螺旋ビートシーケンサー
A「ジャスティス」
そう言って友人がいじめっ子を殴ったのか、いじめっ子を殴ってからそう言ったのか。
気がつくといじめっ子は床に倒れていた。
「?」
僕は何が起きたのか分からずにいる。
「何ボーッとしてんだよ」
「え?」
「こいつ、ピヨってるだけだぜ。逃げるなら今のうちだ」
そう言うと友人は風と共に去りぬ勢いで何処かへ消えた。
「クッソー!」
いじめっ子の取り巻きが何処かへ消える。
そして誰もいなくなった。
「いてて・・・」
いじめっ子が目を覚ます。
「チクショー!覚えてろ!」
いじめっ子は敗北という名の心のない優しさを手に入れるのだ。
「青空」
僕はそう言って空を眺めた。
何もない屋上。
そこにはただ、青空だけが広がっている。
「ジャスティス」
正義の名の下に僕は暴力によって「排除」されていた。
そして今、正義の名の下に僕は暴力によっていじめっ子を「排除」した。
永遠に続く戦いも、今宵だけは休戦して祝杯をあげるのだ。