって言っても体格差のせいもあって普通に痣とか内臓の損傷激しい)


(大佐はでろでろに甘やかされて大満足だけどしばらく足腰がガチめに使い物にならない)


(真っ黒に塗られた爪に提督は満足だし海軍側は密かに怒り震える)

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