あの子がさ

あの子がさ

好きなのかな


あの子がさ、酷いの。

あの子がさ、憎いの。

あの子がさ、怖いの。

あの子がさ、嫌なの。


あの子がさ、あの子がさ

あの子、あの子のことがさ


......いとしい。って思うの。


おかしい、おかしいよね?!

だってだってきらいなはずなんだよ。

違う、きらいじゃない。だいきらいなの。


あの子だけさ、すくわれてるみたいでさ!

いやなの。だいっっきらいなの!!!

大嫌い。今、たぶんおかしいの。


げんじつもみれなくてさ

おろかでさ、まもるって

なにもまもれてないくせに


じぶんだけ、じぶんをまもってるだけじゃん。

つごうのいいゆめをみて、自分をみないで、ばかじゃないの?

だいっきらい。だいっきらい......本当に、きらい。


なのに、いとしいなって


あのね、これを伝えたら何て言うかが気になるの

あのね、絶望してほしいの

あのね、嫌われてほしいの

あのね、すくわれないでよ


ぼくが、ぼくがさ、こうだからさ。

ぼくが、ぼくと、いっしょのとこに。


そっかぁ。あの子がいとしいんじゃないや!


あの子がだいっきらいで、だから、だからだ。


あのおかおが、すきなんだ。


あの顔が『いとおしい』んだ!



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いとしい、いとおしい、とは

  1. 目に入れても痛くないほどかわいくて、また、恋しくて恋しくて、たまらない。
  2. 気の毒だ。かわいそうだ。

 2個めの意味なら、ある意味そう思っているのかも。

 この子は1個めの意味しか知らないけれど

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