クリスマスと、夢mapと、田んぼのはなし
sora皆さん、こんにちは。 そして、メリークリスマス!
ギルドハウス十日町の元住人の “そら” です。
立ち上げ期の2015年8月から2016年7月まで、1年間住んでいました。
今でも、住人のように、ギルドハウスに出入りさせてもらっています。
皆さんは、夢はありますか?
私は昔から、「夢見る子」でした。
中学3年生のある日。
先生に「将来何になりたいですか」って訊かれて、みんなは「パイロットになりたい」とか「公務員になりたい」とか、いろいろ言っていたけれど、私はひとり放課後の教室にポツンと残って青い空を眺めてました。
「この空をずっとずーーーっと辿っていけば、地球の反対側につながってるんだな。アフリカにつながってるんだな。私もそこに行きたい。そして、現地の人と一緒になって暮らすんだ。自然が大好きだから、何か自然に関することをやりたい。きっと、アフリカにはアフリカの“しあわせ”があって、私ができることの何倍も、“おみやげ”をいただくんだろうな。」
そして、私はその言葉どおり、24歳のときにアフリカのケニアという国に渡りました。
現地で暮らしながら、北はソマリア国境から南はタンザニア国境まで村々をキャラバンで回り、子どもたちにキリンのお話をしたり、サンゴ礁の海に一緒に潜ったり、赤ちゃんゾウとレスリングしたりしてました。
夢をみて、いいなあって思って、気づいたらその夢を歩いてたんです。
その後もずっと、夢みたいなことをしていたかもしれません。
南の島の酋長さんになりそうになったこともあったんですよ。
・・・本当ですよ、ほんとうだってば。
うそだと思ったら、ギルドハウスに来てみなさい。もっと話してあげるから(笑)。
でもね、あるとき、このまま本当に、ずぅーーーっとこの南の島に骨を埋めていいのかなって思ったんです。
それで、自分の芯にちょっと聞いてみた。
「もしもーーーし。あなたの心のコンパスは、どこに行きたがってますか?」って。
目をつぶったらね、なんだか急に、日本の原風景みたいな、田んぼの緑が青々と広がってるところが出てきたんです。
これ、なんだろう?
私のDNAの奥底が知っている、「ふるさと」みたいなところ。
それで、どんぶらこ、と、心のコンパスが指し示す方向を辿ってきたら、ギルドハウス十日町がありました。
なんだか、はじめて来たのに「ただいま~」って言ってしまうような雰囲気が、そこにはあって。
気がついたら、住んでいました。
・・・いや、本当ですってば。
私ね、そういえば、もう何年も前から、同じ絵をかいてたんですよ。
こういうの(↓)
これ、世間でいう「夢map」ですよねぇ。
これって、ギルドハウス十日町そのものじゃない。
不思議ですねぇ。
今年は、ずっとやりたかった田んぼも、始めてみました。
近くの集落の方から小さな棚田をお借りして、手でひとつひとつ、苗を植えていきます。
農薬を使わないので草ぼーぼーです。イナゴだってぴょんぴょん跳んでます。
でも、私たちの稲穂は、秋にはたわわな実をつけました。
ギルドハウスの住人たちや、イベントに参加してくださった方々、お隣のおばあちゃん達、親切な地域の方々、その他たくさんの人の力をいただいて、古代米を含む3種類のピカピカお米が食卓に並んだときは、泣きたいくらい嬉しかったです。
夢mapって、すごいですね。
かなっちゃう。
ほんとです。
今日はクリスマス。
ちょっと願いを込めて、あなたも描いてみませんか「夢map」を。
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p.s.
クリスマスは、私にとって特別な時間でもあります。
ギルドハウス十日町に辿り着いたとき、私は生後20日の赤ちゃんを亡くして半年でした。
生きる希望なんて銀河のかなたに消えてしまって、精神的にも危なかったかもしれません。
田んぼとか、夢とか、笑顔とか、唄とか、そんなものはチリのかけらほどにも見えなくて、ちょっと前まで自分が「夢みる人」だったなんて嘘のようでした。
でも、ギルドハウス十日町で大家族のように過ごすうち、少しずつ「夢みる人」に戻っていったような気がします。
12月1日にこの星に降り立って、20日にお空に還っていった赤ちゃんは、その過程を全部みていて、もうすべてお見通しのような気もしています。
夢をまた見させてくれてありがとう。
ギルドハウス十日町がなかったら、私はここにこうして立っていることができなかったかもしれません。
ハルさん、マチコちゃんはじめ、温かなギルドファミリーの皆さん、本当にありがとうございました。
これからも、どうぞよろしく。
メリークリスマス!
2016. 12. 25 written by ”そら”