あなたはどんな花？

『おいしーなタウン 昼時』

ゆい「デリシャスマイル〜！」

あまね「ゆいは本当に嬉しそうに食べるな」

らん「まるでひまわりの花が咲いたみたいだよね！」

ここね「ひまわり、か……」

ゆい「ここねちゃんどうしたの？」

ここね「ううん、この間クラスの子達が自分を花に例えたら〜なんて話をしてたのを聞いたんだけど、わたしってどんな花だと思う？」

ゆい「花か〜」

あまね「菊の花とかどうだ？皇室の家紋にも使われてる由緒正しき花だぞ」

ここね「菊……うん、なんか嬉しいかも」

らん(そんな花の匂いが○液の匂いとか言われてるの本当に酷い言われようだよね)

ゆい「らんちゃんはなんだろう？蘭の花？」

あまね「名前から連想したんだろうが、私はいいチョイスだと思うぞ。特に胡蝶蘭は幸福を呼ぶと言われていて贈り物にも使われているからな」

らん「はにゃ〜、ゆいぴょんありがとう！」

ゆい「えへへ」

ここね「あまねは何かしら、スミレとか？」

あまね「ほう、中々いい花を選んでくれるんだな」

らん「後はお兄ちゃんか……。ゆいぴょん、何かない？」

ゆい「あたし、あまり植物詳しくないから思いつかないな……。野菜ならすぐ出てくるんだけど」

あまね「ああ見えて繊細な一面もあるからオジギソウ……ってのも考えたけどいまいちインパクトに欠けるな」

さあや「何の話をしてるの？」

つぼみ「植物が……とか聞こえましたけど」

ここね「丁度いいところに植物に詳しそうな２人が！今拓海先輩を花に例えたらって話をしていて……」

つぼみ「拓海さんを花に例えたら、ですか……」

さあや「あ、私１つ思いついたかも」

つぼみ「わたしもです」

ゆい「それじゃあせーので言ってみてよ。せーの」

さあや「マンチニール」

つぼみ「エンジェルトランペット」

さあつぼ「「あー……」」

らん「何その気まずそうに納得した感じ！？らんらんちょっと怖いんだけど！？」

さあや「この２つの植物、両方とも強いなんてものじゃない毒があってね、多分つぼみも知ってて選んだと思う」

つぼみ「はい、エンジェルトランペットは園芸でも有名ですから。勿論注意して管理しなければいけませんけど」

あまね「そ、そんなにマズい花なのか？」

つぼみ「全身に毒がある上に花の匂いを嗅いだら麻薬のようにトリップしてしまったって事件があったそうですよ？」

さあや「冷戦で自白剤として用いられたとも聞いた事あるね」

ここね「綺麗な花には毒があるってレベルの話じゃないわね……」

ゆい「でもなんか納得しちゃうかも、拓海っていい匂いするよね」

ここらんあまつぼさあ「「「「「わかる(ります)」」」」」

あまね「……聞くのが怖くなってきたんだが、さあやの言ってたマンチニールってどんな植物なんだ？」

つぼみ「マンチニールは世界最強の毒を持つ植物と言われている木ですね」

さあや「実を食べたら一発アウト……ではあるんだけどまだこれは対策としては優しい方で、幹や葉に触ると酷い痛みに襲われるしうっかり雨宿りなんてしちゃったら樹液の毒が雨に混ざって皮膚が大変な事になるみたい」

あまね「毒が雨水に溶ける！？そんなの防ぎようがないじゃないか！？……いやそもそも雨宿りなんてしなければいいのか」

つぼみ「それだけではなくて木を燃やしてもその煙が目に入って失明するとか近くで息をするだけで肺が傷つくとか様々な逸話がありますね」

ここね「なんでそんな風に進化しちゃったのその木は……？」

さあや「生命の神秘を感じるよね。でも木材としては優秀で、対策をした上で伐採した後樹液が蒸発するまでしっかりと乾燥させてから出荷されるみたい。いい所もあるんだよ」

あまね(匂いも仕草もその全てが女の子を魅了する毒、まさに品田に相応しい木だな)

拓海「っへくし！？」

リム「拓海、風邪なの？季節の変わり目は体調崩しやすいってあんが言ってたわよ？」

拓海「いや大丈夫だ、なんでもない」

拓海(どうせ菓彩が変な事考えてるんだろうな……)