『あーん!!』

『あーん!!』


お昼も終わってゆっくりし始めた頃、ウタはナミ、ロビン、マキノ、ダダンと酒場で話をしていた。

「ルフィともっと仲良くなるにはどうしたらいいかな!?」

『え?』

ウタの言葉に4人は一瞬固まった。今でも凄く微笑ましくなるくらい仲が良いのにこれ以上とは一体?

「ウタ、これ以上仲良くってどんな風に?」

「お、大人の付き合い方がしたい!お姫様抱っことか腕を組むとか!」

想像以上に朗らかな内容で一同はホッとして少し安心しつつウタの相談に乗った。個人の惚れた腫れたにあーだこーだいうのは無粋だからないが相談されれば話は別だ。

「そうね、ハグ・・・もうやってるわね」

「うん!」

「ハグは恥ずかしくないの?」

「ポカポカするから良いの!」

なんとも分かりづらい言葉だがウタ的には線引があるらしい。しかし、四六時中とは言わないが基本的にくっついてる2人にこれ以上とは中々思いつかなかった。

「ならウタ。あ~んは?」

「ふぇぇぇ!?」

ナミは少しからかうように云うとウタはトマトのように赤くなった。

「厶、ムリムリムリ!そんなの恥ずかしいよ!!」

全力で無理と言ってくるウタだが4人はそれを見た瞬間にニヤニヤと頬を緩ませた。



〇〇〇

「それじゃ、ルフィが帰ってくるから頑張ってね!」

「うぅ・・・いじわる・・・」

あれから盛り上がった4人にノセられてウタは一緒にクッキーを作って遊びに行ったルフィの帰りを待っていた。顔は真っ赤なままで恨みがましそうに4人を可愛く睨んでいたが4人は笑顔のままだった。

「ウタ〜、マキノ〜!!帰ったぞ〜!!」

そしてルフィが元気よく酒場のドアを開けながら帰ってきた。ウタはそれにビクンっと体が揺れるとルフィはクッキーに気がついたのかトコトコと早歩きで涎を垂らしながら近くに来た。

「お、美味そうだな!」

「ル、ルフィ・・・お、おかえり・・・」

「おう、ただいまウタ!」

いざルフィに食べさせる時だがウタは緊張でガチガチに固まっていた。そんなウタを見てナミとロビンはクッキーを軽く1つ摘んだ。

「ルフィ、あ~ん」

「ん?あ~ん・・・美味えな!」

「ふふ、次はこっちよ」

「あ~ん・・・んん?」

ルフィはナミやロビンがクッキーを食べさせに来ると特に何も考えずに食べて美味しい事に喜んだが何でこれをやるのか分からずに首を傾げてるとウタは頬をパンパンに膨らませてルフィを睨んでいた。

「ウ、ウタ?」

「ムゥ〜〜〜〜〜!!!わ、私だって・・・ル、ルフィ!!あ、あ~ん」

「なっ!?」

ウタは少し苛立ちながらクッキーを摘んでルフィに食べてもらうように伸ばしてきた。ルフィは先程まで特に感じてなかったのにウタにされると顔を真っ赤にして固まった。暫く固まってしまい段々とウタの目に少し涙が溜まり始めてルフィは赤くしたまま口を開けた。

「あ、あ~ん・・・う、美味いぞ!」

「ほ、本当!?」

「あ、あぁ!」

ルフィに喜ばれて嬉しかったウタはそのまま口を開けた。

「ルフィ、私にもあ、あ~ん!」

「わ、分かった」

ルフィはウタが何をしてほしいのか分かるとクッキーを1つ摘んで口に運んできた。

「ウタ、あ〜ん」

「あ〜ん」サクッチュ

「「わぁ!!!??」

ウタはルフィが運んできてくれたクッキーを食べたのか緊張してクッキーを摘んでいたルフィの指先を少し唇で挟んでしまい、ルフィ共々顔を真っ赤にして驚いた。

「あ、あ、ル、ルフィ!そ、そのごめんなさい!」

「い、いや良いんだ!!痛くもねぇし!!・・・こ、今度は普通に食べようぜ!!」

「え?・・・うぅ、ルフィ・・・その私はルフィともっとあ~んしたい・・・ダメ?」

「うっ・・・わ、分かった・・・」

2人は顔を赤くさせたまま今度はゆっくりとクッキーをお互いに食べさせあった。




〇〇〇

「マキノさん!マキノさん!どどど、どうしよう!?ルフィの指がわ、私のく、口に・・・」

「お、落ち着いてウタちゃん!」

「うわぁぁぁぁぁ〜!!ナミ、ロビン!!ウ、ウタのく、唇が・・・」

「ちょっと落ち着きなさいよ」

「ルフィ、そんなに慌てなくて大丈夫よ」

その後、2人はそれぞれその事を顔が真っ赤になりながらもどうすれば良いのか各々の相談相手に相談していた。



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