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_救急需要は増えている

消防庁「消防白書」平成23年版 207ページ

救急自動車による救急出等件数は年々増加し、平成22年中は過去最高の546万3682件に達し、平成16年以降7年連続で500万件を超えている。救急自動車による救急出等件数は、10年前(平成12年)と比較して約31%増加しているが、救急隊数は約8%の増にとどまっており、救急搬送時間も遅延傾向にある。

 

_高齢化で救急需要は増大する

消防庁「消防白書」平成23年版 208ページ

平成22年度に行った将来推計によると、高齢化の進展等により救急需要は今後ますます増大する可能性が高いことが示されており、救急搬送時間の遅延を防ぐための更なる対策を検討する必要がある。

 

 

_救急車の出動件数は増え続けている

有賀徹(ありがとおる)「医療崩壊はこうすれば防げる!」昭和大学病院副院長・救命救急センター長2008年7月22日発行P44

「また救急車の出動件数も、年々増加の一途を辿っている。1994年から2006年までの12年間で実に72%も増えている。

 社会の高齢化による影響が大きいが、なかにはタクシー代わりに救急車を呼ぶなど身勝手な理由で呼ぶケースも増えていて、それが救急業務の繁忙を加速させている。東京に限っても、年間の救急車の出動台数は約70万台にのぼる。つまり、一日2000台出動していることになるが、それでも足りなくて、赤い消防車が現場へ先に駆けつけることが珍しくないのが現状だ。東京では、救急車が大幅に不足しているのである。」

 

_救急難民/救急搬送受け入れ拒否

現代用語の基礎知識2010(2010年1月1日発行 自由国民社)p867

「緊急の治療が必要な患者が、救急病院の受け入れ先が決まらないまま、救急車に乗ってさまようこと。救急搬送についての総務省消防庁の調査では、1年間(2007年)に救急搬送時に10回以上断られたケースが全国で1074件あり、このうち東京都が614件と際立って多い。首都圏と近畿圏の都市部で搬送受け入れを断られるケースが多い。一方、救急医療の現場では、満床や患者治療中のため、新規患者を受け入れできないケースが少なくない。緊急性の低い軽傷の患者が119番で救急搬送を求める事例が増えていることも、救急現場の負担になっているといわれる。」

 

_医療機関が患者の受け入れを拒否する理由

有賀徹(ありがとおる)昭和大学病院副院長・救命救急センター長「医療崩壊はこうすれば防げる!」2008年7月22日発行P40)

「1つは、医師が別の患者を「処置中」で、新しい患者を診る余裕がない場合である。これは基本的に需要と供給のバランスが崩れているために起こる。社会の高齢化とともに救急搬送の件数は増えている一方で、病院そのものは増えていない。搬送されてくる患者の数に対して、病院および医師の数が足りないため、患者に医療を供給できない状況に陥っているのである。」

 

_訴訟を恐れて救急の患者を断ることがある

有賀徹(ありがとおる)昭和大学病院副院長・救命救急センター長「医療崩壊はこうすれば防げる!」2008年7月22日発行P40

「次に「処置困難」のケースだ。病院の設備不足や、専門医の不在などによって患者に十分な治療ができない状態を指す。これについても、供給側の良と質が十分でない側面を指摘できるが、別の要素もある。

 たとえば、肩の痛みを訴えている患者の受け入れを要請されたとする。痛みの原因が骨や筋肉にあれば整形外科の範疇だが、心筋梗塞でも肩に痛みが起こることがある。このため、夜の当直を一人でこなしている病院では、慎重を期して断る場合が少なくない。自信がないのに受け入れて、万が一、問題が起こったら訴訟の可能性もあるからだ。すでに、そのような事例は知られている。これもそれなりに深刻な事態である。」

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