あるちゃん陥落同盟!
彼女たちの同盟は、当人であるアルを除いて結成された便利屋の裏同盟。
それらの同盟は二つの掟があった。
一つは、ほかの人のアピールを妨害しないこと。
これは、ヒナが受け入れられて最初に建てられたものであった。
勿論、りっちゃんだけでなく、ほかのメンバーからもくうちゃんとしてかわいがられていたヒナではあったが、それはそれ。
恋は戦争、手段を択ばない。
などしてしまえば、その被害を被るのはまず間違いなくアルであった。
誰が傷つくにしても仲間思いのアルが傷つくであろうことは、明白だった。
それにもう一つ。
それは、正妻戦争。
最初にアルちゃんに告白してもらった人が勝ち。
それまでは、自分たちからは告白してはいけないし、アピールも控えめにすること。
そして、勝利した後も、ほかの仲間からアルちゃんを独占しすぎないこと。
これも、さきほどのものと同様。
競争の激化を防ぐためのもの。
「正直、ムツキが我慢しきれるとは思っていなかった」
とは、カヨコの談。
実際、ムツキも、そのあたりは気を遣っていたのだ。
なにせ、彼女もアルから幼馴染の存在を知らされており、そして、それが彼女のことだと早期に気が付いていた。
そんな彼女相手に、自分も幼馴染だからで、すべてを押し通すのは。と思っていたのだろう。
「まぁ、とはいえ」
「これでアルのこと諦めるくらいじゃないんだよね」
「……くうちゃんには悪いですけれど、アル様のものになりますから」
かくして、便利屋メンバー+くうちゃんの四人のアルちゃん陥落同盟の本気の誘惑が始まった。