あびどすへん中編
ぱん、ぱん、ぱん。と、乾いた音がリズムよくアビドスの裏路地に響く。
まだ、おてんとうさまは、空から日差しを浴びせていて、誰もいないアビドスの街並みに、私とアルの息遣いと、腰を打ち付ける音だけが響いていた。
連れてこられた場所は、アビドスから少しだけ離れた無人になった一軒家。
鍵がかかってたから、その庭で、私はアルのふたなりに打ち据えられていた。
以前より大きくなっていたアルのふたなりは、私の子供を作るお部屋を簡単に揺らして、一度打ち付けるごとに、私の心を砕いていく。
嫌じゃない。私は、アルのことが好き。
けれど、先輩がいた、後輩がいるアビドスのことを守りたい、その気持ちは嘘じゃないはずなのに。
ただ、アルの大きなそれが私のナカをかき回すだけでその気持ちが全部蕩けて、気持ちいいって信号に代わっていく。
とん、とん、とんって、突き上げてくれるたびに、私は、もっとしてって、おねだりするように、締め付けている。
でも、駄目。耐えないと。
アルが来た理由はきっと、学校のこと。
じゃないと、アビドスまでくる理由はない。
ここで、何とかしないと。
だから、考えないといけない……。
「ふふ、ホシノ、すっごく、気持ちよさそうね」
「ぁ、ぇっ♡」
アルから与えられる快楽に、頭が真っ白になって呂律も回ってない私は、気の利いた反応も返せない。
アルへの言葉に反応できたのは、ただ、顔を上げるだけ。
けれど、それは、私にとって致命的な一打であった。
顔を上げた先。
私が手をついていたのは、砂嵐を耐えきり、未だ無事だった窓。
その窓に映っていた私の表情は融け切っていて。
自身が、どんな存在であるのかを、ようやく理解した。
「アル、お願い……私に、……アルの……頂戴♡」
私が、アルのお願いを拒む必要なんてない。
だって、私のすべては、アルのモノじゃないとおかしいんだから。
「おねだりできて、偉いわね……♡ほら、行くわよ?」
内側で、アルのモノが膨らんで、私はそれに合わせるように、しっかりと中で絞めつけて。
私の内側は、猛るアルの竿から迸る白に染められた。
「ホシノ先輩!!」
その瞬間であった。
シロコちゃんが、駆けつけてくれたのは。
私のナカからは、受け止めきれなかったアルの精液がとろりと垂れていて。
シロコちゃんは信じられないものを見るように、私とアルに銃を向けている。
足音が聞こえてくる。
「ねぇ。ホシノ」
「……なぁ、に♡」
アルに優しく縁側に降ろされながら発した、自分の声に驚く。
こんなにも、甘えた声で……。
「今からちょっと騒がしくなるから。おとなしくしててちょうだいね?」
それは、今から、私たち、いや、彼女たちをその力で蹂躙するという宣言。
「うん♡全部、アルのものにして♡」
そんな、彼女の傲慢なふるまいを、私は、蕩けた表情で見送るのだった