メッセージ

メッセージ

TODA RABA

突然、こんな手紙を送ってしまって申し訳ない。

君はもう結婚して子供もいることも風の噂で知っている。

どうにかして君に伝えたいことがあった。

でも、ある事情があってできなかった。

これは、僕が初めて書いた小説のようなものだ。

君だけに届けるつもりで書いたから、他の人にはこのURLを教えないでほしい。

君がこの文字を読んでいるとき、僕はもうこの世界にはいない。

何から書けばいいかな。

僕は、世界の出口を見つけた。

一度出ていくと、戻ってくることができない。

その方法をインターネットで公開しようと思った。

でも、なぜか見えない力に阻止されてしまう。

たどり着いた結論についての記憶は消える。

メモをした紙はどこかになくしてしまう。

だから君にどうしても伝えたくて、アカウントが必要のないブログに書いてURLを紙で伝えることにした。

君の住所はもう無効になっているだろうし、君の連絡先も知らない。

だから君がこの物語を読んでいるかどうか、正直自信がない。

だけど、僕はどうしても君に伝えたいことがあった。

気持ち悪いかもしれない。

愛してたとか、感謝してるとか、そういうことじゃない。

僕が君と交際していたのは、「透明人間」になるためだったんだ。

世間体、というやつだ。

恋愛感情はなかった。

君を利用していたと言われても仕方がない。

本当に申し訳ない。

それでも君がこの物語を読んでくれるのなら、読んでみてほしい。

僕は透明人間になることにした。

この世界から出ていくということだ。

透明さを、君に。


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